「ネトウヨ」という言い方は的はずれだ。産経新聞とFNNが去る22、23日に行った電話とネットの世論調査によって、それが判明した。ネット調査では年収や家族構成までもが聞くことができるために、興味深い傾向が浮かび上がってきた。高年収ほど安倍首相を支持していたからだ。安倍信者の「ネトウヨ」は引きこもりの人間であり、「所得の低い者たちだ」との見方は偏見だったのだ。さらに、ネットへの書き込みが多い人ほど安倍首相支持が多かったのである。ネット上での保守的な人たちを差別し揶揄するにあたって、もっとも好んで使われるのが「ネトウヨ」である。しかし、実像はまったく異なる。ここで私が注目するのは、書き込みの多い人をどう見るかである。サヨクが思想的に敗北したことで、日本のネット住民のなかに新しい層が誕生しつつあるのだろう。公文俊平流に言うならばそれは「智民」ということになる。「ネクラ」であり、「裏のエリート」というわけではないようだ。もっとも活動的な人間が読書家であるように、知的にクリエイティブであれば、世の中での居場所を確保するエネルギーに満ちているからだ。引きこもるのではなく、普通の生活を営みながら、ネット上の「智民」として発言する。当然のごとくコモンセンスに裏打ちされているわけで、その人たちが中心になったネット言論は、商業主義に毒されることなく、日本人の声なき声を代弁しているのである。
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