一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

6月20日の庭の風景

2023-06-20 22:25:07 | プライベート
年に1回のアップである、「庭の風景」を今年も上げよう。

























晴れ間は射したが、レンズが曇っていたのか、すべての画像に曇りがあった。でも、そのままアップする。

今年は紫陽花があまり咲かなかった。
さらに、桃の木がいよいよ枯れてしまった。葉っぱが1枚もない、哀れな姿である。数年前まで葉っぱが青々としていたのに、なんてことだ。今年も、2月のころは一部の枝に桃の花のつぼみがあったのに、3月になって黒ずみ、枯れてしまった。
もとをたどれば、オフクロが桃の枝を伐りすぎたからか。あるいは紫陽花が地下に根を張ったため桃の根が駆逐されてしまったのか。その真実は分からない。
現在、桃の木にかろうじて新芽はあるが、数が圧倒的に少ない。桃農家だったらとっくに伐採しているところだ。
さらにまじまじと桃の幹を見ると、幹の左側半分に、びっしりと得体の知れないものが生えていた。これは幹が息をしておらず、何かの養分と化してしまっている。……もう、ダメだと思った。
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女流棋士12星座・2023年版

2023-06-19 00:11:39 | 女流棋士
3年ぶりに、「女流棋士十二星座」を記す。

♒ 水瓶座(みずがめ座)Aquarius 1月20日~2月18日
谷川治惠女流五段(2.9)
中倉宏美女流二段※(1.26)
北尾まどか女流二段(1.21)
石本さくら女流二段(1.27)
野田澤彩乃女流初段(1.25)
大島綾華女流初段(1.31)
加藤結李愛女流初段(2.15)
多田佳子さん(2.7)
宇治正子さん(1.31)
福崎睦美さん(2.3)
林葉直子さん(1.24)

♓ 魚座(うお座)Pisces 2月19日~3月20日
里見香奈白玲・清麗・女流王座・女流王位・倉敷藤花(3.2)
蛸島彰子女流六段※(3.19)
植村真理女流三段(3.16)
岩根忍女流三段(3.16)
室谷由紀女流三段(3.6)
加藤桃子女流三段(3.9)
中倉彰子女流二段※(3.2)
山根ことみ女流二段(3.9)
伊藤明日香女流初段(3.16)
脇田菜々子女流初段(3.7)
頼本奈菜女流初段(3.12)
村山幸子さん(3.10)

♈ 牡羊座(おひつじ座)Aries 3月21日~4月19日
高群佐知子女流四段(4.1)
香川愛生女流四段(4.16)
貞升南女流二段(4.19)
藤田綾女流二段(3.24)
伊奈川愛菓女流二段(3.29)
坂東香菜子女流初段(3.31)
相川春香女流初段(4.18)
藤井奈々女流初段(3.31)
礒谷真帆女流初段(3,22)
佐々木海法女流1級(3.31)

♉ 牡牛座(おうし座)Taurus 4月20日~5月20日
千葉涼子女流四段(4.21)
中村真梨花女流四段(5.20)
船戸陽子女流三段※(4.23)
島井咲緒里女流二段※(5.15)
山田朱未女流二段(5.18)
村田智穂女流二段(5.1)
宮宗紫野女流二段(4.23)
安食総子女流初段(5.2)
川又咲紀女流初段(4.28)
水町みゆ女流初段(4.21)
山口絵美菜さん(5.4)

♊ 双子座(ふたご座)Gemini 5月21日~6月21日
甲斐智美女流五段(5.30)
寺下紀子女流四段※(6.20)
長沢千和子女流四段(6.18)
竹部さゆり女流四段(6.4)
高橋和女流三段(6.17)
井道千尋女流二段(5.21)
室田伊緒女流二段(5.24)
カロリーナ・フォルタン女流初段(6.17)
武富礼衣女流初段(5.25)
小高佐季子女流初段(6.4)
内山あや女流初段(5.22)
堀彩乃女流1級※(5.28)

