一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

棋聖戦の挑戦者決定戦進出者は

2024-04-18 13:56:34 | 将棋雑記
第95期棋聖戦はベスト4がそろった。すなわち、永瀬拓矢九段VS山崎隆之八段、佐藤天彦九段VS佐々木大地七段である。棋聖はもちろん藤井聡太八冠だが、誰とタイトル戦になっても面白い。すなわち、永瀬九段or佐々木七段が挑戦者になれば、リベンジ戦。佐藤九段or山崎八段が勝てば、藤井棋聖と初のタイトル戦となる。
個人的には、山崎八段の変態流がどこまで藤井将棋に通じるのか。佐藤九段の令和振り飛車がどこまで藤井将棋を苦しめるのか。どちらかのタイトル戦を見てみたかった。
まず16日には、永瀬九段VS山崎八段戦が行われた。山崎八段の先手で、相掛かり。そこから誰も見たことがない力戦に進むのが山崎流で、本局もそうなった。
永瀬九段は1筋に目をつけ、香をつりあげ、角を覗く。この香取りの受けが面倒だったが、そこで山崎八段が中央に歩を打ったのが玄妙な手で、この応接を永瀬九段が誤り、山崎ペースとなった。
以下、山崎八段が妙手を織り交ぜ、形勢の差を拡げる。最後は詰めろ詰めろで迫り、山崎八段の勝ち。詰め上がる局面は1筋のキズを逆用した形で、これが将棋というものだ。
翌17日は、佐藤九段VS佐々木七段戦が行われた。佐々木七段の先手で、初手に端歩を突く。これは相手の出方を見たものだが、ちょっとひるんだか。ふつうに角道を開けてどうだったのだろう。
佐藤九段は角道を止め、ノーマル四間飛車に振る。佐々木七段は早々に腰掛け銀に出たが、その後穴熊に潜り、急戦なのか持久戦なのか、よく分からなくなった。
佐藤九段は左銀を巧みに繰り替え、穴熊への端攻めに出る。これが図に当たり、大きなポイントを挙げた。
佐々木七段はどこかで反撃したいが、ままならない。佐藤九段は満を持して寄せに入る。佐々木七段は受け切れないと見て、潔く投了した。
さあ、これで挑戦者決定戦は、佐藤九段VS山崎八段の、夢の対決となった。
佐藤九段は、最近はパッとしないが、名人3期の強豪である。また山崎八段も、第57期王座戦ではタイトル戦に初登場した。どちらが藤井棋聖に挑んでも、話題になる。
両者の対戦成績は、山崎、佐藤、佐藤、山崎、佐藤、山崎、山崎、佐藤、佐藤、山崎、山崎で、佐藤九段5勝、山崎八段6勝である。竜王戦での対局が多く5局を数えるが、棋聖戦は本局が初となる。
挑戦者決定戦は22日である。挑戦者決定戦としては、異例の盛り上がりである。
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第4期白玲戦・女流順位戦、D級5回戦の結果

2024-04-17 14:01:47 | 女流棋戦
15日に第4期白玲戦・女流順位戦D級5回戦が行われた。では、結果を確認しよう。

■D級5回戦■
(昇級5名、降級点8名。持ち時間・2時間)
【5勝】
⑯長谷川優貴女流二段(○斎田→長沢)
【2勝】
⑲川又咲紀女流初段(鎌田→宮宗→岩佐→○梅津→船戸)
【4勝1敗】
⑥松下舞琳女流初段(○村田→竹部)
⑨高浜愛子女流初段(○山口稀→和田)
⑪佐々木海法女流初段(○矢内→井道)
㉛久保翔子女流2級(○鎌田→森本)
㉜今井絢女流初段(○相川→山口仁)
㉟砂原奏女流2級(○上川→木村)
【3勝1敗】
⑰水町みゆ女流初段(長沢→斎田)
㉖▲長沢千和子女流四段(水町→長谷川)
【3勝2敗】
④木村朱里女流1級(●岩佐→砂原)
⑤梅津美琴女流2級(●川又→鎌田)
⑱▲脇田菜々子女流初段(●森本→岩佐)
㉒▲石高澄恵女流二段(○山口仁→相川)
㉝宮澤紗季女流1級(○竹部→村田)
㉞森本理子女流2級(○脇田→久保)
㊱磯谷祐維女流初段※(○榊→宮宗)
【2勝2敗】
③宮宗紫野女流二段(●井道→磯谷)
⑫岩佐美帆子女流1級(○木村→脇田)
【2勝3敗】
①竹部さゆり女流四段(●宮澤→松下)
⑧中村桃子女流二段(○島井→飯野)
⑩山口稀良莉女流1級(●高浜→矢内)
⑳中倉宏美女流二段※(○飯野→上川)
㉑飯野愛女流初段(●中倉→中村)
㉕▲相川春香女流初段(●今井→石高)
㉘▲山口仁子梨女流2級(●石高→今井)
㉙▲井道千尋女流二段(○宮宗→佐々木)
㉚▲榊菜吟女流2級(●磯谷→島井)
【1勝3敗】
⑬鎌田美礼女流2級(●久保→梅津)
【1勝4敗】
②船戸陽子女流三段※(○木村→川又)
⑭和田はな女流1級(●船戸→高浜)
⑮村田智穂女流二段(●松下→宮澤)
㉓島井咲緒里女流二段※(●中村→榊)
㉔上川香織女流二段※(●砂原→中倉)
【5敗】
⑦矢内理絵子女流五段(●佐々木→山口稀)
㉗▲斎田晴子女流五段(●長谷川→水町)

