東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

王子稲荷の凧市

2018-02-07 23:01:23 | 日々

 本日初午です。実を言えば「勇み足」で「地口行灯」を観に午後自転車で一路「千束稲荷神社」を目指したのですが、着いてみると境内が普段のまま。ご神職様に伺えば、うちは二の午で飾りますとのこと。ついでに吉原神社のほうはどうなんでしょうか?とお尋ねすると午前中まで飾ってあったらしいですが、片づけたみたいですよ、。というお話で帰路につくことにしました。念のため金杉の「三島神社」にも寄ってみましたが、お祭りらしい飾りはありませんでした。根岸→日暮里→駒込→西ヶ原→滝野川と経由して道端のお稲荷さまにも注意したのですが飾りらしいものはありませんでした。そして王子。いつも裏道から抜ける習慣が身についているので権現様から亀山経由の王子稲荷の南口に出たら、ちょうど凧市でした。

JR王子駅から王子稲荷、名主の滝へと続く「森下通り」日頃はひっそりしているんですが露店でにぎわっています。

 本殿の飾りつけ。万灯みたいなものが気になって近寄ってみると、、、

 王子稲荷幼稚園の園児さんたちによる貼り絵でした。昔のことはわかりませんが、この万灯式の飾りの胴が地口の行灯であったかも、と勝手に想像します。因みにこの万灯風の飾りは8月の王子権現の「田楽舞」のとも似ていますね。

 境内には露店が3軒。文字通りの凧屋さんらしきはこの一軒だけ。もう一軒趣味縁起物風の店はあるんですが、、。以前がもっとあったように記憶しています。「火伏の奴凧」といいますが、前垂れの赤い線が「火」に見えるデザインになっています。そういえば昔の今戸人形に「奴さんのぴいぴい」がありますが、奴さんそのものというより奴凧なのか「火」の文字風の彫りがあります。小さな奴凧をまとめて括ってドーナッツ状になっています。すごいと思いませんか。売りながら、少しずつドーナツを解いていくんですね。

 本殿の向いに資料館があり、凧市のときだけ開いているんですが、案外穴場。隣が有料のお茶席になっているんですが、扉を開けて入る人があまり見られません。これ柴田是真 筆の「茨木童子の図」扁額です。

 これは12月31日王子装束稲荷から王子稲荷まで行われる「狐の行列」で使われる大きなお面飾り。ただお手本になっているお面が東京のものではなくて右のは姫路張り子のがお手本ですね。一応東京なんだから江戸式の狐面にすればいいのに、、と思うのですが、江戸の狐面は怖い顔だからという関係者のお話を以前聞きました。

 落語に「王子の狐」という噺があり、狐の親子に由縁の狐穴が本堂の裏にあります。昔から江戸の市中から行楽で出かけてきたという土地なので、昔は王子のお土産玩具に「紙のからくり」がありました。神社から今授与されている「暫狐」はその名残です。明治の「うなゐの友」に描かれている「暫狐」、江戸の錦絵に描かれている「相合傘」昭和の初め有坂与太郎のデザインした「勧進帳狐」などいろいろあったみたいですが。昭和には宮尾しげを画伯の原画による「暫狐」が定着していたのですが、自分が高校生の頃現在の新デザインになってしまったように記憶しています。王子独特の土の狐も戦前までありました。

 食べ物としては、この辺りは里芋とか八つ頭とかが産物として売られていたとか、古くはお茶の産地でその後お茶は狭山のほうに移ったとかという話を「石鍋くずもち屋」の大女将から聞いたことがあります。一時拙作の紙からくりや狐の人形をくずもち屋さんで取り扱ってもらっていた時代がありました。

 帰りに確実に地口行灯の掛かる中十条の「八幡神社」や赤羽西の「道灌山稲荷」に寄ろうと思っていたのですが、疲れたので東十条の餃子屋で一杯やって帰りました。