一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

新緑の北海道2014・1「滝川→釧路2429D列車」

2015-02-18 00:13:02 | 旅行記・北海道編
私は滝川駅のみどりの窓口に行き、遠軽までの切符を買った(9,930円)。といっても函館本線の旭川回りではなく、根室本線→釧網本線→石北本線回りである。
ここまで長距離の切符を買うのは、そこまでの予定がほぼ出来上がっているのと、長距離逓減制といって、長距離になるほど1kmあたりの料金が安くなるからである。
私がこれから乗るべき列車は09時37分発の「2429D普通列車」で、これが「日本一」なのだ。
この終着は東北海道にある釧路で、駅数は合計48、距離308.4kmとなる。注目すべきは到着時刻で、18時02分。つまり滝川から8時間25分もかかり、普通列車日本最長の運行時間となっているのだ。
まさに鉄道ファンなら一度は乗っておきたい列車で、いつも雪まつりばかり観光している私にとって、今回は恰好のチャンスであった。
参考までに、最長距離を行く普通列車は、山陽本線岡山発・新山口行きの371M列車で、その距離315.8kmだが、所要時間は6時間足らずである。
釧路行きの電光表示を確認して、改札を抜ける。階段の手前に「日本一運行時間がなが~い定期普通列車」のポスターが貼られており、いやが上にも期待が高まる。
釧路行きのホームに着くと、白い北海道ボディーのキハ40が入線していた。といっても1両で、日本一の列車にしてはさびしい扱いだった。
側面の列車行先札(サインボード→サボ)には、「釧路:日本一長い距離を走る定期普通列車(2429D)」と記されていた。こういう細かいサービスはうれしい。



早速乗車するが、中は先客でいっぱいだった。
きょうは平日、「青春18きっぷ」の適用期間でもなく、余裕で座れると思ったのだがアテが外れた。
厳密には満席ではないが、ボックス席には私と同病の鉄道ファンが座っていて、他者の介入を拒絶している。私もその気持ちは痛いほど分かるので、まずは立っていくことにした。
定刻に発車。座っていれば景色を楽しめるのだが、立っていては景色を観る余裕はない。ただこの辺りは、炭鉱で栄えた町である。
10時48分、富良野着。ここでけっこうな客が下車した。当然ながら一般観光客も乗っていたわけで、富良野線沿線にはラベンダー畑、美瑛の丘など、見どころがたくさんある。
ただしここから先、とくに釧路まで乗り通す手合いは、鉄道ファンしかいない。
ここで、前方に1両の増結があった。私は増結作業を見物したのち、前の車両に乗った。13-A席およびこのボックスシートが、終着までのマイハウスとなる。
11時06分、2429Dは富良野を発車した。
11時38分、金山発。しばし走ると、左右に大きな湖が見えてきた。金山湖である。列車に乗っていながら絶景を拝めるのはラクでよい。
11時57分、幾寅着。ここは1999年に公開された「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台で、駅名標は当時の「幌舞駅」がそのまま使われている。映画が駅名まで変えてしまった、珍しい例である。
ホームの花壇には、ラベンダーが咲いている。駅舎の向こうには、映画で使われたと思しきエビ茶色のディーゼルカーが留め置かれているが、ここで下車するわけにはいかない。繰り返すが、きょうは午後6時過ぎまで、このボックスシートで過ごすのだ。
釧路までの根室本線を普通列車で乗ったことは少ないが、一駅ごとに停まると、それぞれ味のある駅舎が覗え、乗っていて楽しい。先を急ぐばかりが旅ではないのだ。
落合着。待ち合わせ時間があるので、ホームに降りる。この束の間の息抜きが心地いい。ローカル線の醍醐味である。
落合を出発し、数キロ走ると、トンネルに入った。いわゆる新狩勝トンネルで、全長は5648mある。
トンネルを抜けると、大パノラマが展開した。この辺りから新得までが日本の三大車窓のひとつに数えられる絶景で、狩勝峠から十勝平野を一望できる。
もっともここは新線で、旧線からの眺望は新線以上だったという。いまではそれを国道から眺めることができる。
ところで後方の車両の客は、こちらの車両に移動しないのだろうか。前のほうが客も少ないし、何となく気分がいいと思うのだが。
もっとも彼らには、一度座った席で釧路まで乗り通したい、という思いもあるかもしれない。
こちらの車両は、ボックス席に一人いるかいないかぐらいの感じ。ただ、鉄道ファンの割合は相当高い。胸にバッジを付けている人が何人かいるが、彼らは団体行動なのだろう。みんな嬉々としている。
12時45分、新得着。ここは石勝線の乗り換え駅。ここから先、釧路まではこの根室本線1本となる。
新得は蕎麦が有名で一度食したことがあるが、美味かった。しかしここでも下車するわけにはいかない。きょうは今後、こういうケースがたびたび出てくるのだろう。
芽室(めむろ)13時26分着。出発まで18分あるので、またホームに降りる。仮に駅前に郵便局があったとして、何分あれば戻ってこられるだろう。しかし乗り遅れたら一巻の終わりだし、第一きょうはもう、旅行貯金をしてしまった。
13時48分、大成(たいせい)着。ここが行程のほぼ真ン中である。
14時10分、帯広着。ここはかつて、愛国駅と幸福駅を擁する広尾線と、ローカル線の代表格である士幌線が接続するジャンクションだったが、両線はいずれも1987年に廃止されてしまった。また帯広駅自体も1996年に高架になり、廃線当時の面影は失われている。
そして帯広は言うまでもなく、渡部愛女流初段の出身地である。
ここは本当に降りたいと思う。愛女流初段も入ったことがあるというレストラン「ふじもり」で食事を摂りたいが、今回は時間が許さない。
25分の待ち合わせだったがどうすることもできず、14時35分発。
15時09分、池田に着いた。池田は十勝ワインが有名で、ワイン城もある。私には縁がないが、この辺りの牛肉は美味い。
ここ池田もかつては「北海道ちほく高原鉄道(旧JR池北線)」が通じていたが、2006年に惜しまれつつ廃止された。
列車は走る。時は6月だが、車窓から見える木々は萌え、葉は鶯色だ。新緑の時期ではないが、そう思わせる若々しさがある。最高の贅沢だと思った。
(つづく)
コメント (4)
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新緑の北海道2014・0「札幌へ」

