生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1920 ・馬政権と学生との対話で解決の糸口は見出せるか

2014-03-26 07:17:19 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信1920(140326)をお届けします。

・馬政権と学生との対話で解決の糸口は見出せるか

 台湾の馬英九総統は昨日3月25日、無条件での対話を学生に呼びかけた、と本日の各紙朝刊が伝えています。しかし、馬氏が学生側の要求を受け入れる可能性は低く、事態が収集に向かうかは不透明だそうです。

  馬氏が対話に応じる意向に転じたのは、下の血を流すような警官隊のデモ隊排除が強い批判を浴びたためです。デモ隊側は非暴力を掲げ整然とした秩序を維持していたのですが、政権側が実力排除を命じたため、一部で流血の事態が生じたそうです。

 
【國際版譴責文】より多くの人に実態を知ってほしい!シェア、拡散お願いします    ただいま台湾の市民たちは立法院に立てこもり、「両岸(台湾と中国)サービス貿易協定」が強行採決されることへの反対を示しています。警察は建物の外に集まり、鎮圧の準備をしています。    今こそ、台湾の民主主義と未来が掛かっております。世界中の皆様の注目が必要です。どうかこのニュースを出来る限り多くの人々に送って頂きたいのです。他の言語への翻訳もお願い申し上げます。(もしよければ、このスレに翻訳された文を書き込んでください。)天よ台湾を救い給え。    警察がマスコミを警戒区域から追い出し、盾や警棒で学生・国民を乱暴に叩き、まさに野蛮な政府の強制立ち退き作業。公務執行妨害罪であれ、どんな理由であれ公権力による暴力は絶対に許されない行為である。人権侵害だ。暴力以外に選択肢は山ほどあっただろ!丸腰の民衆だ!    【國際版譴責文】希望可以讓更多人知道實況,請轉貼    台灣的人民為了反對兩岸服務貿易協議粗暴的審查,現在正佔領立法院抗議,鎮暴警察正在集結,準備強制驅離。    現在正是攸關台灣民主主義與未來的重要時刻。需要來自世界的矚目。希望可以盡可能讓個多人看見這則新聞。也敬請將文章翻譯成其他語言。(請將翻譯文章留言在本文中)天佑台灣    台灣警察把媒體從_警戒區趕出來,用盾牌根警棍敲打學生跟群眾。這就是野蠻政府的驅離作業,不管是妨礙公務罪或其他任何理由,因公權力而起的暴力都是不容原諒的行為!人權侵害!暴力以外還有許多選項吧!大家都是手無寸鐵的民眾耶! 
 
以下、インターネットにアップされた速報と、拡散以来です。
【國際版譴責文】より多くの人に実態を知ってほしい!シェア、拡散お願いします

ただいま台湾の市民たちは立法院に立てこもり、「両岸(台湾と中国)サービス貿易協定」が強行採決されることへの反対を示しています。警察は建物の外に集まり、鎮圧の準備をしています。

今こそ、台湾の民主主義と未来が掛かっております。世界中の皆様の注目が必要です。どうかこのニュースを出来る限り多くの人々に送って頂きたいのです。他の言語への翻訳もお願い申し上げます。(もしよければ、このスレに翻訳された文を書き込んでください。)天よ台湾を救い給え。

警察がマスコミを警戒区域から追い出し、盾や警棒で学生・国民を乱暴に叩き、まさに野蛮な政府の強制立ち退き作業。公務執行妨害罪であれ、どんな理由であれ公権力による暴力は絶対に許されない行為である。人権侵害だ。暴力以外に選択肢は山ほどあっただろ!丸腰の民衆だ!