♋ 蟹座(かに座)Cancer 6月22日~7月22日
西山朋佳女王・女流名人・女流王将(6.27)
中井広恵女流六段*(6.24)
早水千紗女流三段(7.20)
渡部愛女流三段※(6.26)
鎌田美礼女流2級(6.24)
木村朱里女流1級(7.11)
竹俣紅さん(6.27)

♌ 獅子座(しし座)Leo 7月23日~8月22日
藤森奈津子女流四段※(8.2)
真田彩子女流三段(8.13)
松尾香織女流二段(7.30)
加藤圭女流二段(8.18)
大庭美夏女流初段※(8.1)
野原未蘭女流初段(8.4)
岩佐美帆子女流1級(8.15)
藤田麻衣子さん(8.3)

♍ 乙女座(おとめ座)Virgo 8月23日~9月22日
渡辺弥生女流二段(9.2)
長谷川優貴女流二段(9.13)
塚田恵梨花女流二段(8.27)
山口仁子梨女流2級(9.17)
梅津美琴女流2級(9.1)

♎ 天秤座(てんびん座)Libra 9月23日~10月23日
伊藤沙恵女流四段(10.6)
本田小百合女流三段(10.3)
神田真由美女流二段※(10.11)
石高澄恵女流二段(9.27)
山口恵梨子女流二段(10.12)
高浜愛子女流1級(10.2)

♏ 蠍座(さそり座)Scorpio 10月24日~11月21日
上田初美女流四段(11.16)
鈴木環那女流三段(11.5)
鹿野圭生女流二段※(11.1)
飯野愛女流初段(11.17)
北村桂香女流初段(11.14)
和田あき女流初段(11.14)
松下舞琳女流初段(10.25)
田中沙紀女流1級※(11.18)
今井絢女流1級(10.25)
榊菜吟女流2級(11.12)

♐ 射手座(いて座)Sagittarius 11月22日~12月21日
関根紀代子女流六段(12.15)
山下カズ子女流五段※(12.8)
斎田晴子女流五段(12.4)
久津知子女流二段(11.23)
中村桃子女流二段(11.30)
石橋幸緒さん(11.25)

♑ 山羊座(やぎ座)Capricorn 12月22~1月19日
清水市代女流七段(1.9)
矢内理絵子女流五段(1.10)
山田久美女流四段(1.6)
大庭美樹女流初段※(1.12)
和田はな女流1級(1.14)
山口稀良莉女流1級(1.11)
久保翔子女流2級(1.12)
林まゆみさん(12.31)

蟹座、乙女座、蠍座には、名前の終わりに「子」が付く女流棋士がいない。
この3年は、、蠍座と山羊座に加入した女流棋士が多かった。
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「ミスDJリクエストパレード」の公開生放送を見に行く