2015-02-17 00:49:37 | 旅行記・北海道編
ANAの数千マイルが2014年7月に失効になるので、その前に使う必要性に迫られた。15,000マイルを使っての飛行機往復である。
無料でどこへ行ってもいいと言われれば、選択の楽しみは無限に広がる。がそこは貧乏性で、どうせなら遠くへ行きたい。それで、初夏の北海道に飛ぶことにした。
といってもカンタンに予約が取れるわけではなく、行きの新千歳空港は何とか取れたが、帰りはどこも予約不可で、私は譲歩に譲歩を重ね、某空港の昼の便を取った。
整理すると、今回の日程は2014年6月19日(木)~22日(日)。6月の北海道は、2年前(2012年)の稚内将棋交流会以来となる。

19日夕方、山手線→モノレールと乗り継ぐ。モノレールに巨乳の女性が乗っていたが、天王洲アイルで遠くに移ってしまった。
終点・羽田空港第2ビルに着く。小腹が空いたので、コンビニでのり弁当を買った。いまは空港にコンビニがあるので便利である。
19時ちょうど発のANA77便に乗った。スッチーは6人勤務で、中に上田初美女流三段似のひとがいた。これは幸先いい?スタートである。
定刻の20時35分よりやや早く、飛行機は新千歳空港に着陸した。ここでいつもなら札幌駅に向かうため千歳線に乗り換えるのだが、4月から消費税が8%になったので、なるべく出費を抑えたい。
そこで路線バスで、札幌に向かうことにした。北都交通のバス車内はけっこう人が多く、私は最後列の席に座る。出発ギリギリで女性が2人乗ってきたので、私は窓際の席から中央の席へ替わってやり、いささか窮屈な出発となった。
車中、スマホのネットが繋がらなくなったので、私はスマホからSIMカードを取り出す。その際、スマホのカバーケースを破損させてしまった。
リュックの中を見るとウッカリしたことに半袖の着替えしかなく、今回は微妙に歯車が狂っていると思った。