以上、引用終わり

 もっとも、警備にあたっている警察の車両には、デモ隊側から次のようなメモや付箋が貼られたりしている雰囲気だそうです。

「ありがとう。お疲れ様。警察は私たちの前に立つ盟友です。頑張って!!」

どの付箋にも警察への感謝の気持ちや、
警察を気遣ったメッセージが書かれています。

また先日は、警察の一人から心情をつづったメッセージが
フェイスブックにアップされ話題になっています。

以下フェイスブックにアップされた警察官のメッセージ

今日、台北市の全ての警察の休みが取り消された。 

 

12時間の勤務を終え、やっと家に帰った者。 
これから子供とご飯を食べに行こうと準備していた者。 
案件処理を終え、残業含めて15時間以上連続勤務していた者。 

 全員が休みを返上して立法院に支援に向かった。

制服を脱げば俺たちにも家族があり、子供も妻もいる。 

制服を脱げば俺たちにも自分の考えがあり、サービス貿易協定の通し方には反対だ。

しかし、制服をきたら、俺たちは私じゃなくなる。 

警察官であり、台湾の法律の執行人となる。

サービス貿易協議を通過させたのは警察じゃない。 

サービス貿易協定を通過させたのは、みんなで選んだあの議員たちだ。

学生の過失でもなければ警察の過失でもない。 
サービス貿易協定を通過に関わった議員のミスであり、 

 

そして、そんな議員に投票した俺たちのミスだ。 

君たちは今日立法院に民主を争奪に来た。 

俺たちは立法院に法治国家を守るために来た。

俺たちは敵じゃない。向かい合った戦友だ。 

どうか、冷静になって、もう警察と衝突をしないようにしてほしい。 

 

警察と民衆の衝突は問題の焦点を見えにくくしてしまう。
 

本当の敵は、君たちの前に立っている満身創痍で重い盾をもった警察じゃないはずだ。 
警察を罵って、唾をかけ、侮辱をしても問題は解決しない。

一万人が立法院を取りかこみ抗議の結果得るべきものは、警察との喧嘩なんかじゃないはずだ 

俺は台湾を愛している。 

俺は南部にいるから支援には行っていないけども、 
抗議に立ち上がった同胞たち、
そして支援に言っている同胞たちよ。  

 

本当につらいと思う。 

以下台湾の反応です。

とある台湾人

こういうことができる台湾人を誇りに思う

とある台湾人
最近の中では一番こころがあったまるニュース

とある台湾人
これからの台湾の歴史はこういった人たち次第。
この心づかいは素晴らしい

とある台湾人
いいね!
民主的思想がわかっているのは学生の方。

とある台湾人
平和な一幕が見れてうれしい。
警察は敵じゃない。その通り。

とある台湾人
これこそ我々台湾人がとるべき態度!!
盲目な抗議や暴力では決してない。
がんばれ!!

とある台湾人
警察も頑張って!!」

とある台湾人
涙がでた!!

とある台湾人
こんなに人数が集まっているのに
こういうことができるのってすごいよ
感動した

とある台湾人
これが私が望む本当の台湾人だと思う。
平和で人情があって、優しくてあったかい。
そういった人が住む国であってほしい

とある台湾人
立場が違うけども、みんな台湾を愛してるんだよ

とある台湾人
革命は失敗すると暴徒と呼ばれ、
成功すると英雄となるのが通常。
現時点でも理性を保っているのは奇跡に近い。

とある台湾人
警察だって辛い。
それを理解してちゃんと伝える学生えらい!!

とある台湾人
台湾のためにやっていることが伝わってくる。
自分の利権とかにこだわってる奴でてこい!!

とある台湾人
人の心の美しさの一面を見ることができた。ありがとう。

とある台湾人
こういった良心を持ち続けて頑張ってほしい!!

とある台湾人
この良心がずっと受け継がれていくような国であってほしい。

とある台湾人
これのどこが暴徒なんだろう?

皆、がんばれ!!

