ウイワットの運転するチャーター車で斎藤さんが到着したのは、午後5時半。
午前11時過ぎにチェンマイ着予定のバンコク発飛行機が、大幅遅延で午後2時着になったのである。
宿に入って見せてくれた戻りのチケットは、翌日正午過ぎのチェンマイ発。
ということは、翌朝7時頃にはここを出なければならないではないか。
まさに、神風弾丸ツアーである。
しかし、話を訊くと別に急いでバンコクに戻る必要もないのだという。
すべては、タイ人の知り合いが手配してくれてこうなったのだとか。
キツネにつままれたような話なのだが、ウイワットのスケジュールは動かせない。
とりあえずは、明日の夕方発くらいの飛行機に変更できれば斎藤さんも少しは楽だろう。
というわけで、チケット変更に関するひと騒動が終わったあとで、晩飯宴会に突入したことは昨日書いた通りだ。
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きっかけは、私たちを取材したテレビ番組だったそうだ。
それを見て「感動」し、今回の強行スケジュール訪問となったというのだが、こちらとしてはただ面映いばかり。
話をしているうちに、もう随分と前に日本から電話をもらったことなどを思い出したのだが、予約電話を入れてきたタイ人の話ではそのあたりのことがまったく分らず、ここにきてようやくすべてが腑に落ちたのだった。
やれやれ。
それにしても斎藤さん、村の焼酎、ちと急ピッチで飲み過ぎたようですなあ。
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翌朝、午後5時過ぎの飛行機に予約変更できた旨の連絡が入った。
これで、少なくとも午前中はゆっくりしてもらえる。
そこで、川向こうの棚田と展望台に案内することにした。
1時間程度の散策コースだ。
前夜は冷え込んだが、当日は爽やかな快晴である。
遠くから響いてくるカウベルの音に聴き入っていた斎藤さん、その思いが伝わったのか、途中で一頭の牛が近づいてきて、冒頭のようなツーショットとなった。
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宿に戻ると、ちょうど大野さんと工藤さんがバイクで出発するところだった。
二人を見送って間もなく、チャーター車の出発時間がきた。
宿の前で、居残りを決めた兼子さんとふたりで「親子」の記念撮影。
あれれ、ドタバタしてドライバーのウイワットと一緒に撮るのを忘れてしまったわい。
それにしても斎藤さん、次回はもっとゆっくりしていってくださいねえ。
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