一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

上野ちゅう太は男でござる

2011-03-01 00:52:06 | 男性棋士
きのう2月28日(月)のフジテレビ系「ネプリーグ」内の「ファイブリーグ」に、「全国に860店舗ある低価格のイタリアンレストランは何か」という問題が出た。
答えはもちろん「サ・イ・ゼ・リ・ヤ」。5文字目の「ヤ」は「ア」と間違いやすいが、実際に間違えたのは「リ」で、梶原しげるが「フ」と書いていた。意味不明である。

今期のマイナビ女子オープン挑戦者決定戦は2月17日(木)に東京・将棋会館で行われたが、前期第3期の挑戦者決定戦は、昨年2月16日(火)に同所で行われた。
昨年の大きな特色は、主催社の毎日コミュニケーションズが全国のブロガーから「レポーター」を募り、後日ブログにその模様を掲載してもらう、という画期的な試みを行ったことだ。
私もその企画に応募し、幸運にも選考を通過した。当日は15名前後のレポーターが集まり、私たちは昼食休憩後の数分を観戦する機会に恵まれた。
しかしそれを終えると終局までやることがない。私は近くのネットカフェで中継を観ながらブログでも書こうかと考えていたが、勝又清和六段が臨時の解説会を開いてくださり、有意義な時間を過ごすことができた。
このとき解説に加わってくださったのが上野裕和五段、中井広恵女流六段、中村真梨花女流二段だった。
上野五段は日本将棋連盟の理事である。女流棋界最高の公式戦・マイナビ女子オープンの挑戦者になれば、それはほかのタイトル獲得に匹敵する。理事の立ち会いも当然だったかもしれない。
ところでこの解説会の中で、「対局中に指した悪手を、どうしても後悔してしまう」という話が出た。私たちも心の中で「うんうん」と頷き、勝又六段は
「このあとの指し手に影響しちゃうから、これは悪手じゃないと割り切って指すのがいいんでしょうね」
と言った。中井女流六段、中村女流二段も同意したふうだったが、
「…やっぱり、その考えは違うんじゃないでしょうか?」
と異を唱えたのが上野五段だった。そして「悪手は悪手なんだから、それをふつうの手と考えて指し続けるのはおかしいんじゃないでしょうか」
と続けた。
どちらの考えが正しいかはさておき、ここに上野五段の人となりが表れている。周りが「悪いことを良い」と言っても、「悪いことは悪い」と偽りを許さぬ精神だ。
上野五段は2009年5月の理事選に立候補し、見事に当選を果たした。棋界内部の上野評がどうだったかは知る由もないが、特筆すべき棋歴のない上野五段の当選は、一般将棋ファンから見れば意外だったのではないか。
なぜ上野五段が当選したか――。それは上野五段の真っ直ぐな性格を、ほかの棋士も承知していたからではないか。上野五段に理事職を任せれば、現在の将棋界を、いい方向へ舵取りしてくれると信じたからではないか。
その後上野五段は、公益法人改革の担当者に着任した。現在は米長邦雄会長(永世棋聖)と西川慶二理事(七段)が担当しているが、2年前の改選直後は、上野五段だけだった。ここにも理事会の上野五段に対する期待感が表れている。
実際、上野五段も公益法人改革にまつわる業務を精力的にこなしたのだろう。その前後に上野五段のブログが休眠状態になったことからも、それが分かる。
時が過ぎ、昨年11月、日本将棋連盟は移行認定申請書を提出した。しかしこの陰には、上野五段の、縁の下の力持ち的な働きがあったと信じる。
よって、もし日本将棋連盟が公益法人を取得したならば、それは上野五段の力によるところが大きいと私は考える。
私は将棋会館の道場で、何度か上野五段を拝見したことがあるが、自ら話しかけることはなく、いつも静かにお客の対局を見ていた。そんな上野五段には人を惹きつけるオーラがあるのか、いつも周りに人が集まっていた。
上野五段は、見かけは頼りなさそうだが、芯が強く、男気がある。上野五段が理事である限り、日本将棋連盟の未来は明るい。
コメント (2)
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