草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

習近平の侵略の思想を侮ってはならない

2022年11月03日 | 思想家
 今の習近平の中国は一筋縄ではいかない。「超限戦」を公言しているように、何を考えているか、まったく見当が付かない。台湾を侵略するにあたっても、あくまでも国内問題と位置づけ、国家間の戦争という形式にこだわらないとなれば、それは国際法を無視した暴挙がまかり通ることになるのではないか。
 カール・シュミットが『パルチザンの理論』(新田邦夫訳)で述べているような意味で、習近平の考え方の根本には、国際法にのっとった国家間の戦争というよりは、レーニンや毛沢東が先鞭を付けた「絶対的な敵」を抹殺するという思想がある。それを達成するためには、あらゆる手段が正当化されるのである。
 昭和12年の支那事変以降我が国は、泥沼の戦争に巻き込まれたが、それで誰が得をしたかというと、毛沢東の中国共産党である。日本軍と蒋介石の国民党軍が戦うことで、双方が消耗し、その間隙を縫って、自分たちの勢力を拡大させたのである。ある意味では、日本軍も利用されてしまったのだ。
 マルクス主義者の多くは、下部構造としての経済に政治や軍事も依存すると公式論を振りかざすが、レーニンや毛沢東はクラウゼヴィッツの『戦争論』の愛読者であり、どうすれば勝つかを最優先させ、そこに活路を求めたのである。
 迫りくる危機を前にして、私たちは、軍事的に正面装備を整えるばかりではなく、内戦にも備え、思想戦においても対等に渡り合う必要がある。
 シュミットによれば、パルチザンの4つのメルクマークは「非正規性」「遊撃性」「激烈な政治的関与」「土地的性格」である。とくに、シュミットが重視するのは「土地的性格」である。それが抵抗者としての本来のパルチザンの姿であるからだ。
 習近平の侵略の思想は「土地的性格」を失っており、東アジアで覇権を確立するために台湾を呑み込もうとしている。毛沢東の理論で武装した凶暴な国家であることを、私たちは肝に銘じるべきなのである。
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