一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2020年冬・哀切の北海道旅行(5)

2020-04-29 02:46:14 | 旅行記・北海道編
私は買物公園通りに戻り、氷像の鑑賞である。
氷像は、例年にも増して力作揃いだった。ちょいと前までは、飛び跳ねる鮭か、女性の裸像か、鷹や鷲が定番だったが、最近は作り手も、題材に工夫を凝らしている。
ところでカメラを見ると、電池のマークが半分になっていた。きのう充電しなかったので、バッテリーがなくなってきたのだ。ことに冬場では電力を多く消費する。
それで、私は鑑賞もそこそこに、昨年もお邪魔した「家族亭」に入った。ここで充電をお願いするつもりだ。
私はおねえさんに用件を告げる。これじゃあ出川哲朗の充電番組みたいだが、しょうがない。
幸い、おねえさんは快諾してくれた。
私は改めて大もり(520円)を頼む。ここは分類的に食堂なのだが、蕎麦も美味い。今年も美味しくいただいた。
充電も完了し店を出たが、その先に三代目京ラーメンがある。私が数年前に見つけたお気に入りの店で、とくに塩ラーメンが絶品である。今日は営業日だと思うが、とりあえず確認しておこう。
だが、様子がおかしい。あっ!! ええっ……!?
店舗が……もぬけの殻になっていた!!
私は事態が飲み込めす、立ちすくむ。2軒隣が店舗だったので、聞いてみる。夫婦らしき人だった。
「かくかくしかじか」
「ああ京ラーメンさんね、昨年の8月にやめたんですよ」
「やめた!」
「店の人は健康だったんだけど、やめるのは予定だったみたいね。突然だったんで、私たちも驚きました」
「なんだー、私、ここのラーメン好きだったんですよ。塩ラーメンが美味くて」
「そうね、最終日は麺がなくなるまで客が来たらしくてね」
「はあー」
「私も京ラーメンロスですよ。あの建物もね、来月解体するみたいですよ」
私はガッカリである。古くは釧路のラーメン屋、最近では鹿児島のラーメン屋、熊本のうどん屋、旭川の蕎麦屋。みんな、私が馴染みになると店を閉めてしまう。京ラーメン、おたくもか、という感じだった。



その足で、再び河畔会場へ向かう。その途中、古本屋に立ち寄る。ここはヴィンテージもののマンガが置いてあるのだが、頭数が少ないのが難点だ。
今回は、女性店主が店を早じまいする直前だったようで、私は居づらくなって店を出た。
それでいったんは河畔会場へ入ったのだが、ステージはこれといって観るべきものがなく、たまたまシャトルバスが出るところだったので、私は飛び乗った。私は何をやっているのだろう。
旭川駅前に着き、隣接されている建物に入ってみた。これがあらゆる店舗が入っていて、びっくりした。表へ出ると、イオンモールだった。何年も前から工事していたが、完成したそれがこれだった。
駅前にこれだけ充実した施設ができては、買物公園に活気がなくなりそうだ。
駅前の氷像群を初めて見たが、「竹林」が目を惹いた。節にリアリティがあり、本物みたいである。「竹」は10数年前にも常磐公園で観たが、やはりよかった。今回はライトアップが楽しみだ。





体が冷えてきたので、喫茶店に入る。ここは店内が簡素だが、美味いコーヒーを飲ませる。それでいて350円はリーズナブルだ。
コーヒーを一口すすり、幸せをかみしめるのである。
多少生気が戻り、私は三たび旭橋河畔会場に再び出向く。会場は夜の帳が降り、さっきと雰囲気を異にしていた。
私は例の400円うどん(わかめうどん)を、改めて食した。これで麺類3連発だ。ただ、このうどんが晩飯代わりにはならないと思う。
まだシャトルバスが走っていたのでそれに乗った。駅前で下車し、今度はライトアップされた氷像を鑑賞する。「竹節」は素晴らしく光り輝いていた。













このあとは19時から河畔会場で、「Snow Night Show~REIWA~未来へ」がある。が、今年は花火がないようだ。恐らくプロジェクションマッピングをやるのだろうが、それだけを見ても仕方ない気がする。
今宵の宿泊地はどうしようか。例年なら旭川のネットカフェなのだが、何年か前にそこの会員カードを紛失してしまい、何となく泊まりにくい。札幌まで戻り、昨日のネットカフェに泊まろうか。
考えた末、私は河畔会場に戻るのを止め、札幌に行くことにした。今日のうちに入っておけば、明朝ゆっくりできる。
私は駅近くにある中華料理屋「新華楼」に入った。ここも何度か利用したことがあり、ハズレなしに美味い。今日の特別メニューは鮭炒飯(610円)で、これを頼む。鮭炒飯は、美味かった。
上りは20時00分発の特急カムイ46号に乗る。瀕死状態のJR北海道だが、函館本線の札幌―旭川間はドル箱で、頻繁に特急が出ている。
札幌着は、定刻を6分遅れの21時31分だった。私は昨日と同じ、アイカフェ・札幌ロイヤルセンチュリーホテル店に旅装を解いた。
今夜は前夜より余裕があるのだが、体力的に疲れてしまって、何をする気も起きない。
とりあえず家計簿を付けたが、どうも100円合わない。旭川美術館のロッカーにリュックサックを預けた際、取り出し時に100円を取るのを忘れたようだ。
直前にトイレですっきりしたので、すべてを忘れてしまったらしい。

9日(日)。今回のネットカフェは「12時間パック」のつもりなので、朝は余裕である。といっても昨夜は21時42分の入店だから、今朝は09時42分に出なければならない。
今日は「さっぽろ雪まつり」一本である。よってJRも使わない予定だ。フリーきっぷがあるからもったいないが、明日以降は長距離乗車をし、今日の乗車不足を取り返すつもりである。
ネットカフェをチェックアウトし、地下街を歩く。大通公園下まで来て、4丁目方面から地上に出ようとした。その先でピアノの音が聴こえた。何と、グランドピアノが置いてあった。
これ、誰でも弾けるヤツじゃないか? 北海道に来る前、札幌市営地下鉄の職員が華麗な演奏をしたというニュースをやっていたが、それがここじゃないか?
いまも腕自慢氏が弾いている。X JAPANの「Say Anything」だろうか。その後方では、順番待ちの列がけっこう伸びている。
円柱には、「ご自由にお弾きください Feel free to play STピアノin 雪まつり」のポスターが貼ってあった。
私も隠れ目立ちたがり屋なので、ここで弾ける腕を持つ人を羨ましく思う。
2人目は、運動会で有名な「天国と地獄」を弾いた。
3人目は外国人女性で、「キラキラ星(Twinkle Twinkle Little Star)」をたどたどしく弾いた。棋譜を披露するのはプロやアマ高段者でなくてもいいのと同じで、彼女もこれでよい。
4人目は小学生の少年だったが、これはうまく弾いた。将棋でいえば、奨励会入り間近の研修会員というところか。
5人目は、太田胃散のCMに使われている音楽だ。確か、ショパンの「24のプレリュード(前奏曲集)第7番イ長調Op.28-7」だったと記憶する。
6人目のお嬢さんは、外国の有名な曲を弾いたが、タイトルは知らない。彼女は何となく、どこかの音楽学校に通っているふうだった。





……いかん、このまま聴き入ってたら先へ進めない。私は断腸の思いで地上へ上がった。32年連続、32回目の「さっぽろ雪まつり」である。
(つづく)
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