【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【雨季が来る前に】

2010年02月28日 | オムコイ便り

 建替え用木材のカンナかけが、ひととおり終わった。

 初めは、近所に住むラーの同級生夫婦に頼んでいたのであるが、電動カンナが何度も壊れるわ、そのたびに前払いを求めてくるわ、作業中に激しい夫婦喧嘩を始めるわ(旦那の右目がふさがってしまった)で、なかなか作業がはかどらない。

 ちなみに、カンナかけの作業料は、肘から伸ばした指先までの長さをひと単位として計算する。幅や厚さは関係なく、あくまでも長さが単位となる。

 この夫婦の場合は“ひと腕”2バーツで、村では一番安い。

 安いのではあるが、あまりにも問題が多いので、わずか3日で解雇せざるを得なくなった。

 彼らは主に、長さ“6腕半”の梁材を手がけたから1枚13バーツである。

 支払い総額は、1,400バーツとなった。

      *

 代わりにラーが見つけてきたのは、遠い親戚にあたる30代半ばの男である。

 彼の作業料は、“ひと腕”3バーツ。

 ちと割高だが、甥っ子のジョーを助手にして黙々と作業を進めていく。

 一日の作業量はおよそ100枚で、同級生夫婦の2~3倍のスピードである。

 焼酎を飲んでぐだぐだすることもなく、前払いも要求しない。

 これは、大当たりだった。

 削り終えたものは、几帳面なジョーが10枚ずつ印をつけながら積み重ねていくので、枚数も数えやすい。

 昨日、作業が終えた時点であらためて数えてみると、およそ350枚。

 支払い額は、5,600バーツ。

 通算1週間の作業を合計すると、およそ450枚、7,000バーツの出費となった。

        *

 なにせ、2年以上もかかって少しずつ手に入れてきたものだから、虫食い、割れ、焦げ(これは炉のそばに積み重ねておいた)など、微妙な状態のものも多い。

 それでも、各部材の備蓄総数が分かり、これでなんとかいけるかと思いきや、ラーがしきりに首をひねっている。

「クンター、やっぱり昔の材木の方がいいね。見てみて、家の古い床板に較べたらこっちの新しい床板、なんだかぺらぺらしてるでしょ?」

 そう言われてみれば、足脂で黒光りしている家の床材の方がしっかりしている。

「クンター、この古い床板にもカンナをかけてもらおうか?床板として使えるかもしれないし、駄目だったらベランダにすればいいでしょう?」

「ということは、家を先に解体するってことか?」

「そうだよ。たいていのものはもう店の方に移したから、あと大きいのはタンスと机とベッドマットくらいでしょ」

「おふくろさんは?」

「長姉の家に移ってもらうから、問題ないよ」

 うーん、なんだか、また身辺が慌ただしくなってきた。

 しかし、この先2ヶ月のうちに勝負しないと、また雨季がやってくるからなあ。

☆応援クリックを、よろしく。
タイ・ブログランキング人気ブログランキングへ





 

 

 

 

 

 
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【わが家の2・26】 | トップ | 【春が来た?】 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
工事を (ジェ)
2010-03-09 20:54:15
ついに始まりましたか。。
返信する
お金が心配 (クンター)
2010-03-10 09:59:24
ジェさん

 メールじゃなく、いきなりコメントをくれたからびっくりしました。ソウルは、まだ寒いですか?
 材木にカンナはかけたけど、工事にお金がいくらかかるのかさっぱり分からないので、まだちょっと迷っているところです。7月は田植えですから、手伝い、待ってますよ!
返信する
すみません (ジェ)
2010-03-10 14:37:57
田植えですか。。。それは 無理かも。まだ足が治らないんです。
家はお金が多くかかるなら自分でつ建てばどうですか。ゆっくり。。ああ。雨のせいでだめか。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

オムコイ便り」カテゴリの最新記事