平和ボケした日本では右も左もあまりにもおめでた過ぎる。右の方では米国を頼りにして、核の傘が有効だと勝手に思いこんでいる。フランスのガロア将軍は、戦後の早い段階で、米国の核の傘に疑問を呈した▼佐伯喜一が『日本の安全保障』で述べているように、ガロア将軍は「米ソ間では自国の死活にかかわるところが無分別に攻撃された場合にだけ核兵器を使って交戦することがありうる。他国の防衛を保証するために、みずからの全財産を破壊にさらすことはほとんどない」と断言したのだ。ようやく日本人もその事実を認識するようになった▼左はほとんど思考停止状態である。日本が仕掛けなければ、平和は保てると勝手に信じているのである。それは最悪であるが、私たちは問題にしなくてはならないのは、今は前者である。キッシンジャーも『選択の宣言』において、「核報復力の信憑性を潜在侵略者に確信させること、すなわち核兵器を使ってでも抵抗し報復とするという決心を相手に信じこませることが、困難になってくる」のを問題視したのだ▼だからこそ、フランスは核武装に踏み切ったのである。昭和40年あたりからいわれてきたことだが、これまで日本人は真面目に考えてこなかった。中共や北朝鮮の脅威が深刻になってきており、日本国民の命を守るには、核武装の議論は避けては通れないのである。
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