2023-06-18 17:22:35 | プライベート
きょうは東京・浜松町の文化放送で、「ミスDJリクエストパレード360」の公開生放送があった。1981年の初回放送から43年、初めての試みである。私も昔からのリスナーの端くれとして、いそいそと繰り出した。
定期券を使って浜松町に降りたのは11時36分。本放送は12時00分~12時55分である。昨年の9月までは12時~14時の放送だったが、10月から東北放送が1時間浸食し、文化放送を聴けるのは55分間になってしまった。私はラジオにおカネは出さない主義なのでRadikoプレミアムには契約せず、この尺に甘んじている。
文化放送がどこにあるのか微妙だったが、駅前に人だかりがあったので、すぐ分かった。文化放送のビル1階にサテライトスタジオがあり、DJの千倉真理さんはここから放送する。現在はカーテンが下りているが、時間になったら開くのだろう。
あたりはオジサンが多い。ミスDJはその歴史から、80年代から聴いていたリスナーが多く、聴取者層がいびつになっている。きょうも、ふだんよく聞くラジオネームの主が集まっているのだろう。
ちなみに私は、80年代のときは浪人生活にかぶり、灰色の思い出しかなかった。そして現在はというと、すでに未来はなく、同じ灰色生活を送っている。それゆえ、ミスDJには複雑な思いがある。
と、カーテンがサッと開き、真理さんが現れた。突然だったのでビックリである。「1時までラジオをやって、そのあとは皆さんで遊びましょう!」。私たちは拍手喝采である。
定刻になり、いつものオープニング曲が流れ、ミスDJが始まった。いままで生真理さんを拝見したのは2017年9月に日比谷公園で行われた講演会、2019年11月に増上寺で行われた文化放送・浜祭がある。でもやっぱり、DJ姿がいい。言っちゃあ悪いが、藤井聡太竜王・名人の席上対局を観戦するより感激モノである。
きょうの番組は「不思議大好き、魔法の歌スペシャル」である。それに伴い、私は「魔法使いサリー」をリクエストしていた。
またきょうは、千疋屋の高級マスクメロンが当たる企画がある。冒頭にかかる曲をメールで応募するのだが、今回は現地から送信することになる。
その1曲目は、「魔法使いサリー」だった。ただ、1966年のオリジナル版と思いきや、1989年の朝川ひろこ版だった。私がリクエストしたのは前者だったので、ここで私のラジオネーム(イッコー)が呼ばれる可能性は失せた。
真理さんのDJは続く。きょうはハリー・ポッターならぬ「マリー・ポッター」のいでたちのはずだが、この暑さでマントを脱いでいる。DJの合間にチラッとチラッとこちらを見る。いま、私を見たんじゃないか? きょうはいちだんと声につやがある、と思うのは気のせいだろうか。
ところどころでラジオネームが呼ばれるが、そのたびにあっちこっちで歓声が上がる。ヘビーリスナーが観戦に来ているのだ。ツイッターなどのSNSを使い、水面下でかなりの交流があるのだろう。
もっとも2016年の番組再開当時は、私の投稿が2週に1回くらいは読まれていた。しかし番組が認知されるようになってリスナーも多くなり、その数も減っていった。
現在の主要リスナーは妻帯者が多く、番組でもその話題が多い。私は蚊帳の外に置かれた感じで、番組で流れる曲も私のリクエスト曲とは微妙にジャンルが異なることから、いまではサイレントリスナーに成り下がってしまった。
私の位置から真理さんはよく見えるが、のっぽの男性がやや視界を遮る。それで場所を変えたのだが、私の後方に思いのほか観客がいて、かえって見づらくなってしまった。
余計に動いて、かえって状況を悪くする。私の人生の縮図のようである。
そんなこんなで、55分の生公開はあっという間に終わった。
このあとは13時から「ミスDJリクエストパレードTOHOKU」があるが、今回は収録が流される。浜松町では、真理さんとリスナーの交流となる。
まずはじゃんけん大会である。勝者数名に、真理さんプロデュースの絵本やクリアファイルがもらえるのだ。
観客は200人くらいいるだろうか。1回戦は「パーVSチョキ」で私の勝ち。2回戦は「グーVSパー」で勝ち。この時点で、最低でもクリアファイルはゲットしたようだ。
そして3回戦は、同じく「グーVSパー」で勝ち。ここで絵本ゲットが確定した。私の強運はここでも発揮されたわけだ。
そこでごちゃごちゃあり、真理さんが表に登場した。だいぶ時間が経ったので、勝ち抜き者がうやむやになることを恐れたが、私は何とか前に出る。思えば日比谷公園の講演会のときも、私は挨拶に行かなかった。私などが真理さんの記憶に残るのはおこがましいからだが、絵本をいただける権利をゲットしたのに、それを放棄するのは道理に反する。
真理さんはひとりひとりに時間をかけて話しているから、けっこう待たされる。
私の番になった。ミスDJ初聴取から43年、初めての対面である。私の中では、歴史的出来事である。
「はじめまして」
「こんにちは。ラジオネームはあるんですか?」
真理さんは、あすで○歳とは思えない若々しさで、ちょっと外国人風味だった。
「はい、イッコーと申します」
「イッコーさん。…皆さん、イッコーさんです」
あたりの反応は薄かった。
「私のほうが(イッコーを)長く名乗ってるんですけど」
私はシニカルに言う。この態度がよくない。だから私は友達ができないのだ。
「イッコーって、いろいろいらっしゃいますもんね」
私は美容家のIKKOのことを言ったのだが、理解されなかったようだ。
そういえばきょうの服装は、「SAPPORO SNOW FESTIVAL」のTシャツを着たのはいいとして、ホームレスが身に着けるようなコ汚い帽子をかぶったのは失敗だった。ただ、ハゲ隠しのためにこの着用はやむを得なかった。
フランス発の絵本「ママのスカート」をいただき(クリアファイルはもらえなかった)、握手もせず別れると、誰かが「写真」と言った。「ツーショット写真をスマホに撮りますよ」という意味だったかもしれないが、独身時代の室谷由紀女流三段とのツーショット写真さえ遠慮した私である。今回も遠慮した。
真理さんとお話できるのはじゃんけんに勝った人だけと思いきや、当然ながら?ほかのリスナーも真理さんと語り始めた。
首から名札をぶら下げている人がかなりいたので訝ったが、よく見るとラジオネームが書かれていた。なるほど、これで存在をアピールするわけだ。
真理さんが若い女性を呼び、談笑している。と、若いサラリーマン風の男性に「あれはどなたですか」話しかけられた。
「分かりません。たぶんリスナーだと思います。ラジオネームを聴けばあああの人かと分かるんですけど、顔が分からないんでね。私もリスナーなんですけど、そんなことだと思います」
「はあ」
若者は分かったような分からないような顔でその場を離れたが、よく考えたら彼は、真理さんのことを聞いていたのかもしれない。とすれば、説明内容が異なってくる。先の真理さんとの会話もそうだったが、相手も分かっているつもりで話していると誤解が生じる。三人称等はしっかり告げることが大切である。
観客の多くが、前のほうに移動した。タオルだかTシャツが配られることになったようだ。もらった人のを見ると「Chikura Mari」とデザインされており、シャレている。これは私ももらいたいが、絵本をゲットした私は、もうもらう権利がないのだろうか。
それよりなにより群衆が多すぎて、もはや私の入れるスキがない。あまり粘っても味が悪いので、ここらで失礼することにした。
でもミスDJ、楽しかったなあ。次に真理さんにお目にかかれるのはいつだろうか。数年後だとイヤだな。そのころの自分を想像するのがこわい。

