【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【頤和園にて】

2007年07月12日 | アジア回帰
 ひと寝入りして、午後から頤和園に出かけた。
 
 いわゆる観光名所には興味がないので、これまで足を運ぶことはなかったのだが、生まれて初めて北京を訪れた小楊には欠かせない場所だろう。

 バスの便が悪く、冷房もないのでとにかく行くまでが大変だった。

 着けば着いたで、大観光団が埋め尽くして、身動きができない。

 「昆明湖」「西湖」「南湖」と名付けられた湖には涼風が吹き渡って、水辺にいるときだけは心が安らいだ。

 小楊が、西湖にまつわる「白蛇伝」のラブストーリーを語ってくれる。

 白蛇伝は何度も舞台を見たはずだが、ストーリーがよく想い出せない。

 結末は悲劇だったような気がするのだが、小楊はハッピーエンドだという。

「ハッピーエンドか。ラブストーリーは、ハッピーエンドの方がいいね」

 そう言いながら、これまで話せなかったベンとの結末を初めて小楊に話した。

 「どうして連絡がとれないの?」

 これまでのいきさつを知っている楊が、驚いた表情で聞き返す。

 しかし、「中国の方がいい治療が受けられそうだ」と話すと少し納得したような顔をした。

 あとは、黙って私の話を聞くだけだ。

 どう答えようもないだろう。

「よし、次に行こうか」

  重い空気を吹き払うように快活に言って、水辺のベンチをあとにした。

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