【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【バンブーハウス大変身の真相】

2016年08月25日 | オムコイ便り

1週間ほど前に、「バンブーハウス大変身?」と題した記事と写真を掲載した。

 その図柄にびっくり仰天した既泊ゲストも多いことだろう。

 きっかけを作ったのは、昨年に藤間さんと同宿になった大阪の真澄さんである。

 期せずして今年もまた同宿となったのであるが、彼女が同行してくれたパートナーの一成(いっせい)さんが、なんとスプレーで壁絵などを描くグラフィティ・アーチストだったのである(彼ら自身はライターと呼んでいるらしい)。

 もうひとりの同行者は、真澄さんの友人である鶴ちゃんこと葉月さんだ。

     *

 一成さんは、100キロを超える巨体である。

 体はいかついが、笑顔は少年のように愛らしい。

 ひと休みすると、一成さんは水浴びを済ませてさっそくスプレーの準備に取りかかった。

 真澄さんは彼の半分の体重もなさそうだが、まるで敏腕マネージャーのようにテキパキと動き、ビデオ撮影の準備などを進めている。

 水浴びをしてタイで買ったというミッキーマウス模様のパジャマ(?)に着替えた鶴ちゃんは、ホンワカとした空気を漂わせている。

 さて、事前には作品の写真を送ってくれて「できれば大きな壁に描きたい」という話はもらっていた。

 しかし、わが宿にも村にも、そんな大きな壁なんぞはない。

 村の衆にも話はしたものの、今のところ確実に描いてもらえるのはわが宿のトイレくらいだ。

 むろん、「ぜひぜひ」ということになって、さっそくお粗末なブロック積みの壁がキャンバスとなった。

    *

 女将ラーの注文は「花を描いてほしい」というものだった。

 ついでに番頭さんは、「この村から感じた雰囲気を花の絵に活かしてほしい」とお願いした。

 ちなみに、彼のライターズネームは「キャスパー」と言い、そのキャラクターマークも見せてもらった。

「これも描こうかなあ」という呟きがあったので、サイン代わりに小さく入るのかと思っていた。

 壁の前に立った一成さん、下絵も描かず、いきなり緑色のスプレーで線を描き始めた。



「ふむふむ、これは花の茎かなあ」

 なんて思っているうちに、ネコの顔のようなものが現れ出した。

 あれれ、これはさっき見たキャラクターマークではないか。

 女将のラーが近寄って来て、「花はどこにあるの?」

 うーむ。

 番頭さん、ちょっと焦ったものの、すでに遅い。

      *

 そのうちに赤い花がその周囲を囲い始め、右側にバンブーハウスの文字が浮き上がり始めた。

 うーむ、なるほどなあ。

 これはこれで、なかなか面白いではないか。

 キャスパーというキャラクターについても全然知らない番頭さんではあるが、殺風景だったトイレの壁が、ぱっと明るくなったのは確かな事実である。





 しかも、制作料は無料。

 そこで制作が終わると、村の焼酎をしこたま飲んでもらったことは言うまでもない。

     *

 晩飯のおかずは、プラーニンのトムソム(レモン味)スープ。

 一成さんは体格がいいだけに、飲む量も食べる量も気持ちがいいほどに凄い。

 同宿の藤間さんとビールを酌み交わしながら、制作にかける姿勢などについて話が弾んでいる様子だ。

 食後に全員でホタル見物に出かけたのだが、あいにくわずかな光のまたたきしか見えず。

 これが幻想的なまでにたくさんの光に包まれていたら、また別の制作のヒントになったかも知れないのになあ。

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