一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

三浦問題を考える

2016-12-29 22:32:40 | 将棋雑記
今日、録画しておいた「第42回将棋の日in静岡」を観たのだが、観客の中にミスター中飛車氏の顔があった。
中飛車氏が静岡まで行くはずがないから他人の空似だろうが、その後に今度はOsa氏その他の顔も映って、これはさっきの中飛車氏も当人だと思った。
驚いた。静岡あたりなら東京の人も行くんだねえ。私はまだまだ甘い、と痛感した次第。

   ◇

「三浦問題」について、26日に第三者委員会の調査結果が公表された。結果を書くと、三浦弘行九段の行為は「黒とは認められず」。すなわち疑わしきは罰せず、で白となった。
その報告書を私は詳細に読んでいないのだが、ソフトとの一致率も、飛びぬけて高くはなかったとのこと。
さらに竜王戦の久保利明九段戦でも、三浦九段は長時間の離席はなかったらしい。
かように調査結果は三浦九段に有利なことばかりで、私はあんぐりとしてしまった。渡辺明竜王は、こんな脆弱な状況証拠で告発をしてしまったのか!?
いやいやそれはないだろう、「三浦九段クロ」たる根拠があって、告発をしたんだろう!? そしてその主張を、理事会と読売新聞は受け入れた。納得したから、挑戦者変更という暴挙にも賛同したんだろう!?
三浦九段は将棋ペンクラブの集まりにたびたび参加してくれて、私が応援する棋士のひとりである。だが、だからシロと信じていたかというとそうではなく、やった可能性は十分あると思っていた。そしてそれは現在でも完全に拭われていない。それは繰り返すが、渡辺竜王捨て身の告発があったからだ。これを聞けば、誰だって「三浦九段クロ」と思うのではないか?
それがシロってあんた、そんな結末ってあるのかよ!
世間では、竜王戦七番勝負はスマホの持ち込み禁止が決まっていたのだから、渡辺竜王が告発をせず、三浦九段と戦って勝てばよかった、という。
だがそれは違うと思う。もし三浦九段がスマホを使って挑戦権を得たなら、三浦九段が七番勝負に出てきてはいけないのだ。それを渡辺竜王は許せなかった。だから竜王として告発した。その姿勢は買う。
だが、確たる証拠もなしに告発したのなら大問題だ。
しかも理事会と三浦九段の会合の時、理事会が「竜王戦七番勝負は中止になった」と告げて三浦九段を休場に追い込んだというのだが、本当なのかこれ!?
理事会が「三浦九段クロ」を前提としていたようで、やり口が汚すぎる。警察が冤罪をこしらえる過程にそっくりではないか。
今回の告発は、週刊誌に三浦九段のカンニング疑惑が掲載されそうになり、それで理事会と渡辺竜王が先手を打って挑戦者を替えたとされる。
だが、日本将棋連盟や渡辺竜王が棋士のプライドを信じていれば、週刊誌の記事にビビらずとも、粛々と七番勝負を進めていればよかったのである。それで将棋ファンは十分味方になってくれた。だけど理事会は、棋士と将棋ファンを信じてくれなかった。
とにかく今回の結果報告では私の想像を越えるやりとりがボロボロ出てきて、私は混乱を抑えきれなかったのである。
理事会は三浦九段への救済措置として「A級残留」を約束したが、三浦九段がいちばん被害を受けたのは竜王戦である。こちらの挑戦者の権利はどうしてくれるんだ、という話だ。何しろ七番勝負に出れば、負けても1,590万円の賞金が出る。竜王を奪取すれば4,320万円の賞金になり、次期の七番勝負の賞金も保証される。順位戦より、竜王戦の方が重要なのだ。
ところがこちらは「タイトル戦が完結したのでそのまま進める」とのこと。
そりゃねーよ。もう次期のトーナメントが進行しているとはいえ、あまりにも理不尽である。
あとは連盟が金銭的補償を行うしかないのだろう。しかし将棋連盟だっておカネはないし、どこまで身銭を切ってくれるかだ。
しかも理事会のペナルティは減俸のみ。私は谷川浩司会長が首を差し出すのは当然と考えていたから、これもズッコケた。
三浦九段の金銭的被害より少ないって、そんなバカな話がありますかね。
ホントにもう、谷川会長がこんなに自分に甘いとは思わなかった。

ああそうだ、この機会に私の持論を書いておこう。

「棋士と一般人の違いは何か?」

答えは、「棋士は一般人より将棋が強い」。これだけである。それ以上でも以下でもない。
世間では、棋士は頭がいい、人格的にも優れている、と考えている人が多いと思う。でも、それは違うと思う。
棋士は将棋が強い以外は、一般人と何ら変わらない。人格的にオヤ?という人もいるし、サラリーマンにしか見えない人もいるし、あんた棋士という職業があって良かったね、という人もいる。
もちろん人格的に優れている人もいるが、それは一般人と同じ比率と思う。
今回の騒動は、告発したら棋士の社会的地位が失墜することは容易に予想できる。一般人なら、告発せずに済ませられないものか、秘密裏に解決できないものかと考える。それがどうしてああいう展開になってしまうのか、私にはとんと分からぬ。
ただ申し訳ないが、私の三浦九段に対する心象はグレーのままである。やはり一度貼られたレッテルはそう簡単に剥がせない。私は三浦九段と話してみたい。正直もう、よく分からない。
ともあれ私は将棋連盟に失望したわけだが、不幸中の幸いは、将棋は棋士が発明したものではないということだ。つまり私たちは今まで通り、ふつうに将棋を楽しめる。それだけが救いだ。
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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-12-29 23:46:10
LPSAは自浄能力があって何とか持ちこたえましたが、
連盟はあるんでしょうかね?
Unknown (Unknown)
2016-12-30 03:00:16
「棋士は一般人より将棋が強い」

だけではなく

「棋士は一般人より将棋が強いというだけで自分が一般人より偉い人間だと思い込んでいる」

ですね
Unknown (Unknown)
2016-12-30 03:06:20
何の証拠も出ていない三浦九段がグレーなら、羽生三冠だってグレーですよ。

真っ白な棋士など居なくなります。
自分はこう思います。 (ちょっこし正義の味方)
2016-12-30 18:23:00
棋士と接する機会の多い一公さんが「人格的に優れているのは一般人と同じ比率」と言うのであれば、そうなんでしょう。一人の棋士生命にかかわる問題を、しかも当人は否定しているにもかかわらず二日で処分してしまった連盟幹部は退くべきだと思います。そもそも最初の発表の休場届けを出さなかったから云々も今聞けばおかしな話です。竜王戦は延期するべきでした。2ヶ月半延びれば金銭的には相当な痛手ですが、その間棋士全員が2ヶ月半謹慎すべし・・・それくらいの事件だったと思います。
分からない (一公)
2016-12-30 23:25:11
>Unknownさん
連盟の自浄能力ですか?
あるんじゃないでしょうか。というより、なんで自浄しなきゃならんのだ、というところでしょう。

棋士が自分自身を偉い、と思うぶんにはいいと思います。

羽生先生もグレーですか。なるほど…。

>ちょっこし正義の味方さん
竜王戦七番勝負の延期ですよねぇ…。
がんばればできたと思いますが、渡辺―三浦戦でそのまま進めたほうがよかったんじゃないですかねえ…。
ちょっとよく分かりません。

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