草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

情勢論ではなく思想家として発言しているのが佐伯啓思だ!

2016年06月12日 | 思想家

今の日本には論壇は存在しないのだろう。月刊誌を手に取ってみても、テレビと一緒でちよっとしたコメント程度の発言で、お茶を濁しているような文章ばかりだ。思想というよりも、執筆者の情報の量の多さと確かさの誇示である。7月に参議院選挙が迫っている。その結果がどうなるかが注目されており、その予測が週刊誌では売り物なのである▼日本が直面している危機を掘り下げた議論は皆無に近い。そんななかで思想家としての発言をしているのが佐伯啓思である。「月刊日本」の二月号に佐伯へのインタビューが掲載されている。佐伯は安倍内閣の一連の外交上の決定を容認しつつも、グローバリズムへ身構えることの必要性を説いていた。競争社会の失敗に世界中が気付きつつあり、日本がそこから脱するための処方箋を示したのである。それを佐伯は「シビックナショナリズム」と名付けているが、自己の利益を重視するのではなく、日本の国柄に即した公共性ということなのだろう。ハンナ・アレントあたりを参考にしているのではないだろうか▼安倍首相が今回のサミットの開催地を伊勢にしたのは、日本の文化を知ってもらいたかったからだろう。国民の幸福を願って日々祈りを捧げておられるのが天皇陛下である。その御心にかなうように生きてきたのが日本民族なのである。その場しのぎの情勢論にとどまるのではなく、佐伯のような思想家としての主張であれば、右左問わず耳を傾けるのだが。

 

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