京浜東北線に乗った。よく考えたら、このまま乗り換えなしで川口に行けるのだ。久しぶりに大野教室に顔を出そうかと思ったが、惨状と化したハゲ頭を披露するのも抵抗がある。それより家にまっすぐ帰って、きょうの出来事をブログに書いたほうがいいのではないか。
京浜東北線が上中里まで行ったところで私は下車し、引き返した。
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誕生日に指導対局

2023-06-17 23:30:44 | LPSA麹町サロンin DIS
2月下旬、3月2日(木)のLPSA麹町サロンin DISに、中倉彰子女流二段の空きがあることを知った。その日は彰子女流二段の誕生日。なんでそんなメモリアルな日に指導対局が入っているのかよく分からぬが、これでは申し込まざるを得ない。実は3月16日の分で、上川香織女流二段と島井咲緒里女流二段に申し込んでいたが、かようなわけで、2日も申し込んだ。よって3月は大変な出費になるが、そんな月もあると割り切るしかない。
当日お邪魔すると、先客が2名いた(のちに満席となる)。彰子女流二段は、相変わらず綺麗だった。気品のある美しさで、ほかの女流棋士とは一線を画している。
なおこの前日から、ご主人の中座真七段が休場に入っていたが、それには触れなかった。
ちょっと出し抜いた感があるが、彰子女流二段にチョコレートのプレゼントを差し上げた。当該女流棋士の誕生日にプレゼントをしたのは、意外にもこれが初めての気がする。その相手が彰子女流二段とは、意外な巡りあわせだ。
さっそく指導対局になった。ここは記譜と図面を駆使して紹介したいが、彰子女流二段は自分の将棋が紹介されるのを好まないと聞いたことがあるので、今回も記譜は載せるが、細かい感想は書かない。

