希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
今年の20冊目は、「希望格差社会」という本。仕事、家庭などの各種分野で統計資料を基に、日本社会が大きな転換期に入っていることに警鐘をならす内容である。かなり悲観的な内容になっていて、これから日本社会はどうなるのか、不安にさせる内容である。
漠然とした不安をあおるようなものではなく、結論を導き出すための根拠もはっきり提示しているし、その根拠から解釈、推論していく方法にも無理な論理展開はなく、そうだよな、と納得できるところが多い。
つまり、今の日本社会の現状ありのままをそのまま提示しているのである。著者の山田 昌弘氏は社会学者だから、社会を分析するのみで、今後、この日本社会を良い方向に変えていくにはどうしたらかという救いの話は、まったくない。この現状が、日本社会の真の姿なんだよ、といきなり大海に投げ出されるだけである。
社会は明らかに変わっている。日本社会に生きる者として必ず読んでおきたい良書だと思う。
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