今夜の「宿」は札幌駅前のネットカフェ「アイ・カフェ」を予定している。ここはナイトパックが最長9時間なので、あまり早く着いても味がわるいが、それにしてもこのバスは時間がかかっている。たぶんダイヤ通りなのだろうが、電車に乗っていればとっくに札幌に着いているわけで、さすがにこの選択は誤りだったと気づいた。
すすきのでほとんどの客が降り、乗客は私だけになった。運転手さんに「どこまで行くの?」と訊かれたがそれも当然で、札幌駅前に行くなら、ふつうはJRを使う。バスに乗っているのがおかしいのである。それでも私は、「札幌駅前です」と答えるよりなかった。
22時06分、札幌駅前着。JRより40分以上も長くかかって、バス代1,030円。節約したおカネは数十円ではなかろうか。我ながらイヤになった。
アイ・カフェに旅装を解く。ブログを書くためPCを開くが、gooにログインできず、クサッタ。これはよくある事態で、カフェのサーバが細いと、かくのごときになるのだ。
深夜の書き込みは諦めた。

翌20日(金)。ナイト9時間パックは1,640円で安かったが、シャワー料金を350円取られたのは想定外だった。
コンビニで和風幕の内弁当を買い、札幌バスターミナルより、中央バス07時10分発の、特急るもい号に乗る。
といっても留萌は2月にお邪魔したので、そこまでは行かず、今回は途中の滝川ターミナルで降りた。時に08時45分。
私はまず、郵便局に向かう。いささか早いが、きょうはここで貯金をしないと、後にその機会がないのだ。「滝川駅前郵便局」の前で9時になるまで待ち、620円の貯金をした。
さて、私はこの後どこへ行くのだろう。一日どういう行動を取るのか。夜はどこにいるのか。きょうはそれを当てていただこう。超難問だが、時刻表を調べれば、おのずと答えは出てくるだろう。
(つづく)
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冬の北海道旅行2015・7「幻想的な光景」

2015-02-16 01:04:04 | 旅行記・北海道編
こういうとき、私はロクなことを考えない。未来についてあれこれ考えを巡らせるのではなく、過去の失敗をいつまでもグチグチ悔やむのだ。それで過去が変わるわけでもないのに…。
ここ美瑛は案内看板が充実しているので、ケンとメリーの木までは分かりやすい。途中、シャレた洋館があり、女性が雪かきをしていた。この辺りにはユースホステルがあり、25年前の私なら確実に宿泊していた。いまの私はビジネスホテルに泊まりビデオを観ることを優先している。堕落してしまった。
それにしても、観光客が人っこひとりいない。それも道理で、この季節に美瑛の丘を観光する人はいない。
冷気はいよいよ厳しく、頬が痛い。
四つ角を右折して、突き当たりを左に曲がると、大きなポプラの木が見えてきた。あれがたぶんケンとメリーの木だ。なおこの名称は、以前テレビのCMで使われた時の、出演者の名前にちなんで付けられたようだ。
やっと到着。ポプラの木は大きく、市街地の眺めがすばらしい。と、後方からタクシーが来て、ヤングな4人の女性が降りた。昔だったらウキウキするところだが、いまはカメラのシャッター係をさせられそうな気がして、容易に近づけない。
彼女らはお互い写真を撮り合って、「ありがとうございます」とか言っている。ちょっとよそよそしい感じで、ひょっとしたら、2対2の相乗りだったかもしれない。
タクシーが去った。やっと落ち着いて鑑賞できるが、そうなると、一面雪景色で面白味に欠けるようにも思えてきた。美瑛の丘はやはり、夏か秋に訪れるのがいいようだ。



