「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

テングスミレが見たくて・・・

2007-05-05 22:38:47 | 道南の山々
札幌には咲いていないナガハシスミレ(テングスミレ)が見たかった。
片道250キロ、道南の厚沢部町「レクの森・土橋自然観察林」まで出かけた。
こんもりとした深い森で、ブナの新緑に加えて、花が多い。
カタクリ、キクザキイチゲ、スミレサイシン、オオバナノエンレイソウ・・・
  
【ブナ新緑】        【スミレサイシン】

「あった、あった」
遊歩道周辺は、どこもかしこもナガハシスミレだらけ。
スミレの花弁の付け根には「距」という部分がある。
これが天狗の鼻のように発達しているのが、ナガハシスミレ。
スミレの識別は難しいが、初めて見てもすぐわかるのが嬉しい。
  

起伏のある楽しい森だったが、もう少し歩きたくて、近くの
太鼓山(170m)に登る。
頂上で足を踏むとボン、ボンと響く不思議な山だった。
登った人が必ず跳ねるのも面白い。
  
【太鼓山】          【響く頂上】

俄虫温泉で汗流す。田園地帯の一軒宿。
素朴で透明なお湯がよかった。400円。



春もみじ 桜も咲いた

2007-05-04 22:17:25 | 円山
円山に春紅葉(はるもみじ)を観にいった。
春、山が萌える光景を季語で「山笑う」という。
芽吹きの淡い赤や萌黄色が山を優しく彩っていた。
大勢の人が登ってゆく。頂上には100人ほど。満員御礼だった。
麓のエゾヤマザクラも見ごろで、こちらも大盛況。
山も麓も、人の笑顔で満ちていた。
まさに、山笑う。
うきうきする季節がやってきた。

  


深川・丸山のカタクリ群落

2007-05-03 23:26:38 | 道北の山々
深川市の丸山は標高114メートル。
水田地帯にポツンと、お椀を伏せたような里山だ。
カタクリの群落がすばらしいと聞き、初めて訪れた。
麓に丸山寺があり、小さな山全体が霊場となっている。
大勢の人がいるなと思ったら、きょうは、「春の例大祭」。
響くご詠歌と老若男女の信者で賑やかだった。
信仰の山に咲き乱れるカタクリは、人々の暮らしの中に息づいていた。
  

有珠 善光寺の花(07年4月30日)

2007-05-02 19:26:09 | 室蘭・登別周辺の山々
【ヒナスミレ】

有珠山の帰路、善光寺に寄る。
去年は5月13日、伊達紋別岳の帰路に立ち寄っている。
江戸時代から続く古刹は、国の史跡であり、桜の名所。

古木、巨木に加えて、春を告げる野の花も多い。
薄いピンク色のヒナスミレが見ごろだった。
見とれていたら、視覚に青い鳥がひらり。
オオルリだ。南の国から渡ってきた夏鳥。

土地の桜が咲くのはGW後半までお預けらしいが、確実に春はやってきている。
早咲きの栽培種が、ぽつりと咲いていた。
「この桜は早晩山です。なんと読むのでしょうか?」とチラシが貼ってあった。
古刹にユーモア有り。楽しくなった。
  

答えは「いつかやま」・・・
携帯電話で写メしていた男性が屋台のおじさんから正解を聞いていた。
検索したら、有名な大阪・造幣局の通り抜けの桜が「早晩山」だった。



有珠山に登る(07年4月30日の記録)

2007-05-01 13:48:29 | 室蘭・登別周辺の山々
【洞爺湖と有珠山】
夏靴登山を求めて南下、初めて有珠山に。
9時25分、伊達市有珠の登山口から入山。
2・6キロの登山路は、時おり舗装道路と交差する。かつての観光道路。
噴火後に一般の利用は禁じられ、今は作業車のみが通行できるという。
ミズナラの森には、真紅のコジマエンレイソウが多い。道南に多く、南限の札幌に少ない。思わず見入ってしまう。ところどころで群落を作っていた。
  
【コジマエンレイソウ】  【エンレイソウ】

10時40分、外輪山展望台(520m)に。
羊蹄山、ニセコの山々、噴火湾から道南の山々まで、展望がすばらしい。
火口原から山頂(732m)までは立ち入り禁止。その荒々しさをじっくりと眺める。
看板によると1977年の噴火まで、火口原には森があり、一部は牛の放牧にも利用されていたという。
かつてここに、人の暮らしがあった。

  
【火口原と羊蹄山】    【小有珠と有珠新山】

【昆布岳】

外輪山をぐるりと歩き、急な木道を登る。11時30分、ロープウェイ展望台と出合う。ここは大勢の観光客でにぎわっていた。
登山スタイルの僕は珍しく、じろじろと見られてしまった。
昭和新山越しに白く構えるオロフレ山や徳舜瞥山が美しい。

【昭和新山とオロフレ山】

ロープウェイ駅舎に「山頂にクマが出没、注意」とあった。
下山して登山口をよく見ると「28日クマ出没 入山禁止」の看板が。
知ってか知らずか、そういえば出会った登山者はわずかに6人だった。
噴火で荒れた有珠山にクマがいる? 戻っていた?
新鮮な驚き。ちょっと感動。
札幌では、こういったニュースは全く知られていない。

下山後、有珠善光寺で野の花を愛でてから、
留寿都村の留寿都温泉で入浴。村営の小さくて綺麗なお風呂。
なんと200円。じっくりと暖まるお湯は価値あり。
清掃協力費という名目も小粋だ。