メディアはしっかりと報道してくれ

とある台湾人
まさしく民主が行われているといえる。

とある台湾人
この学生は台湾の希望。

以上、引用終わり

とどのつまり、事態はどう収拾されるのでしょうか。軟着陸はあるのでしょうか。それとも、結局、ハードクラッシュでしょうか。できれば、1箇条ずつの審議という当初の約束に戻り、時間はかかっても、「これが台湾の民主主義だ」という姿を見せてほしいものです。

 


1919 ・「日本の人たち、私たちを助けてください」と、台湾の若い人たちが声をあげています

2014-03-25 08:18:26 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信1919(140325)をお届けします。

・「日本の人たち、私たちを助けてください」と、台湾の若い人たちが声をあげています

 「ほえほえくまー、ほえほえくまー」と、台湾の学生たちがシュプレヒコールしています。国会の議場などを占拠し続けているのですが、実態は秩序が保たれているそうです。

 「ほえほえくまー」は、問題のサービス貿易協定反対を意味する「退回服貿」を叫んでいるのだと聞きました。 

隣の台湾で大変な10万人規模の歴史的な事がおきて大きな声で「日本人助けて」とネットで大きく出てること皆知ってください。       国民党の馬総統が中国と結んだ協定がひどく、日本と経済交流止めて中国と優先的にすることに日本と繋がりを大事にしろと大規模デモがおきてる。何故日本は見過ごす。応援すべきのは今じゃないのか。なぜ日本のマスコミは報道しない。Facebookに良心あるなら台湾を助けよう。    http://youtu.be/nCaQJCkt8wk        この協定は中国が台湾の土地を買える権利も含まれています。この意味わかりますか

 台湾 学生 国会占拠 服貿 サービス貿易協定

*写真はインターネットの記事から転載

 学生を中心とする若い人たちが反対の声をあげているのは、台湾が中国と結ぶことにした「サービス貿易協定」が、台湾の中小企業に大きな打撃をもたらす、人材が流出する、言論・情報の安全性が脅かされる、などからです。

 サービス貿易協定の内容もさることながら、国会審議が審議途中で打ち切られ採決が強行されそうな手続きに対する反発も強かった。つまり、「民主主義の危機」という捉え方です。

 日本ではかつて「大規模店舗法」がアメリカの圧力で規制緩和され、大規模店舗がほぼ自由に展開できるようになったため、八百屋や魚屋等の小さな家族経営の店がつぶれていったのが思い出されるます。台湾ではアメリカの代わりに中国が立ち現れたというところでしょうか。

 日本では、こうした台湾の若い人たちの運動はあまり報道されません。しかし、台湾の若い人たちは、日本からの激励を切実に求めています。今回の運動は、最初から「非暴力」をかかげ、全く暴力的な活動はないそうです。学生たちは周辺住民にできるだけ迷惑をかけないようにと、ゴミをきちんと片づけることも守っている。学生の中には、泊まり込みの座り込みに参加しながら、勉強を続けている人も少なくないのだとか。

 しかし、今回の動きを、中国での「天安門事件」になぞらえる見方も出てきました。危機感を強めてきた馬英九政権が、実力行使に踏み切る事態が刻々と近づいているという見方です。

 中国寄りの馬政権は、台湾人を蔑視し、中国との統合を目指しているという見方もありました。クリミアがロシアに併合されたように、台湾が中国に併合される事態がありうるのかもしれません。

 日本の報道機関は、中台の関係をもっとしっかりと報道する使命があるはずです。近隣の国々の動きにこまやかな神経を行き届かせて、正しい姿を伝えてくれなければならないはずです。

 中国で天安門事件が起きたのは25年前の1989年6月でした。台湾で同じような事件が起きる時機が近づいてきているのかもしれません。


 


1918 ・「懐かしい未来」へ向けて――元気づく里山生活圏、そして里海生活圏

2014-03-24 09:43:02 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信1918(140324)をお届けします。

・「懐かしい未来」へ向けて――元気づく里山生活圏、そして里海生活圏

 赤潮の頻発でかつては「ひん死の海」とされた瀬戸内海が、いまでは恵み豊かな海としてよみがえってきたそうです。「里海・瀬戸内海」のタイトルで昨日3月23日に放映されたNHKスペシャルが、よみがえった豊かな海の様子を生き生きと伝えていました。

 上の写真は、カキいかだを海中から撮影したものです。海水の透明度が高いのが見てとれます。

 瀬戸内海は1970年代を通じて赤潮に悩まされました。1年に300回も赤潮が発生したのです。コンビナートや沿岸に立て込む人間の生活排水など富栄養物の汚染水が流れこみ、赤潮で魚も住めない海になった。

