生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信1122 ・「お母さんパワー」は、日本に新しい民主主義をもたらすでしょうか

2012-01-04 06:51:24 | 日記

 おはようございます。 アメリカの大統領選挙は、野党共和党のアイオワ党員集会で本格的に始まりましたが、ロムニー氏しろ、ギングリッチ氏にしろ、有力候補に新しい平和な世界、民主主義的な世界をもたらそうという抱負経綸は感じられません。
 生き生き箕面通信1122(120104)をお届けします。

・「お母さんパワー」は、日本に新しい民主主義をもたらすでしょうか

 いろいろな集会やデモに参加した中で昨年感じたのは、それまで集会やデモに参加したことがないような人の参加が増えていることでした。なかでも若いお母さんが結構目立ちました。乳母車だったり、小さな子の手を引いて参加していたのです。若い男性も参加していました。鳴り物と称する鉦(かね)や打楽器を打ちならしたり、モヒカン刈りだったりでデモっていました。

 小さな子どもを持つお母さん方は、目に見えない放射能から子どもを守るために何かせずにはおれないという思いからの参加のようなプラカードを掲げていました。組織の動員とはまったく異なる雰囲気でした。

 東日本大震災・原発事故の被災地の方々と結びつきながら、今年はその「お母さんパワー」が継続して輪を広げていくか、注目しています。もちろん、男たちも頑張らなくちゃ、という思いです。

 目標は、明らかですよね。「脱原発」。「原発再稼働をストップさせよう」。「消費税増税は当面阻止しましょう」。「TPP(環太平洋経済連携協定)もダメ」。もちろん、「普天間基地の移設は国外へ」。私たちは、安心、安全に暮らす権利があり、そのために日々、努力する義務があると思っています。そこで、お母さん方、あるいは女性のパワーは力強く、たのもしく感じます。「お母さんパワー」の底に流れるのは、憲法9条の精神につながる「平和国家ニッポン」が破壊されつつあることへの危機感だと受け止められますし、それこそがいま何よりも必要だと思うからです。

 「お母さんパワー」は、政治哲学者のアントニオ・ネグりさんがいうところの「マルチチュード」(多数、群衆)です。今朝の朝日新聞に「新しい民主主義へ」と題するネグりさんへのインタビュー記事(9面)が掲載されました。ネグりさんは、現代ヨーロッパを代表する左派知識人の一人で、亡命先のフランスでは「新しいマルクス」と呼ばれている(ご本人は「そんな言い方はやめてください」といっているのですが)そうです。このインタビューの中でネグりさんは、「『自分たち』(マルチチュード)で動き、決める時が来た」と、群衆の中に潜む「革命的パワー」を指摘しています。「お母さんパワー」は明らかに、マルチチュードの大きな潮流のひとつに違いありません。

 それは、アメリカ・ニューヨークでの「ウオール街占拠運動」とつながるものであり、ネグりさんは「中東の春」の動きも同じだと指摘しています。

 世界のトップ・リーダーが代わる2012年は、「マルチチュード」が新しい時代を切り開くか、あるいはグローバル企業の「帝国」が世界を支配するのか、のるかそるかの大勝負の年のように感じられます。日本ではとりわけ「お母さんパワー」の威力が重要な役割になりそうです。気がかりなのは、こうしたお母さんパワーについても、大手メディアは「無視」を装っていることです。大手メディアも無視できない動きを作り出せるかが、重要な尺度といえます。