建替え用木材のカンナかけが、ひととおり終わった。
初めは、近所に住むラーの同級生夫婦に頼んでいたのであるが、電動カンナが何度も壊れるわ、そのたびに前払いを求めてくるわ、作業中に激しい夫婦喧嘩を始めるわ(旦那の右目がふさがってしまった)で、なかなか作業がはかどらない。
ちなみに、カンナかけの作業料は、肘から伸ばした指先までの長さをひと単位として計算する。幅や厚さは関係なく、あくまでも長さが単位となる。
この夫婦の場合は“ひと腕”2バーツで、村では一番安い。
安いのではあるが、あまりにも問題が多いので、わずか3日で解雇せざるを得なくなった。
彼らは主に、長さ“6腕半”の梁材を手がけたから1枚13バーツである。
支払い総額は、1,400バーツとなった。
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代わりにラーが見つけてきたのは、遠い親戚にあたる30代半ばの男である。
彼の作業料は、“ひと腕”3バーツ。
ちと割高だが、甥っ子のジョーを助手にして黙々と作業を進めていく。
一日の作業量はおよそ100枚で、同級生夫婦の2~3倍のスピードである。
焼酎を飲んでぐだぐだすることもなく、前払いも要求しない。
これは、大当たりだった。
削り終えたものは、几帳面なジョーが10枚ずつ印をつけながら積み重ねていくので、枚数も数えやすい。
昨日、作業が終えた時点であらためて数えてみると、およそ350枚。
支払い額は、5,600バーツ。
通算1週間の作業を合計すると、およそ450枚、7,000バーツの出費となった。
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なにせ、2年以上もかかって少しずつ手に入れてきたものだから、虫食い、割れ、焦げ(これは炉のそばに積み重ねておいた)など、微妙な状態のものも多い。
それでも、各部材の備蓄総数が分かり、これでなんとかいけるかと思いきや、ラーがしきりに首をひねっている。
「クンター、やっぱり昔の材木の方がいいね。見てみて、家の古い床板に較べたらこっちの新しい床板、なんだかぺらぺらしてるでしょ?」
そう言われてみれば、足脂で黒光りしている家の床材の方がしっかりしている。
「クンター、この古い床板にもカンナをかけてもらおうか?床板として使えるかもしれないし、駄目だったらベランダにすればいいでしょう?」
「ということは、家を先に解体するってことか?」
「そうだよ。たいていのものはもう店の方に移したから、あと大きいのはタンスと机とベッドマットくらいでしょ」
「おふくろさんは?」
「長姉の家に移ってもらうから、問題ないよ」
うーん、なんだか、また身辺が慌ただしくなってきた。
しかし、この先2ヶ月のうちに勝負しないと、また雨季がやってくるからなあ。
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メールじゃなく、いきなりコメントをくれたからびっくりしました。ソウルは、まだ寒いですか?
材木にカンナはかけたけど、工事にお金がいくらかかるのかさっぱり分からないので、まだちょっと迷っているところです。7月は田植えですから、手伝い、待ってますよ!
家はお金が多くかかるなら自分でつ建てばどうですか。ゆっくり。。ああ。雨のせいでだめか。