傍らには三角屋根のシャレた建物があり、その奥が喫茶店になっていた。寒さが厳しいので入るつもりだったが、入口に達するまでやたら「注意事」が多く、ご縁がなかったと諦めた。
次に訪れるべきは北西の丘で、ここから徒歩10分ほどである。いま来た道を引き返しその先を行くと、ピラミッドのような建物が見えてきた。
ここにも先客が一組いて、中国人家族と思しき4人組がはしゃいでいた。ピラミッドの敷地まではかなりの段差があり、彼らがどこから入ったのか分からない。
彼らがクルマで去ったあと、私も適当なところから侵入する。ピラミッドは展望台になっていたが、階段のところにロープが張られ、そこから上は侵入禁止になっていた。最上階からの景色が見られないとは残念である。
駐車場の外れにトイレがあったので入ろうとしたら、鍵がかかっていた。向こうにあるジュースの自動販売機群は雪に埋もれて使えず、今さらながら美瑛と真冬は相性がわるいと痛感した。
帰り道は下り坂なのでいくぶんラクだ。しかし相変わらず風がすごく、雪煙が舞っている。昨年のようにカメラをオシャカにするわけにはいかないから、カメラをジャンパーの内側に入れた。
30分足らずで市街地に戻り、寒さも和らいだ。サザンカという喫茶店があったので、反射的に入る。
典型的な田舎の喫茶店という感じで、先客はサラリーマン3人組、ママ友5人組で、おしゃべりに興じていた。
とりあえずコーヒーを頼みトイレに行き、戻ってくるとチーズケーキのセットメニューがあったので、それも頼んだ。
別にママ友の話に聞き耳を立てたわけではないけれど、いまの奥さん方は訛りがない。こうして地方色がなくなっていくのであろう。
コーヒー、チーズケーキともまずまずの味。何より店のおばちゃんが、味があってよかった。
駅方面に戻る。さっきの四季情報館とは別に、道の駅があるのだが、何となく通り過ぎてしまった。
本屋(兼文房具店)に寄った。「道内時刻表」をまだ入手していなかったからで、今回はもう使うことがないけれど、コレクション用として必要である。
ところが店内には時刻表がなく、ズッコケた。これ、いまは地元の人も使わないのだろうか。
時刻は5時過ぎである。気を取り直して、北海道最後の晩餐とする。「そば天」なる店があるので入った。いつもならもりそばを頼むのだが、店名に「天」が入っているということは、天ぷらが自慢なのだろう。そこで異例ながら、天ざる(1,200円)を注文した。
出されたそばはしこしこしており、天ぷらもサクサクだった。エビ、帆立、イカ、ピーマン、ナス…すべてが美味かった。
あとは帰るのみである。美瑛駅前に戻ると、駅前のツリーと青空が幻想的な光景を醸し出していて、目を瞠った。今回いちばん印象的だったのが、実はこの光景だったりする。



美瑛駅前に戻ったが、空港行きのバス停がないので駅員さんに聞いたら、バス停は駅の裏側だった。ロードマップにはちゃんと記載されていたようだが、あぶないところだった。
バスの到着まで20分。私は跨線橋の建物内で待つが、この侘しさは何だろう。まだ帰りたくないと思う。
定刻の17時54分になったが、バスが来ない。さらに10分が経過し、まさか運休かとイヤな想像をしたところで、ふらのバスが到着した。
旭川空港には13分遅れの18時23分に着いた。私の乗る便はANA4188便・19時35分発なので余裕である。なお、この便を予約したあとにJALの20時15分発があることに気付いたのだが、このルートならANA便で問題なかったようだ。
カウンターで搭乗手続きを行うが、カードの件で、やっぱりゴタゴタした。まあ今回はしょうがない。
何とか手続きを済ませ、私は雑誌売り場で「道内時刻表」を探すが、なかった。これは東京で求めるしかないようである。
手荷物検査場を通るが、リュックの中にペットボトルがあるとかで、止められた。しかしそれはちゃんと表に出している…。調べたら、それは何と毛生え薬だった。
羽田空港ではハジかれなかったのに、何てことだ…。毛生え薬は1回しか使わなかったし、次の旅行では不携行が無難かもしれない。
(おわり)
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冬の北海道旅行2015・6「美瑛へ」

