【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【若さ爆発・その2】

2013年11月25日 | オムコイ便り
 
 金曜日にひいた風邪がこじれて、申し訳ないことに続編の更新やコメントへの返信が遅くなってしまった。

     *

 さて、翌日の朝飯はナムピックプラー(魚の唐辛子味噌)。

 魚の白身と唐辛子、薬草、香草などを小臼で搗き込んだタレに、湯がいたキャベツ、丸ナス、生の長豆、胡瓜などをつけて食す代表的なカレン料理である。

 なんでも体験したい、しかも多少の辛さは平気というリクエストに応えたつもりだったが、ラーが景気よく投入した唐辛子の数はちと多過ぎたようだ。

 だが、辛い、辛いを連発しながらも、口と手は決して止まらない。

 坂下さんなどは、ラーが教えた通りにキャベツに大量のタレを包んで口に入れてしまい、暫し悶絶。

 鼻腔内粘膜がコントロール機能を失った様子なのだが、それでも鼻の穴にティッシュを詰めて、さらに食べる、食べる、食べる。



 辛さを和らげるため、裏庭で採れたバナナを頬張りながらの大奮闘であった。

    *

 食後、トイレから戻ってきた古市さんが素っ頓狂な声をあげる。

「いやあ、すごく立派なうんこが出ました。こんなにでかく、こんなに長いんです。こんな凄いうんこ、生まれて初めて!」

 そういえば、以前にもそんなことを言っていたゲストがいたっけ。

 おそらく、前夜の薬草、香草が効を奏したのだろうが、これ、わがバンブーハウスのキャッチフレーズに使えないだろうか。

 曰く、「カレン族生活体験、立派なうんこに出会う旅」。

 だが、続いてトイレから戻ってきた坂下さんのように、とんだ余録もある。

 「おしりヒリヒリ、不思議快感」。

     *

 さて、バカなことを言い合っているうちに10時を回った。

 彼らは、午後2時過ぎのバスに乗ってチェンマイに戻らなければならない。

 翌日には、コムローイ揚げの行事で日本語ガイドを務めてくれた女子大生との大事なデート(?)が控えているのである。

 そこで、川沿いの道をたどって古い竹橋を渡る散策コースに案内することにしたのだが、彼らは「水着を持っていこう」と張り切っている。

 え、泳ぐの?

 天気はまずまずだが雲が多く、気温は25℃もないだろう。

 ともあれ、昨日と同様に軽妙なギャグの応酬を聞きつつ橋を渡って棚田に入り込んだ。

 一昨日、大きな団扇で籾殻払いをしていたプーチョイ(副村長)の田んぼでは、親爺さんが藁束の片付けをしている。



 袋詰めと運び出しは昨日のうちに終わり、プーチョイは水牛の世話に行ったのだそうな。

     *

 若さにまかせて泳ぐにしても、戻りに日が陰って寒くなる可能性がある。

 最後の最後まで引き延ばすつもりだったのだが、二人はどうにも待ちきれない様子だ。

 そこで、定番の休憩場所「大岩のテーブル」がある岸辺に降り立った。

 雨季が終わってかなり水かさは減ってきたが、この少し下流には腰の深さほどの流れ込みがあるのだ。

 これを見たふたりは、さっそく服を脱ぎ始めた。

 あれあれ、本当に泳ぐんだあ。

 還暦プラスワンの番頭さんは、岩のテーブルにどっこいしょと腰をおろして、むろん服は脱がず、お手並み拝見を決め込んだ。

 水に足をつけると、ヒエッ。

 かなり冷たい。

 だが、ふたりは構わず砂床を踏みしめつつ深い流れの方に向かって行く。



 水を掛け合う。

 飛び跳ねる。
 


 あ、ついに流れに頭から突っ込んだ。

 クロールでバチャバチャ。

 浅瀬からバック転。

 砂床に腹這いになる。

 顔がゆるむ。

 これは、たぶんおしっこ中。

「冷たい」「寒い」と叫びつつも、およそ20分は水の中にいたはずだ。

 やっぱり、若さだねえ。

 飼い犬の元気や雄太も、遠巻きに眺めているだけだというのに。





 ようやくあがってくると、「ああ、ようやくスッキリ、しかもきれいになりました」

 なんでも、チェンマイに入って以来、なにやかやと忙しくてゆっくりとシャワーを浴びる時間もなかったのだそうな。

「オムコイのきれいな川の水が、すっかり汚れてみたいで・・・」

 いいんです、いいんです、それくらいのこと。

 川だって、大いに喜んでいますよ。

     *

 古い竹橋で遊んで家に戻ると、すでに12時前。



「町で一番うまい」とラーが勧めるクッティアオ(タイラーメン)を持ち帰って、みんなで食した。

 これも初めての体験だそうで、レモン酢、炒り唐辛子、砂糖の付属3点セットにも興味津々。思いのほかに好評だった。

 1時に2往復して町まで送り、物産館での買い物に付き合う。

 日本で待つ祖父母にカレン服やカレン織りのお土産を求めるなど、なかなかの孝行ぶりである。

 そして、バスに乗り込むまでふたりのギャグの応酬は続いた。

 こんな若い衆がいる限り、ニッポンは大丈夫だあ、

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2 コメント

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パサータイヤーク (都々逸小僧)
2013-11-26 13:41:42
前略番頭さま
はじめまして。「立派なうんこに出会う旅」最高だと思います。私もぜひ参加させて下さい。幼い頃からの小生の夢は「いつか象よりもでかいうんこを出す事でした」......根っからの下品的精神構造で陳謝致します。

さて、実は貴殿のブログは数日前に初めて知りました。先日チェンマイでバイクを借りてオムコイまで行きました。帰国してからこのブログを知りこんな良い体験をさせてくれる素敵な宿があったなんて...これはもう一度オムコイへ行くしかないと思って居ります。
オムコイで一泊して翌朝そこから凸凹の道を105号線目指してオフロードバイクで向かったのですが、私自身のどん臭さと天気による道の影響で結局Huai Bong村という所で前進を諦めました。その際小さな学校で一泊させてもらい翌日帰ってきたのですが、あまりお礼が出来なくて心残りです。また夜空の満点の星たちも忘れられません。
いろんな意味で是非もう一度訪れたいと思っています。その折はよろしく御願い致します。
                    草々。
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それは残念でした。 (クンター)
2013-11-28 10:07:09
都々逸小僧さん

 フェイスブックへのメッセージも、ありがとうございました。次の機会を楽しみにしております。
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