若手総合法務アドバイザーの備忘録

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行動経済学(5) アンカリング効果

2016-06-09 10:11:11 | 戦略
【アンカリング効果】
深夜テレビを見ているとよく通販番組がやっています。
「なんと薄型テレビが40万円!それだけではありません!リモコンラックとテレビ台もつけて、さらにこの番組を見ている人にだけ特別値引き、29万円!!ぜひお見逃しのないように!」なんて声がどのチャンネルからも流れてきます。

見ている方は、つい「安い!買わなきゃ!」なんて思いがちですが、ふっと冷静になってみてください。

本当に安いですか?最初に提示された40万円が妥当な金額かどうかちゃんと判断できていますか?


人は、ある情報が提示されると、それ以降の判断が最初の情報に引っ張られることがあります。
上記の例で見ると、40万円という提示が最初にされたことにより、次の29万円がものすごく安く感じます。
これを行動経済学の世界でアンカリング効果といいます。


【アンカリング効果の事例】
次の例を見てみましょう。

ある日あなたは、友人から次のような質問を受けました。
「帰りに○○屋に寄って帰るけど、何か飲みたい?コーラとかのジュース類は100円、100%のジュースは120円、それから珈琲なら300円だよ。」
と言われました。

また別の日、同じような状況で友人から次のような質問を受けました。
「帰りに☓☓カフェに寄って帰るけど、何か飲みたい?フラペチーノなら500円、ラテなら550円、それから珈琲なら300円だよ。」


2つの状況で珈琲の値段の感じ方が違うと思います。
おそらく最初の質問では珈琲が高く感じ、次の質問では珈琲は安く感じたのではないでしょうか。
同じ300円の珈琲で質や量の情報が一切ない状況であれば珈琲に対する感じ方は一緒になるはずです。
しかし最初に提示した値段が基準となることで、アンカリング効果により珈琲の値段に対する感じ方に変化が生じたのです。


このアンカリング効果を使うと、物を安く見せることができます。
例えば小売店であれば入口近くに高い商品を並べます。最初に目につく商品が高価なものであれば、その値段が基準となりその他の商品が安く感じます。
また飲食店であればメニューの最初に高い品を配置したり、最初に目につくPOPなどに少し高値のメニューを載せておきます。
HPであれば上の方に高い値段を書いておいて、あとから少し安いプランを紹介します。
(ある企業では、実際に店舗の入口付近に高い品を配置しているらしいです。最初に手に取った商品の価格により客単価に変化が起こるとTVで紹介していました。)

アンカリング効果を上手に使って、相対的な商品価値を高めていきましょう。
それでは、また。