2015-02-15 01:48:14 | 旅行記・北海道編
商業地帯をグイッと中に入ると、ホテルカイコー札幌中島公園が見えてきた。事前にしっかり調べておけば迷わず着けたものを、貴重な時間を無駄にした。
午後9時07分に入室し、早速テレビを点ける。といってもVODではなく、先に「臨場 劇場版」を観るのだ。
が、1時間ほどしたら、以前テレビで観たものだと分かった。私としたことが、とんだチョンボである。しかしここまで来たら、最後まで観ざるを得ない。
11時過ぎ、待望のビデオ鑑賞になる。市販のテレビのリモコンを併用しているので、超高速の早送り機能がないが、テレビ画面は大きいので、それを補って余りある。次から次へと美女が出てきて興奮するが、これを贅沢な時間と見るか、無為な時間と見るかは微妙だ。
それより、翌日をどうするかである。例えば早朝から私の好きな札沼線に乗り、新十津川→滝川→深川のルートで、JRバス深名線に乗ってもいいのだが、時間の関係で政和温泉ルオントに寄れない。また、終点名寄の「なよろ雪質日本一フェスティバル」は13~15日の開催で、今年は観ることができない。これではこのルートは断念せざるを得ない。
またほかの冬まつりも7~8日の日程が多く、あすはふつうの観光をせざるを得ない。
あすは旭川空港から帰るので、その周辺の観光地が望ましい。となれば富良野あたりとなるのだが、もう早起きはイヤだ。私は8時に目覚ましをセットし、もう深夜も2時を過ぎているので、とりあえず寝ちゃうことにした。

翌朝9日(月)は、スマホのアラームで叩き起こされた。これ、どこをいじっても音が鳴りやまないのだが、私の操作方法がマズイのだろうか。
朝食はないからすぐにホテルをチェックアウトできたのだが、またビデオを観たのがマズく、けっこうギリギリになってしまった。
蛇足だが、今回のビデオ群の中の最優秀女優は、「部下と出張先のホテルで相部屋になってしまった…さてどうする?」で自然な演技を披露した、本田莉子であった。
きょうの予定は、高速バスで富良野まで行き、美瑛か美馬牛で観光するつもりである。そこからは旭川空港経由の路線バスが通じているので、ちょうどいい。
中島公園から地下鉄南北線に乗る。この200円もけっこうな出費である。
大通で下車すれば近くにバスターミナルがあるのだが、私はさっぽろまで乗った。最近発売された「中央バスICカード」を購入したいからで、そのためには札幌バスターミナルまで出向いたほうがいいと思った。
09時02分、さっぽろ下車。息せき切ってバスターミナルに着くが、窓口で聞くと、例のICカードは旅行客にあまり特典がないことが分かり、私はふつうに富良野までの切符を買った。
富良野行きは09時20分。その一本前に夕張行きのバスが入線したが、さすがにいまから予定変更はしない。富良野行きバスにそのまま乗った。
私は鉄道が好きだが、バスも好きである。とくに高速バスはシートも高く、乗り心地も静かでよい。私はウトウトするが、この寝てるような寝てないような感覚がいい。
バスは赤平に着いた。ここは根室本線が接続しているが、もちろんこのまま乗る。
しばらく走ると、「赤平○○高校、3月31日をもって閉校」の大看板が立てられていた。
さらに走ると、閉校して何年か経った小学校の姿もあった。
