八十路徒然なるままに

早稲田かりほすなど、とりあつめたる事は、秋のみぞ多かる。また、野分の朝こそをかしけれ。徒然草より

百七歳、目出度くもあり

2021年08月10日 15時37分13秒 | Weblog

在宅ばあちゃんは、百七歳。めでたくもあり、めでたくもなしが、今の心情。長生きするのは、目出度い。でも、何時の日にかは、この世から、おさらばになる。年末までは大丈夫かなぁ。お正月が過ぎれば、誕生日までは、大丈夫かなぁと、思いながら過ごしている。日々は、ばあちゃんのペースで、眠むたければ。眠らせている。ご飯の時刻でも、食べるのなら、食べさせる。ひもじい思いを、させないようにしている。今日のお昼の軽食は、ショートケーキ。食べている間は、心配事はない。お喋りの受け答えができない。ゆっくりと耳に聞かせると、耳をそば立てている。少しは分かるようだ。ばあちゃんは、今、何を思っているのだろうか。おしゃべりができていた頃は、「あの世さ、行くんだぁ」と、「海さドボーンって、落っこちんだぁ」と、言っていた。その時は、「千治じっさんと、おこうばっぱさんが、みちこーと、呼びに来るから、その時に行くんだよぉ」と、言い聞かせていた。介護が始まった頃は、「生きていた方がいいのか、死んだ方がいいのか、眠むんねぇで、考えていた」と、寂しげに言っていた。この世に生を受けたのは、両親の愛のこぼれで、今、百七年がすぎて、両親が迎えに来るのを待つ。何歳になっても、親を思っているのだろう。どんな状態で、この世に別れを告げるのか、神のみぞ知る。画像は、百歳の記念の小冊子に、綴りこんだもの。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 涼風至 | トップ | 迎え火 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事