 しかし、養殖のカキいかだが浄化力が高いことに目をつけ、多くのカキいかだを作ることで海の水質浄化を進めた。カキいかだ1基でカキ50万個をつるすのだそうです。瀬戸内全体では、65億個のカキがつるされているのだとか。

 海水がきれいになってきたことで、「海のゆりかご」ともいわれるアマモも甦ってきた。毎年アマモのタネをまき続けて努力が、海がきれいになってくることで一気に増えたのです。イカが卵を産み、「生きた化石」といわれるカブトガニが産卵するようになった。

 カキいかだは今では200種類以上の魚たちが住む人気の”集合住宅”であり、アマモ場も多くの魚たちを育んでいます。

 里海とは、人の手が加わることで生き物の多様性が高まり、海の恵みが豊かになった沿岸地域のことで、自然を上手に利用しながら生き物と共生できる環境です。

 里海が大切にされているところはまだ多く残されています。たとえば、三重県の尾鷲。ここには「魚付き林」というのがあり、古くから木を切ることが禁じられていた森が残されているそうです。この森の腐葉土が生み出す栄養分やミネラルが雨によって海に流れ込み、魚が食べるプランクトンを増やす。

 下北半島の最北端、青森県東通村尻尾では、「拾いコンブ漁」と呼ばれ、海岸に流れ着くコンブだけをしぜんの恵みとしていただく習わしが今もあるそうです。海中に生えるコンブには手をつけない。そうすることで、海のコンブの林を守りながら共存するのだそうです。

 ボクガ住む大阪では、1960年代からの高度成長期に、堺泉北工業地帯の造成といって海岸線をコンクリートで固め、鉄鋼や石油の重化学工業を誘致し貼りつけました。かつての白砂青松はそのおもかげもなく、さむざむとした風景をさらしています。

 朝日新聞の本日朝刊に、「里山資本主義」という本の広告が掲載(4面)されています。「日本には普通の人が普通に生きていける”資産”がある」と訴えています。すでに読まれた方も多いようですが、まだの方は一読をお勧めします。

 アベノミクスだの、成長戦略だのと血眼になるのではなく、懐かしい里山、その里山とともに穏やかに暮らす生き方があることを示しています。

 


1917 ・消費税の8%への増税が安倍政権の命取りか

2014-03-23 09:01:38 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信1917(140323)をお届けします。

・消費税の8%への増税が安倍政権の命取りか

 あと10日足らずで消費税の8%への増税が実施されます。この3%の上乗せは、おそらく大失敗の結果となるのではないでしょうか。

 3%分の増税は、金額にすれば約8兆円です。8兆円もの大型増税なのです。そんな大きなカネを国民の懐から召し上げれば、その分消費が落ち込むのは当たり前です。ましてや、増税前に買いだめする駆け込み需要が起こっていますから、増税直後は必然的に消費の反動減となります。

 安倍首相にとって大きな誤算だったのは、輸出が伸びないことです。4-6月期は国内消費の反動減が予想されたため、安倍政権は懸命に円安へ誘導し、ともかく超円高を修正することで輸出増を期待しました。しかし、期待の輸出が一向に伸びません。

 それもそのはず、超円高が続くうちに輸出企業は脱日本を果たし、いまや残っているのは内需中心企業が多くなっています。トヨタ、日産、ホンダなどにしても、残っているのは日本国内で生産しても充分に競争力があるものばかりです。したがって、いまさら円安だからといって改めて輸出を伸ばすといったことにはなりにくい。

 朝日新聞の本日3がtる23日付け朝刊では、「首相 消費増税後いばら道」を一面トップの見出しとし、続く二面では「増税の衝撃 読めぬまま」「残るトラウマ、輸出増えぬ誤算」の見出しを立てました。

 この大きな企画特集から透けて見えるのは、「消費税増税後は景気が悪化し、安倍政権はいばらの道を行かざるを得ない。輸出も増えないから、次の10%への消費税増税はほぼ困難」です。