長谷川女流二段が盤石の5連勝。残り2勝1敗でほぼ昇級となる。
高浜女流初段は4勝目(昇段おめでとう!)。高浜女流初段は強くなったと思う。
元奨励会女流1級の今井女流初段も勝って4勝1敗。しかし順にが悪いので、届くかどうか。
LPSA勢は、船戸女流三段が和田女流1級に勝ち、初白星。ほかは、宏美女流二段と堀女流初段が勝った。この勝利は大きい。
元タイトルホルダーの矢内女流五段と斎田女流五段は、さびしい5連敗。ちょっと、勝てる雰囲気にない。
いずれにしてもなかなかのダンゴレースで、昇級戦線は予断を許さない。
しかしいつも思うだが、36人の大リーグで8回戦は少ない。せめてもう1局、9回戦にしてもらえまいか。
6回戦は5月13日。
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香川女流四段は、俳優のダニエル・ラドクリフに似ている。

2024-04-16 23:33:06 | 似ている
きょう4月16日は、香川愛生女流四段のお誕生日。おめでとうございます。
その香川女流四段は、奨励会員当時の風貌が、映画「ハリー・ポッター」で主役を務めた、ダニエル・ジェイコブ・ラドクリフに似ていると思う。
ラドクリフは1989年7月23日、イギリス・ロンドン生まれの34歳。11歳のとき、映画「ハリー・ポッター」の主人公・ハリー役のオーディションに合格した。
「ハリー・ポッター」第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」は2001年公開。大世界中で大ヒットし、ラドクリフは世界的に有名になった。
奨励会時代の香川女流四段とラドクリフは、全体の雰囲気が似ていると思う。

香川女流四段と同い年であり、同じ元タイトルホルダーでもある渡部愛女流三段が結婚したが、香川女流四段はどうなのだろう。
私はYouTubeの類はまったく見ないのだが、香川女流四段はこれに傾注しているようで、そっち方面には興味がないように思える。いまは将棋と仕事で充実していて、それどころではないのだろう。
香川女流四段は
福間香奈女流五冠や西山朋佳女流三冠に対抗できる、数少ない女流棋士のひとりである。ぜひとも風穴を開けてもらいたい。
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「将棋ペン倶楽部 第81号 2024年春号」

2024-04-15 23:51:19 | 将棋ペンクラブ
冒頭、私事を書く。きょう、オヤジからウチのクルマを処分するよう促された。ウチにはクルマが1台あるが、オヤジはとうに免許を返納したし、私はほとんど運転しない。維持費を考えたら処分するのがベスト、というのがオヤジの考えだった。
まことにもっともなのだが、私は頼みこんで保留にしてもらった。
このクルマには私なりの思い入れがあり、家族同然である。カネがかかっても、もう少し保持しておきたいのだ。
こうして私は、またムダ金を遣ってゆく。

