草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

安保関連法案の課題は政治の切迫性と法秩序との調和だ!

2015年06月05日 | 思想家

やっぱり恐れていたことが起きた。自民党内のいい加減な政治家と、官僚が安倍首相の勇気ある決断に水を差した。衆院憲法審査会が昨日行われたが、与党推薦の参考人が安保関連法案を憲法違反と断じた。憲法学者の全てがそうした考えをもっているわけではないのに、人選を誤った責任は重大である。安倍首相を孤立させることなく、この難局を乗り切るべきだろう。尾高朝雄が『法哲学』で述べているように、「法は、道徳と緊密に牽連していると同時に、政治とも深く結びついている」のである。さらに、尾高は「政治の本体は活動であり、進展であり、変化である。これに対して、法は秩序の安定を主眼とし、歴史の激変を制動することを任務とする。この点のみを取り上げていうならば、政治は社会の動態をあらわし、法は共同生活の静態を代表する」と解説している。今問題になっている日本国憲法も、神聖にして侵すべからざるものではない。「いかにして政治上の対立を調和し、変化しつつも動揺せず、進展しながらも挫折するおそれのない社会生活の安定性を保つか」が大事なのである。日本が現在のように安全保障上の危機に直面し、政治がそれに対処を余儀なくされているなかにあっては、日本国憲法との整合性が求めるのは当然なのである。杓子定規の解釈にこだわって、国民の平和と安全がそこなわれる事態になれば、政治はその役割を放棄したことになる。実定法と呼ばれる法以前に、自然法があり、法を超越する価値理念があるともいわれる。それににのっとれば、神学論争ではなく、何が必要とされているかも見えてくるはずだ。

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