一昨日の晩やっと饅頭喰いの色塗りを終わらせました。3通りやってみました。右端は朱の泥絵の具を基調として明治以降の今戸風なパターン。真ん中は江戸時代の今戸でも使われていた植物の煮出し「蘇芳(すおう)」を使っての彩色。右と左が「片身変わり」になっているのは、今戸というより勝手に楽しく塗ってしまったという感じです。でも斜線の格子風の模様や裾の早蕨(さわらび)風の模様はパターンとして江戸時代の今戸で使われていたということを意識しました。左端は植物煮出しの「キハダ(黄柏)」の汁を重ね塗りした上に真鍮粉を散らした地に竹の枝風なものや菱状の花を描き加えたもの。江戸時代の裃雛のパターンを意識してみました。植物煮出しは一回塗りで色がつくものではないので何度も塗っては乾かしを繰り返して手間がかかりますが、現代のアクリル絵の具やポスターカラーには出せない「はかない色味」を使ってみたいと思いました。昨日名古屋に向けて発送してひと安心。
夏以来ぴいぴいをお待たせしております皆さん申し訳ありません。ぴいぴいは素焼きは済ませ地塗りとその上の「きら(雲母)」塗り、目の周りの刷り込みまでは進んでいます。どうなっているのかお問い合わせいただいた方もいらっしゃいますが、これから彩色と鞴(ふいご)つくりとを進めていきますので引き続きお待ちください。
今年は暑さが長引いたせいで、絵の具や膠を使いはじめるのも遅くなり、そのためそれぞれの工程も玉突き状態で進めています。