   ◇

先月、「将棋ペン倶楽部 第81号 2024年春号」が発行された。
まず表紙だが、挿絵を担当していた小川敦子さんが勇退し、今号はピノー隆子さんが担当している。辰年なので竜がデザインされている。青を基調とし、とても涼しげだ。
今号は81号で、将棋盤のマス目にあたる。よって私は、この号には何か投稿したいと数年前から思っていた。題材は「大山×中原戦」で、文章もほぼ頭の中でできてはいたのだが、紙に印刷となれば細かな下調べが必要で、結局何もできぬまま締切日が過ぎてしまった。
最近は何をやるにも億劫で、面倒臭さが先に立つ。これが歳を取ることなのかと思う。というか、もう人生を投げているのだ。
この原稿にいつ取りかかれるか分からぬが、要はヤル気が出るかどうかである。
冒頭は、「将棋ペンクラブ関東交流会」のお知らせ。今年は5月25日(土)で、場所はおなじみの御徒町将棋センター研修室(5階)。10時10分受付開始で、会費は3,500円(会員料金)。ゲストは堀彩乃女流初段、加藤結李愛女流初段。指導対局には1,000円かかる。今年は私も、何とか参加したいと思っている。
本文に入り、新春恒例の対談は、郷田真隆九段×木村晋介将棋ペンクラブ会長。なぜいま郷田九段か? と思ったら、今回の将棋ペンクラブ大賞で、郷田九段著の「一刀流 郷田真隆矢倉勝局集」が技術部門大賞を獲ったからだった。
対談は、藤井聡太竜王・名人の八冠達成について、AI観、観戦記論、矢倉に対する思いなど、多岐に渡った。木村会長が聞き上手なので、専門誌にはない対談になっている。
連載記事は、美馬和夫氏の「将棋狂の詩」が連載24回目。今回と次回は番外編で、美馬氏の娘さん2人の将棋が取り上げられている。大会に出たときのものだ。
長女さんは振り飛車穴熊をマスターし、うまく捌く。そこで相手がココセを指し、1手トン死勝ち。
次女さんは、相手の飛車打ちの王手に玉を躱す。相手は頭金を打ち、次女さん投了。ところがこれが不思議な局面で、相手玉にも王手がかかっている。すなわち、次女さんが玉を躱したとき、玉の下にいた香の利きが通り、相手玉に王手がかかっていたのだ。相手はそれに気づかず、王手をかけてしまったというわけだ。
次女さん、自分が勝っていたのに、投了を告げてしまった……。
ここで「続く」となっているのがニクイ。次号が楽しみである。
ひとつ気になったことを記しておく。ある人の投稿に「将棋竜王戦」とあった。囲碁に竜王戦はないので、ここはふつうに「竜王戦」でいいと思う。これは編集時にカットしたら、作者の意に反してしまうのだろうか。よく分からない。
今号は60頁。いかにも薄く、自分が投稿していたらキリのいい64頁(4折ピッタリ)になっていたと思うと、我が怠惰がうらめしくなる。
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佐藤康光九段の快勝劇

2024-04-14 00:14:00 | 男性棋士
最近びっくりしたのは、10日に行われた第37期竜王戦(主催:読売新聞社、日本将棋連盟)ランキング戦1組準決勝で、54歳の佐藤康光九段が伊藤匠七段に勝ったことだ。
佐藤九段の実績は言うまでもない。元竜王、元名人で、永世棋聖の有資格保持者でもある。順位戦は第81期までA級を張っていた。だから誰に勝ってもおかしくないのだが、相手が伊藤七段とくれば、少々話が違ってくる。
伊藤七段は前期竜王戦の挑戦者で、いまも叡王に挑戦中である。藤井聡太竜王・名人がいなかったら、なにがしかのタイトルを持っていてもおかしくなかった。
そのふたりが対局したら、勢いの差で伊藤七段が勝つと誰もが思う。ところが本局は佐藤九段が勝った。これはびっくりするではないか。
その将棋は佐藤九段の先手で、金矢倉になった。かつて増田康宏八段は「矢倉は終わった」と言った。あまりにも極端な物言いだが、半分は当たっている。しっかり玉を囲って双方端攻めをする牧歌的な「相矢倉」はなくなったが、先手の矢倉自体は細々と生きているのだ。
果たして伊藤七段は、角換わりを思わせる中住まいを採った。これが令和の布陣で、十分戦えると見ているのだ。
だが昭和生まれの私からすると、矢倉城から玉が5二に出てきたように見え、これは先手が勝たなければならないと思った。
先手は一段玉で待ち、後手の居角の直射から逃れる。対して後手は二段玉で、佐藤九段が巧妙に5筋に照準を合わせた。これがハマり、先手が徐々に形勢を良くしていく。
こうなれば佐藤九段はもう逃さない。以下流れるような手順で、後手玉を網にかけ、しぼってゆく。結局、115手まで佐藤九段が勝ったというわけだった。
勝った佐藤九段は、これで決勝トーナメント進出決定。このあと1組決勝に勝てば、スーパーシードのベスト4に置かれる。
そして1組の反対の山は、久保利明九段と山崎隆之八段が勝ち上がってきている。佐藤九段は1組の優勝が2回あるが、久保九段と山崎八段はまだない。よって、誰が優勝しても、話題になる。
また余談ながら、森内俊之九段も4位決定戦で渡辺明九段に勝ち、決勝トーナメント進出まであと1勝としている。
森内九段も53歳。佐藤九段ともども、腕に歳は取らせない、という感じだが、両九段が若手のころはAIがなく、自力で手を読むしかなかった。その苦労がいまごろになって実を結んでいるのではなかろうか。
コメント (2)
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