東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

搬入

2015-02-03 23:02:00 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)


やって来ました東京駅丸の内北口前。昼間よりも夜のほうが改修された駅舎の重厚さが感じられますね。それにしても丸の内付近の景色の変わったこと。東京生まれ東京育ちでいながら「おのぼりさん気分」になります。荷物が重いので家からタクシーで来たのですが、今日は不思議なことに道も街も夜中のように空いているという感じ。渋滞の微塵もありません。そして静かです。「節分」と関係あるのでしょうか。

会場の「丸善」へ、、こんなになっているのも知らなかった、、。こういう機会でもないと来ることないですね。4Fのギャラリーへ行き早速荷物を開き、ご用意いただいたスペースに乗せてみました。

何を持って行ったかバレバレなんですが、係の方に確認していただいて、後はレイアウトはおまかせでお願いしてきました。周りの出品者の方々のスペースをじっくり観たわけではないんですが、どちらもすっきりとしたハイセンスなムードの展示の中、自分の島だけ「バナナの叩き売り」みたいな雰囲気?アチャー!!!という感じですが、よくよく考えてみるとそもそもの今戸人形の鬻がれ方というのは、観音様の境内の露店で並べられて売られている絵も描かれているくらいなので、こうした屋台のような「ごちゃごちゃさ」はムードとしては間違っていないのかも?と独善的に考えてみました。
担当の係の方にお願いしてきたので、明日の開場のときにはもっとすっきりしているかもしれません。
お近くにお出かけの方、どうかお立ちよりくださいませ。
それにしても、ひとつ片付いたような気分でほーっとしました。
今日はたっぷり寝たいと思います。明日からはまた鉄砲狐を塗ります。

 

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担ぎ棒

2015-02-03 04:17:20 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

うっかり忘れていました。土神輿に挿しこむ棒が足りない。そこで急いで竹串を切って削って色を塗りました。「顔が命の吉徳」さんには天保3年に記された「玩具聚図」という人形玩具の配色手本が残されており、その中にこの土神輿の配色が描かれているのです。また最後の生粋の今戸人形製作者であった尾張屋・金澤春吉翁(明治元年~昭和19年)がお作りになった土神輿が残っており、本体と鳳凰部分は手本の配色と同じです。春吉翁作の土神輿にはかつぎ棒はついていないように思いますが、手本には記されているのでやってみました。

京都の伏見人形にも土神輿はありますが、考えてみるとぶつけたり落としたりすればすぐ割れてしまう素焼きで神輿を作るという発想が不思議です。ただ昔は伏見人形だったら、「割れてももとの伏見の土に帰る」といわれたそうですし、今戸では「割れると子供の疳の虫が切れる」といわれたそうで、壊れてもったいないという感覚よりは前向きな縁起をかついでいたでしょうか。
我ながら「ハハ呑気だね♪」です。もう今日の内には搬入しなければならないのでこれから寝ます。おやすみなさい。

金紙

2015-02-03 03:46:01 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

人形本体はほとんど終わったので昨夜は9時で切り上げ、銭湯で体をほぐして1:00には床につきました。6時間は眠れたと思います。銭湯のせいか体の疲れが素直に痛みに出た感じですが、行っただけよかったです。今日は付属的なものでまだなもの、そしてできたものには緩衝材で包むなどしました。ちょっとこだわるものが発生したのでその分今日はまた遅くまでの作業になりました。
金紙でお猿さんに持たせる御幣をつくるのですが、以前からいい感じの金紙がみつからないなと思っていました。近所の文房具屋さんを何軒かまわってみたのですが、やはりイメージのものがない。おそらく今日ではもう生産されていないのではないか?ということで仕方なく古い再生紙に自分で真鍮粉を塗って使うことにしたのです。つなぎにはアラビア糊ときはだ(黄柏)の煮出し汁を混ぜて塗っては乾かしで5回くり返しました。そしてハサミを入れ、折り目をつけ竹串に挟んでという具合の画像です。


最後に水引でしばって出来上がりです。

そうしてお猿さんに持たせて出来上がりました。戦前、今戸の市川梅次郎というお爺さんが作って柴又帝釈天門前で鬻がれていたという「御幣猿」です。

金紙だけではなく、折り紙用の色紙も自分の子供時分にあったような質感のものはもうないようです。幼稚園や小学校で鎖飾りを作るのに糊で貼り合わせようとすると紙を染めている染料が手にくっついて嫌でしたが、あの赤の独特な質感は今日の色紙には残っていません。どっちが良いかは人それぞれの好みですが、自分としては昔の色落ちする色紙にエスニックなものを感じます。今の金紙はつるつるのコーティングされてぴかぴか過ぎます。昔の(おそらく戦前くらいまでの金紙は時間を経て真っ黒になってしまうような質のものでした。自分で塗った金紙も後にどうなるでしょうか。