一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

6月7日のLPSA芝浦サロン(後編)・非情の早退け

2013-06-14 00:39:47 | LPSA芝浦サロン
「いやしかし先生、ホントに綺麗ですよねえ」
私は中倉宏美女流二段への賛辞を惜しまない。「そうだリア・ディゾン! リア・ディゾンに似てますよ先生、黒船の!」
「はああ…」
と宏美女流二段は、呆けたような返事をした。
R氏は大庭美夏女流1級に指導対局を受けている。私は当ブログのイエローカードの件で、ジョナ研メンバーの某氏にも連絡を取る。と、やっぱりあの記述はヤバイだろう、とのことで、私は該当箇所をすべて削除した。
空きの男性氏がいたので、対局をする。男性氏、宏美女流二段とは角落ちで指し、惜しくも負けたとのこと。でも私とはもちろん平手である。男性氏の先手で、△四間飛車対▲四枚美濃の戦いになった。序盤、私が△6五歩と位を取ったところは十分と見ていたが、▲4六同角△同角▲同飛に△2八角が図々しかった。
男性氏は▲4三歩△同飛▲3二角△4二飛▲2一角成△3七角成▲4三歩。△6二飛なら▲4四飛と銀を取られてしまうのでもう飛車は逃げられず、勢い△4六馬▲4二歩成と飛車の取り合いになったが、これでは四枚美濃の固さが生きて、私が悪くなった。
もっとも△2八角の代わりに指す手もむずかしく、ここではすでに私の作戦負けだった。
迎えた終盤が下である。

男性氏:1六歩、2五歩、3六歩、4九竜、5二と、5六歩、6八桂、7六歩、7七銀、7八玉、8六歩、8九桂、9六歩、9九香 持駒:飛、銀、桂、香2
後手・一公:1三歩、1九馬、2三歩、3四歩、5四歩、6三金、6五歩、6六銀、7一金、7三桂、7四歩、8二玉、8三銀、8四歩、9一香、9四歩 持駒:角、金2、歩2
(△6六銀まで)

以下の指し手。▲1九竜△6七金▲8八玉△7七銀成▲同桂△8七銀 まで、一公の勝ち。

私が△6六銀と迫ったところ。男性氏は▲1九竜と馬を取ったが、ここでの駒得は緩かった。私は△6七金と打ち、以下先手玉は寄りとなった。投了以下は▲8七同玉△7八角▲8八玉△8七金▲7九玉△7七金右で一手一手。つまり詰みはなかったから、△8七銀ではたんに△7八銀としばるべきだった。
感想戦。▲1九竜では▲7九桂と受けておけば、後手の攻めは頓挫している。こう指されたら、私が負けていたと思う。
男性氏の話を聞くと、男性氏は対女流棋士は角落ちで6割の勝率、男性棋士とも角落ちで、3割の勝率だという。女流棋士とはともかく、男性棋士にその成績は立派で、私の勝率を上回っている。
けっこう念入りな感想戦を終えたが、男性氏が「本当はほかに指したい手があったんです」という。
それで初手から並べてみると、それは対四間飛車戦の、右四間飛車だった。私たちはそのまま指し継ぐ。研究だか実戦だか分からない雰囲気で、中盤すぎのところまで指した。
時刻は午後6時近くになっているが、続いて、R氏と男性氏が指すことになった。
宏美女流二段が、このあとの指導対局を聞いてくる。Ya氏はおかわり対局を指すようで、私もなんとなく、それにならった。しかし対局はまだ先である。と、宏美女流二段が夕方の休みに入った。2時から9時まで休みなしで指すのは辛い。サロンは2人体制が適当と思う。
しばし経って、宏美女流二段が戻ってくる。それに入れ替わる形で、今度は私が軽食を摂りに出掛けた。めざすは「小諸そば」だ。店に入るが、アジア系の旅行者と思しき団体がいた。安くて美味い小諸そばは、格好のファーストフードだ。
私は定番の二枚もりを頼む。しかしこの季節のそばはいま一つで、そばにしこしこ感がなかった。あるいは、ゆでてから時間が経っていたものか。
「二枚もり超もり」の声が聞こえる。二枚もりの上をいく、もりの量なのか。それを食している客のもりを見ると、たしかにすごい。次回はこれを頼もうか。
LPSA芝浦サロンに戻ると、宏美女流二段が二面指しを行っていた。R氏と男性氏の将棋は、終わっていた。私は感想戦に口を出す。それが一段落すると、7時を過ぎていた。実はきょう、駒込でジョナ研があるから、私たちはそろそろ失礼しなければならない。
では…とサロンを出ようとするが、宏美女流二段が怪訝な顔をする。(私と2局目を指すんじゃなかったの?)という顔をである。確かにそうで、あのやり取りをすれば、誰だって指導対局のおかわりをすると思う。このあたり、ちょっと私の言動はチグハグだった。
「す、すみません宏美先生、また次来ますから! それまでお好きな酒を選んでおいてください」
「…なんでもいいですか」
「なんでもいいです。ひゃくまんえんでも…ゴニョゴニョ…」
まあ、妥当なところで1万円前後だろう。
ところで思ったのだが、今回私は宏美女流二段にマッカランプレゼントの件を伝えただけだったので、次はその回答を聞き、そのまた次にその賞品を持っていくことになる。つまり最低でもあと2回は、宏美女流二段の指導対局を受けに行かなければならないわけで、これはちょっとした誤算になった。しかしうれしい誤算でもある。

R氏とともに駒込に向かう。その電車の中。
「やっぱりサロンは楽しいね」
とR氏がつぶやく。
「そうですね。でも駒込サロンはこれにWさんなど個性的な会員がいて、植山先生もいたんですよ。あれはホントに楽しかったですよね」
私がそう返すと、R氏がうんうんとうなずいた。
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