【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

 【ラッキー+2=ゼロ?】

2018年03月13日 | オムコイ便り

 最近、集落内の仔犬が3匹、立て続けに死んだらしい。

 その噂を聞きつけた女将のラーによれば「狂犬病」だという。

 この人の話はあんまり当てにならないのだけれど、「ウチの犬に移ったら大変だ。薬を買ってくる」と言いながら朝から町へ飛び出して行った(移るか?)。

 おいおい、一体どこでそんな薬を買うつもりだ?

    *

 昼過ぎに戻って来たラーが、「獣医さんが夕方に来てくれるって約束してくれたよ!」

 そして、実際に来てくれたのだが、こちらはすでに3匹の犬を確保して待機しているというのに、二人の獣医は先に隣りの家の豚舎に行って何やらの処置を始め、延々と待たされてしまった。

 おいおい、一体どういう約束なんだ?

    *

 待ち時間は長かったが、ワクチン注射が始まると呆気ない。

 医者の指示は、「ネコを捕まえるときのように犬の首筋の皮をつかんで、横にならせろ」というものだった。

 まずは、すでに1歳半近くになって図体のでかさばかりが目立つラッキーを抑えて、背中にチクリ。

 こいつ、相変わらずのバカなので大騒ぎするかと思ったら、存外におとなしいものである。

      *

 次に、雌の仔犬のイアーンと雄の仔犬のシートン。

 おっと、この2匹は別にラッキーがどこぞの雌に生ませた仔、というわけではない。

 たしか、去年の10月頃だったと思うが、番頭さんが心身のバランスを崩してどん底状態にあったとき、通夜か何かで親戚の家に行った女将が酔っ払って、勝手に連れ帰ってきたのである。

 その頃は明日の米にも事欠くような状態で(今もそうだけど)、「何を考えているんだ!」

 番頭さん、高血圧で赤くなった顔をさらに真っ赤にして激怒したものの、相手は酔っ払いだから何も考えてなんぞいないのである。

 翌朝、「戻して来い」と命じたものの、「すでにもらってきたものは返せない。この可愛い2匹がいるとあたしも元気になるから、どうか飼わせてちょうだい」と言い張る。

 ラーも病を得た私の世話で疲れ果てていたから、無下に嫌とは言えない。

「バカ犬はもう、ラッキー一匹で充分だ。俺はこの2匹の世話は一切しない。餌も充分に与えられるかどうか、保証はできない。お前さんが望む日本語での名前も付けない」

 そう宣言しながらも、結局は押し切られる形になったのである。

     *

 ちなみに、雌のイアーンは薄茶色で、ラッキーと同じ尻尾の長いカレン犬である。

 ただし、背中の体毛が逆巻いて亡くなった「元祖ガイド犬・元気」を思わせるコブラ模様が入っている。

 女将が目を付けたのは、このコブラ模様だったのである。

 名前の由来はタイラーンナー(北タイ)語で「愛らしい瞳」という意味らしい。

    * 

 一方、雄のシートォンは全身黒毛だが、両目の上にお公家さんのような丸い薄茶色の模様があり、腹まわりや脚にも同様の色が入っている。

 これが光の加減で「金色」に見え、かつてこのような色をした競走馬がタイで活躍したこともあって、北タイ語で「金色」という名前になったらしい。

 尻尾はまるで根元近くで切ったように短い。

 そう言われてよく見れば、なるほど、それぞれの特徴をとらえたなかなか良いネーミングではないか。

 「論より証拠」とここで写真を撮ろうとしたら、またカメラが映らなくなっている。

 まいったなあ。

       *

 最近では、2匹の性格もよく見えるようになってきた。

 イアーンは大喰らいで、とにかく食べる。

 雌のくせして元気のように威勢がよく、たくましい。

 餌を取られそうになると、体が数倍も大きいラッキーに唸ってみせるくらいだ。

 ワクチン注射も平然と受けたが、終わってから痛みを感じたのか、くるくると回りながら自分の背中を舐めようと苦労している姿が可愛い。

   *

 一方のシートォンは、雄のくせして根性がない。

 以前に女将が冷水で水浴びをさせたら、腰を抜かして1週間近くも歩けなくなったことがある。

 弱虫でいつも物陰に隠れて、そこへ近づくと低く唸る。

 番頭さんには、今でも警戒気味でなかなかなつかない。

 注射のときは、ひたすら固まってふるえていた。

 それでも、ラーに言わせれば、「3匹の中では一番賢い」と言うのだけれど、今までベタベタに可愛がって甘やかしているから、あんまり期待できそうもない。

※写真は、ゲスト展望台に案内した亡き元気のかつての勇姿である。

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