古代日本の歴史を謎解き

日本の古代史の謎に挑戦します。

古代の信仰と神道の三貴神(月読、天照、素戔嗚)

2017-12-16 16:06:25 | 歴史
弥生時代後期は、大陸から鉄製の武器が伝わって古墳時代はそれぞれの国が
大きな古墳を作って、その権力の象徴とした時代です。
この時代に出来たのが素戔嗚を神様とする出雲信仰でしょう。
天皇家の三種の神器で、勾玉と鏡は、天照が使っていたもの、
剣が素戔嗚が 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治た時に手にしました。
国が発展するにあたっては、争い(戦争)は避けられなかったのでしょう。
三貴神は、
月読(死後、闇、地底の世界を治める神)
天照(天空、生きる、生活を支える神)
素戔嗚(争い、戦争、武力の神)
の三人です。
月読 と 天照 はイザナギの両眼から産まれる一対の神様
素戔嗚は、最後に鼻から産まれます。

天空で国を守ってくれる天照大神が女性で、武力の神様素戔嗚は男性、天空で一緒いる時代は
仲が悪く喧嘩を続けていて、最終的には、素戔嗚は爪をはがされて高天原を追放される処分を受けます。
地上に降りた素戔嗚子孫、大国主らが出雲の地の大きな国を作りますが
話し合いの結果、天照の子孫の国を譲ることで和解します。
国の名前も大倭(ヤマト) から 大和(ヤマト)へ平和の 和 の漢字を使った名前に変えます。
古墳時代の後に登場する飛鳥時代(奈良、仏教、漢字伝来など)の大和朝廷は、三人の神様の中から
天照大神を自分達の先祖と云うストーリーです。
大陸や朝鮮半島では国が乱れて争いが続いている時代です。
当時、武力(鉄製武器)では圧倒的に出雲国が優勢であったはずですは
倭国が選んだのは 和 であり、天照大神が治める国造りでした。
ヤマト朝廷(天皇家)の先祖が
・天照大神=>ニニギ=>神武天皇で、九州より近畿へ移住
・元々、近畿の奈良地方(明日香)に住んでいた一族
・飛鳥時代に朝鮮半島から移住してきた大陸人、朝鮮人
などと考えられます。
古事記などを信用するのであれば
九州の高千穂に天孫降臨した天照大神の子孫が奈良へ移住
飛鳥時代に朝鮮半島から逃げて来た一族を役人として起用
しています。
そして神道となり、出雲大社に素戔嗚、伊勢神宮に天照大神を祀る事で神社の体系が完成します。
残念ですが、月読(月夜見)は、その後登場しなくなります。
古墳時代に、それぞれの国で先祖供養がされていますので、
この信仰を一つにまとめるのは出来なかったのでしょう。
(月読と諸国の先祖の頂点とする信仰)

弥生時代の二つの信仰(生と死)

2017-12-16 14:32:24 | 歴史
魏志倭人伝には
23.葬儀 戻る
その(地の)死(事)には、棺があって槨(そとばこ)がない。土を封(も)って冢(つか)をつくる。死ぬと、まず喪(なきがら)を停めること十余日、(その)当時は、肉をたべない。喪主は哭泣し、他人は歌舞飲酒につく。すでに葬れば、家をあげて(家じゅう)水中にいたり、澡浴(みそぎ)をする。それは(中国における)練沐(ねりぎぬをきての水ごり)のようにする。


28.ト占 戻る
その(風)俗に、挙事行来(事を行ない、行き来すること、することはなんでもあまさずすべて)云為(ものを言うこと・行うこと)するところがあれば、すなわち骨をやいてトする。そして吉凶をうらなう。まずトうところを告げる。
そのうらないのとき方は(中国の)令亀の法(亀甲に、よいうらないの結果をだすよう命令したうえで行なう亀トの方法)のごとくである。熱のために生ずるさけめをみて(前)兆をうらなうのである。

が紹介されています。
古代より、
・死者が出た時の葬儀など、死後の世界
・当時の生活で解決できない物を占いに頼る、神の世界
の二つの信仰があったようです。
当時のお墓の遺跡が幾つも発見されています。
・甕棺を使った埋葬(死者に絹などの衣装を着せて、遺体がそのまま残るように埋葬している)
・王家一族の墓群と、他の人達に集合墳がある。
・祈祷(先祖供養)の儀式を行う場所もある。
何となく、現代でも理解できますよね。仏教が伝わるよりずいぶんと前の時代です。
占いや祈祷は、王家の住む場所の近くに高倉式の建物の中で行われた様です。
・勾玉は古くよりあったようですが、弥生時代に鏡が大陸から伝わり。
・鏡に中に景色が映ったり、太陽の光が反射する原理は知りませんので、神の技に感じたのでしょう。
この二つの信仰は、縄文時代などかなり以前から各地にはあったはずです。
どちらかというと死後の世界、死者への葬儀の信仰の古いかもしれません。
弥生時代に大陸から伝わった文化は、この二つに大きな変化を与えたでしょう。

日本神話に登場する二人の神様(月読、天照)が、この二つの信仰の神様で記載されたと思います。

・黄泉の国
 月読(月夜見)が治める事になります。
 死者が見にくい姿になって住んでいる世界です。
 戻れない様に大きな岩で出入口がふさがれています。
後の仏教で紹介される地獄に似ています。

・高天原
 天照が治める事になります。
 天空にあり、神様が住んでいます。
 空を飛ぶ乗り物や大きな橋があって、神様は地上と行き来が出来ます。
 残念ながら、地上に住む人間は高天原には行けない様です。
こちらは天国に相当するものでしょう。
・生(占い、祈祷)と死(葬儀、供養)
・夜(暗闇)と昼(朝日、明るい)
・地底(お墓)、天空(祈り)
不思議と現代の仏教やキリスト教など宗教の世界観と同じになっています。
飛行機やロケットもありませんし、太陽がある天空の世界は神様が住む世界で
病気やケガに対する医療も知識もありませんので
死者を土に埋めていく地底は死者が住む闇(暗い)の世界に映ったのでしょう。
誰も死になくないと思う気持ちは今も昔も世界共通で同じですね。