地方の人口減少は深刻で、ここ赤平もそのひとつだ。
天気ははっきりしなかったが、くもりと晴れを繰り返し、12時04分、終着富良野に着いたときは、やや曇りだった。
何はともあれ昼食である。バスから寿司屋が見えたのだが、地元のおばちゃんに聞いたら、休みのようだった。で、おばちゃんの勧めで、その手前の鍋料理の店に入る。といっても洋食や日本そばなどいろいろ出す。私はハンバーグ定食を頼んだ。
出されたハンバーグはデミグラスソースが美味。肉もいい味で、これは我ながらいい選択をした。
昼時なので食後のコーヒーが付くが、おかみさんは「ブラックでよろしいでしょうか」と言う。私はやむを得ずブラックで飲んだが、このコーヒーも香り高くコクがあり、美味かった。専門店でないのにこの味はお見事というしかなく、〆て700円は安かった。
駅前に戻り、図々しいのを承知で、観光案内所に入る。富良野を観光する予定はないからで、美瑛か美馬牛かのアドバイスをいただきたかった。
中のオバチャンは悪びれることなく、美瑛を推薦してくれた。
バスの時刻表もいただき、13時36分の富良野線に乗る。富良野線は本数が少ないが、民間バスがその隙間を補っている。
美瑛でのバス時刻表を観ると、美瑛から白金温泉に行く手前に、「青い池入口」というのがあった。たしかこれは、Macの壁紙か何かに採用された場所ではなかったか。
今年は冬期間も通行可能だそうでぜひ行きたいが、あいにくその時間がない。
こういうことがあるからもっと早くに富良野入りすればよかったのだが、そうなったらそうなったで、別の観光地を訪れていたかもしれない。旅の行程は生き物なのである。
14時05分、列車は美馬牛に着き、国際カップルが1組下車した。
美馬牛の駅舎はいかにも地方にありそうな佇まいで、列車をバックに撮ったら絵になる。私も降りたかったが、時間の関係で先を急ぐしかない。
14時13分、美瑛着、下車する。駅左手にある「四季の情報館」に入った。ここで数年前、私はエンジ色の湯呑を買ったのだが、それをいまでも使っている。
今回は丘からの眺めを楽しみたいが、それは駅の裏手にあるようだった。市街地のパンフレットをもらって、観光開始。
まずは郵便局に向かう。もちろん旅行貯金で、「美瑛郵便局」209円ナリ。
その先、役場に隣接する「四季の塔」にエレベーターで昇り、市街地を一望した。
ここからは一直線で美瑛の丘に向かう。もちろん徒歩なので行ける場所が限られている。オバチャンの推薦は「ケンとメリーの丘」と「北西の丘」で、ふたつ合わせて片道50分ほどである。旭川空港行きのバスは17時54分駅前発だから、時間的には十分である。
富良野線の線路を越え、国道237号を大久保橋のところで左に入る。ここから登り道である。
傾斜はそれほどきつくないが、風がすごい。まさに身を切るような寒さで、前日までの温かさがウソのようだ。
これこそ冬の北海道だが、味わいたいような味わいたくないような、不思議な感じである。
しかし、何で自分はここにいるのだろうと思った。
こう考えるときはあぶない。
(つづく)
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冬の北海道旅行2015・5「さっぽろ雪まつりを見る」

