国際通でなくても、オバマ大統領の外交があまりにもちぐはぐなのは、誰でもわかる。昨日、ハーグで習近平国家主席と会談し、ロシアへの制裁について協力を求めた。しかし、したたかな中共は、オバマの予想に反して、それには加わらないことを示唆した。アジアで中共と友好的なのは韓国だけある。それ以外の国々は、帝国主義そのものである中共に脅威を感じている。北朝鮮ですら、裏切られたと思っている。これに対してアメリカは、対中共包囲網を強めるのではなく、逆に連携を強めようとしている。新自由主義に毒されたアメリカは、13億5404万ともいわれる中共の人口を考慮して、そこで金儲けをすることを優先させているのだ。同盟国を犠牲にすることも厭わないのである。アメリカの対中共政策にはこれまで幾多の変遷があった。冷戦時代はそれこそ封じ込めに必死であった。それがニクソンの北京訪問からがらりと変わった。それからカーターの国交正常化があり、そして、クリントンの時代に、「中国は戦略的パートナー」と呼ぶにいたった。ブッシュのときには、ネオコンが主導権を握ったことで、一時期中共への警戒心を強めたが、オバマになってまた、クリントンと同じ過ちを繰り返している。クリントンが行った融和路線の延長線上に、今のオバマ政権が位置する。これに日本や台湾、フィリピンなどが苛立っており、台湾での学生たちの抗議活動もその表れの一つである。オバマ政権が外交政策を見直さない限り、中共の帝国主義に対抗するには、日本も国家として身構えるしかないのであり、そのために今何ができるかなのである。
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