読書覚書 7月

今月から、ひと月の間に読んだ本を記録しておこうと思う

1・正義(上・下巻）　P・D・ジェイムズ

＊＊敏腕で知られる女性弁護士が法曹学院の中で殺害されているのが発見された
閉鎖的な学院の中の出来事であること、また、その死体には鬘が被せられ、
鮮血がぶちまかれていたことで事件は深い謎に包まれていくが・・・

久しぶりのジェイムズは格調高い文章というか丁寧でくどいまでの情景描写と
すじ運びで最初は捗らなかったが、中盤からは一気に読めた
今の法律では必ずしも「正義」というものが認められるものではないということ　
また、「女には向かない職業」でも述べられているが、
『正義が危険な概念であるのは、正しいと信ずるが故に盲目となることが
あるから』ということが基盤になっているのではないかと思った
　　
2・りかさん　　　　　梨木香歩

＊＊リカちゃん人形が欲しかったよう子におばあちゃんから届いた
ひな祭りのプレゼントは「りかさん」という名前の市松人形だった
　がっかりしたよう子は「りかさん」を抱く気にもなれなかったが、
りかさんは不思議な人形でよう子の気持ちを段々とほぐしていき、
二人は沢山の人形の事件を解決していく・・・

人形は苦手で家でも飾らないし、パッチワークでも極力作らない　
だが、この本を読むと人形にこめられた思いや人形の持つパワーは素晴らしいと感じた
・・人形の本当の使命は生きている人間の、強すぎる気持ちをとことん整理してあげること　
木々の葉っぱが夜の空気を露に返すようににね・・ようこのおばあちゃんの言葉です　　　

　　
3・西の魔女が死んだ　梨木香歩

　　＊＊中学生のまいは突如、学校へはいかないと宣言する　
困った母親は無理強いするより気分転換のためにと、
自分の母親にまいを預けることにする
自然と調和した暮らしをしている祖母はまいに魔女修行を勧めるが・・・

試写会が当たって、本を読むより先に映像にふれてしまったが
何の違和感もなくすんなり読めた　
イギリス人の祖母はまるでターシャの簡易版のようで野いちごのジャムを作り、
ハーブで虫除けの薬を作る　一番気に入ったのはラベンダーの上にシーツを干すこと　
これはぜひともやってみたいリストの上位にランクされそう　

今日の一枚は森の図書館の庭の木