あまりにも政治が酷すぎるので、毎日エキサイトしていると、こちらまで惨めになってしまう。そんなときには、山本周五郎のエッセイの一文を思い出すことにしている。そうでなければ、やりきれなくて、腹が立ってならないからだ。「我々の国では、先祖代々庶民というものは、政治や道徳や経済というものによって庇護されないで、おっしゃる通り、大抵暗い日々を過ごして来なければならなかったし、現在もそうであり、恐らく将来も同じような状態が続くのだと、私も思います」(『山本周五郎・全エッセイ集』)。手紙ををくれた婦人への「お便り有難う」の文章である。まだ戦後という言葉が使われていた時代に、「国を挙げて大きく受けた痛手を一日も早く癒し、誰もがまことの幸福を得なければならないのに、今日はただ己の生きることにしのぎをけずらねばならない暗い日々でござます」としたためられているのに対して、自分の考えを披瀝し、政治や道徳、法律にもかまってもらえない庶民が生きていけるのは、「人間同士のまごころでつながっている、このつながりだ」と述べたのである。どんな逆境にあっても、めげないで生き抜いていく、庶民の力強さに目を向けたのだった。今流行りの絆によって、庶民はいつの世も固く結ばれてきたのである。それだけに、ここで挫けてはならないのであり、負けてたまるかの根性で、民主党政権を倒すために、体ごとぶつかっていくしかないのである。
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