切り出した薪が山積みになった庭先では鉈を叩きつける甲高い音が鳴り響き、新しく入手した砦用地では雑草の根を掘り起こす鍬の鈍い音が絶えることがない。
薪割りはすでに3日目に入るが、ラーの友人ウーポーの頑張りのおかげで、今日はなんとか目処がつきそうだ。
砦用地の草刈りは、今日で2日目だが、土地の半分が急斜面、しかもゴミが多いので、思ったよりも作業がはかどらない。
とりわけ、ゴミの散乱ぶりは呆れるほどだ。
ビール瓶を初めとする各種の空き瓶、防虫剤のスプレー、シャンプーなどのプラスチック容器、菓子袋、衣類、トイレ洗浄ブラシ、手製のアヘン吸入器・・・何ヵ所かにはご丁寧に穴を掘って雑多なゴミを埋めてある。
放置された段ボールの中には、なぜか民族衣裳を織るための巻き糸が数個。衣類の中には、巻きスカートもある。
一番問題なのは、瓶類が泥をかぶって地面に埋もれている点だ。
知らずに蛮刀や鍬を振るっていると、粉々に砕けてしまうので、破片が飛び散って危ないし、そのあとの始末に手間がかかって仕方がない。
衣類の場合は、鍬がなかなか地面に入らない。
何かと思って何度か鍬を打ち込むと布の切れ端が見えてくるが、これまた泥と一体化しているので、引っ張り出すのにひと苦労だ。
スプレー缶はいちいち穴を開けないとならないし、草刈りをしているのか、ゴミ拾いをしているのか分からなくなってくる。
*
今朝は、サンダル履きで霧のかかった山の様子を眺めに行ったら、釘を踏み抜いてしまった。
釘を打った古材が土中に埋もれていたので、気づかなかったのである。
幸い、傷は浅かったが、念のために破傷風の注射を打たねばならないだろう。
先日書いた【村の燃料事情】に対し、ゴミ問題についての貴重なコメントをいただいたばかりで、タイムリーといえばタイムリーな事件(?)だが、ちと憂鬱な気分である。
まあ、日本でも同じような光景は至るところに見られる
のだけれど、チェンマイあたりのゴミがオムコイを含む山岳地帯に大量投棄されていると聞けば、地元民として心中おだやかではない。
村の衆が放置された空き地(一応バナナは植えてあったのだが)にゴミを埋めたりポイ捨てするのは、まだ可愛いとして、人目につかない谷間などにいつの間にか大量のゴミが溜まっていくさまを想像すると、怖気がふるってくる。
山の民たちが事の重大さに気づいたときは、日本と同様時すでに遅し、行政の力をもってしても撤去・復元することなどほぼ不可能だろう。
うーむ。
気分直しに、昨日咲いた花と愛犬(“元気”と“雄太”)の写真を掲載した次第だ。
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