 そしてもし10%への増税を中止すれば、それこそ大混乱となり、安倍政権も崩壊せざるを得ないだろうという見方です。

 こうしたことを見据えて、いま安倍政権が最も力を入れているのは、6月に発表する「新しい成長戦略」。この中では。「世界で最も企業活動がしやすい国・ニッポン」のようです。この中の最大の目玉が、「首切り自由の国・ニッポン」です。働く者、労働者にはたまったものではありません。多くの働く人が労働者ではなく、労働奴にされるようです。

 安倍政権は1日も早く幕引きさせたほうがいいのではないでしょうか。

 


1916 ・集団的自衛権で暴走するアベノホース。その暴走馬にムチヲ入れる読売新聞

2014-03-22 08:32:02 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信1916(140322)をお届けします。

・集団的自衛権で暴走するアベノホース。その暴走馬に鞭を入れる読売新聞

 憲法改定は難しそうだから、よりやさしい「解釈の変更」で行こうと姑息なやりくちの安倍政権。しかし、ことは憲法を変更する意味を持つだけに、そんな姑息なやりくちを許すわけにはいきませんよね。

 そんなところへ、読売新聞がしゃしゃり出てきました。本日3月22日の社説は、「解釈変更へ共通認識広げたい」という見出しを立て、「時代の変化に対応して憲法解釈を変更することに問題はない」と断言して見せました。解釈改憲は許さないという世論に立ち向かい、安倍政権の尻を叩いて集団的自衛権が行使できるようにしようという狙いです。

 「憲法解釈を変更することに問題はない」ですって。憲法を変更せずに実質的に憲法を変更することが、本当に問題ないのですか。安倍首相が強調し、読売新聞も根拠としている「時代の変化に対応して憲法解釈を変更することに問題はない」という論法。本当に「時代の変化に対応」するつもりなら、それこそ憲法を時代の変化に対応するよう変更するのが筋ではないですか。そうでなければ、時代の変化に対応できない「時代遅れの憲法」がそっくりそのまま残すことになるではありませんか。

 それとも、意識的に憲法を「時代遅れ」にしようというのでしょうか。憲法が「時代遅れ」とみなされ、棚に飾ったままほこりまみれにするつもりなら、後は時の政権の解釈次第、どうにでもなる時代になります。つまり、無憲法体制が居座り、立憲主義は崩壊です。三権分立のうち、憲法が死ぬ、あるいは有効な機能を発揮しないのだから、行政権が異常に力を持つことになります。

 読売新聞は、日本の安全保障環境が悪化する中では、「集団的自衛権の行使を可能にし、自衛隊と米軍の連携を強化して、日米同盟の抑止力と信頼性を高めることが不可欠だ」と、強調します。つまり、一旦緩急ある場合の態勢を整えておくという意味なのでしょう。つまり、いざという時は「戦争しましょう」という準備です。

 読売の社説がいびつなのは、安全保障環境が悪化している今、その悪化している原因を取り除き、安定した友好関係を取り戻すにはどうするかという観点が、すっぽり抜け落ちていることです。

 クリミア情勢を見ても、戦争をすることだけは避けなければならない。努力は、どうしたら双方が折り合える「落とし所」を探り当てられるか、の全力を注ぐことではないでしょうか。

 安倍首相は、靖国神社に参拝して中国や韓国との関係が悪化する原因を作りました。安倍首相の個人的な”趣味”のために中国や韓国との関係が悪化し、双方の貿易や文化交流が細り、どれだけ国益が損なわれたことか。読売はこうした点には知らぬ顔で通り過ぎています。何も触れません。

 読売は、集団的自衛権の論議を重ねることは大事だとしつつも、論議を長引かせることは避けなければならないと強調しています。遅くとも年末に予定される「日米防衛協力の指針改定」に反映できるようでなければならないと主張しています。

 こう結びました。「活発な議論によって適切な時期に結論を出し、政治を前に進める。それが政権党の務めだ」と。ようするに、ボヤボヤするな。早く結論を出さんかい。はよ、集団的自衛権が使えるようにせ~や、と安倍暴走馬に鞭を入れているわけです。