2015-02-14 13:40:21 | 旅行記・北海道編
隣のギャラリーはおなじみ「ほほえみ地蔵展」。乞望先生の新作を鑑賞したあと、ポストカード(150円)を1枚購入する。私が選んだ言葉は
「ピンチは必ずやってくる おたおたするな あわてるな」
だった。
名残惜しいが札幌市資料館を後にし、雪像の鑑賞再開である。12丁目・市民の広場の後半だ。市民の雪像は、その前年の世相を表す。今年は「雪アナ」の雪像があった。「妖怪ウォッチ」もあり、ちびっ子諸君が「ジバニャン!」とか叫んでいる。両者とも株でいえばストップ高で、あやかりたいものだ。
11丁目は国際広場「国際雪像コンクール」だ。ここの雪像も相当レベルが高いのだが、いかんせんこの暖冬で、輪郭のメリハリがなくなっている。
10丁目はUHBファミリーランド。「楽しいサザエさん一家」だ。茶の間で一家だんらんの図で、こたつからはタマが顔を出している。その奥にはカップヌードルのすべり台。
9丁目・市民の広場は「ばん馬競走」と「札幌農学校第二農場」。
8丁目は雪のHTB広場。大雪像は「春日大社・中門」で、その手前には朱塗りの鳥居と祠が設置されていた。
6丁目で北方領土返還運動に記帳する。これも毎年の恒例である。
ここでまたフェードアウト。いまはふつうに雨が降っている。すすきの方面へぶらぶら歩いていたら、ブックオフにぶつかった。旅先でブックオフに入るのは手筋である。私は無料券を持参しているが、買いたい本はなかった。
朝からかなり歩いたので、脚が痛い。喫茶店で一憩したいが、その類がない。やっと見つけて入った店は、いい雰囲気だったが競馬中継をやっていて、馬券を買ったと思しきオッちゃんたちが、テレビを食い入るように見ていた。
女流名人戦は、清水市代女流六段が△7六金~△8七金とし、先手の飛車を取った。しかし飛車は取れても金が遊び、大した得にはなっていない。本譜は里見香奈女流名人の▲7四歩が好手で、これは里見ペースになったと思った。
コーヒーはまずまずの味。ただ480円は、やや高かったか。
札幌に来たらもうひとつ寄りたい古本屋があって、とあるデパートの2階にある「まんだらけ」だ。入店すると、会場の隅、暗幕の向こうでは地下アイドルのライブをやっていて、大きな盛り上がりを見せていた。参加したいとは思わぬが、アイドルのご尊顔だけは拝見したかった。
そろそろ黄昏時になり、私は大通会場に戻る。5丁目ではアイドル「HAPPY少女」がライブをやっていた。プログラムには書かれていなかったから、主催者の要請ではないと思う。
HAPPY少女は6人組で、キレのいい動きで歌っている。若さがハジけて、やはりティーンはいいと思う。「大沢さんて、ティーンが好きですよね」は、Hon氏の名言だった。
そのままテレビ塔方面に向かう。3丁目・HTB PARK AIR広場は、おなじみ「白い恋人PARK AIRジャンプ台」だ。急斜面をすべってのパフォーマンスは最高で、いつも多くの観客がいるのだが、私はあまり興味はない。
さて27年もさっぽろ雪まつりを見ていると、いろいろ変化がある。それを挙げたらキリがなく、それだけでひとつの記事になってしまうのだが、ここ数年でヒドイと思うのは、観光客の「逆行」だ。雪まつり会場は反時計周りの一方通行なのだが、それを守らない手合いが増えたのだ。
今年も我が道の先から平気で逆行してくるブァカがいる。最近では高速道路を逆走するバカも多いが、それと同じニオイを感じる。きっとこいつらは、自分だけよければいいのだろう。日本人気質も地に堕ちた。
2丁目は道新 氷の広場。大氷像は「おもちゃの街」だ。空が暗くなり、いくらか氷像が映えてきた。ここはヤマハエレクトーンオンステージが毎年開かれていて、地味だが人気がある。
ほかに今年はサントリーがスポンサーになっていて、井川遥の看板があっちこっちに立てられていた。井川遥は綺麗だ。
1丁目はJ:COMひろばの「スケートリンク」。テレビ塔もあるが、私は上らない。
再び引き返し、アイドルのライブなどを中心に見る。空はすっかり暗くなった。
私は公式ショップで雪まつり缶バッジ(200円)と絵ハガキセット(500円)を買う。これも毎年の定番である。
ちょっと小腹が空いてきたので7丁目方面に向かうと、上川香織女流初段に似た女性が呼び込みをやっていて、私は「かにみそラーメン」(500円)を注文してしまった。しかしこれが美味。かにの香りが絶妙だった。北海道の食は何でも美味い。
ライトアップされた雪像、氷像をひととおり鑑賞して、今度はすすきの氷の祭典の鑑賞である。
すすきのまではゆっくり歩いて10分程度。氷の祭典も素晴らしいのだが、2つの像が背中合わせに造られているので、像が平面なのが惜しい。
加えて今年はこの陽気と雨で、早くも氷が解けかかっている。しかも氷像の数も少なくなった気がする。結果、何となく活気がなかった。
これで今年のさっぽろ雪まつり観光は終わり。今年は体調が悪かったことと、観たかったイベントも少なく、若干消化不良だった。
そのまま直進して、中島公園に向かう。中島公園駅に着いて左折しホテル方向に向かうと、蕎麦屋が目に入り、反射的に入った。
もりそば600円、大盛り増量は200円とやや高いが、大もりを注文した。
この大もりが美味だった。しこしこツルツル、そばの香りもしっかりあり、そばに甘みがある。そばが恐ろしく長いのは、手打ちの証拠だろう。
量も多く、小諸そばの二枚もりより多い。そばを平らげ、そばつゆにそば湯を入れて一息ついていると、お姐さんがお茶を持ってきてくれた。
「ここのそばは美味いですね」
「ありがとうございます」
「北海道一かもしれん」
この店は自信を持ってお勧めできる。「福住」、また機会があったら寄りたいと思う。
「ホテルカイコー札幌中島公園」に向かうが、ホテルがどこにあるのか分からない。スマホで調べるがはっきりせず、近くのホテルで在処を教えてもらったが、また道に迷ってしまった。
恥を忍んで別の巨大ホテルでも訊いたが、私はなかなか見つけられない。
きょうは9時から「臨場」を観たい。それに合わせて余裕を持ったのに、30分近くグズグズして、時刻は9時を回ってしまった。
(つづく)
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