▲一公
△女流二段 中倉彰子

▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲5六歩△9四歩▲9六歩△6二玉▲6八玉△7二銀▲7八玉△7一玉▲5八金右△3二銀▲6八銀△8二玉▲7五歩△3三角▲7七銀△4五歩▲5七銀△4三銀▲7六銀△4四銀▲6六歩△5四歩▲4八飛△5二金左▲6七金△2四歩▲8六歩△3五銀▲8五歩△2六銀▲4六歩△同歩▲同銀△3五銀▲4五歩△4六銀▲同飛△2五歩▲3六歩△2四角▲3五歩△同角▲4九飛△4六歩▲3六銀△3八銀▲4八飛△4七歩成▲同銀△同銀成▲同飛△4六銀▲4九飛△4七歩▲5八金△2六歩▲4七金△同銀不成▲同飛△4六金▲4九飛△2七歩成▲3六歩△3八と▲3五歩△4九と▲6五歩△2八飛▲8七玉△2九飛成▲1一角成△4八と▲8八馬△5八と(図)▲5五歩△2二飛▲5四歩△2八飛成▲5五角△5七と▲同金△8八竜▲同角△5七金
まで、90手で彰子女流二段の勝ち。

といいつつ展開を軽く書くと、彰子女流二段の四間飛車に私は玉頭位取りに出た。しかし彰子女流二段に的確に対処され、非勢に陥った。
彰子女流二段は指導対局といえども全力投球で、今回もそう。2時間の長丁場だが、恐らく1局で終わるだろう。だが、適当にパッパッパッと指されるよりはよい。
後半に宏美女流二段が訪れた。チラッとプレゼントを見られた気がしたが、宏美女流二段の誕生日は過ぎちゃったからなあ……。

将棋は終盤戦に突入した。私は悪いながらも粘っていたが、図で▲5五歩と突いたのがココセ級の悪手。彰子女流二段に△2二飛と回られ、すべて終わった。
最後は金を取られて戦意喪失。そのまま投了した。やっぱり彰子女流二段は強かった。
今回は残念だったが、再戦の機会はあるだろうか。
なお中座七段は5月末で休場が明けるはずだったが、11月30日までの延長が発表された。これは心配である。だけど、私はどうすることもできない。
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名投手ふたり、逝く

2023-06-16 23:40:22 | プライベート
きょう、2人の名投手の訃報が知らされた。
ひとりは杉下茂。もうひとりは北別府学である。(以下、敬称略)
杉下茂は1925年生まれ。1949年、中日ドラゴンズに入団。すぐさまローテーションに入った。
杉下が最も輝いたのは、1954年。シーズン32勝を挙げ、球団初優勝に大きく貢献した。日本シリーズでも3勝を挙げ、MVPを獲得した。
杉下の武器はフォークボールである。その落差は大きく、ワンバウンドするほどだったという。フォークボールといえば「落ちる」ものだが、杉下曰く、「私のはボールが上がることもあった」。フォークボールというより、ナックルに近い握りだったかもしれない。
1976年からは巨人の投手コーチを務めた。しかし、ピッチャーが打たれるとひょこひょこ登場するので(当たり前だ)、杉下が登場すると、私とオヤジは「こりゃダメだ(=きょうは負けだ)」と苦笑いしたものだった。
通算215勝は名球会入会資格を満たしているが、大正生まれなので入れなかった。これは、名球会創設者のひとりである金田正一が、2351安打を記録している川上哲治を入会させないための措置だった。
杉下は残念だったが、こんなものに入っていなくたって、杉下の記録と記憶は色あせない。
享年97歳は大往生だったといえるだろう。フォークボールの神様に、合掌。

そして北別府である。別府という地名に北が付き、かなり珍しい苗字である。
北別府は1976年、広島東洋カープに入団。1977年からローテーションに入り、1978年から11年連続2ケタ勝利を達成した。このあと2年間1ケタ勝利だったが、そのあと再び、2ケタ勝利を記録した。
北別府の持ち味は針の穴を通すともいわれるコントロールで、ゆったりとした投球フォームから糸を引いたようにキャッチャーミットに球が吸い込まれる様は、敵?ながら見とれるほどだった。
実働19年間で、213勝。こちらは堂々と名球会に入会できた。
そんな北別府は、数年前から白血病を患っていた。厳しい闘病生活と認識していたが、かくのごとくになってしまった。享年65歳。広島の精密機械に、合掌。
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