「会津ジャーナル」遠藤勝利取材メモ

遠藤勝利の取材内容を掲載していきます。

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貧困老人、若松市相手に自力救済

2018-01-17 12:23:25 | 疑惑の真相

 [仙台高裁]プライバシー侵害で逆転勝訴

 自治体職員のプライバシー侵害問題が相次ぐなか、会津若松市の81歳の高齢者が同市(室井照平市長)を相手取った民事訴訟で、仙台高裁が市職員によるプライバシー侵害の不法行為を認定し、市に国家賠償法にもとづく慰謝料の支払いを命じていたことが、「会津ジャーナル」への投書で分かった。

 市職員の不法行為認定、慰謝料支払い命じる

 同市を訴えていたのは大塚在住のNさん。市福祉事務所職員がNさんの生活保護に関する文書を開封したままの封筒に入れて、居宅玄関上り口に置き去ったため、長男夫婦に文書の内容を知られ、プライバシーを侵害されたなどとして、仙台高裁に控訴していた。
 Nさんは市を相手取り慰謝料30万円の支払いを求めて地裁会津若松支部に訴訟をおこしたが、同支部は請求を棄却。この判決を不服としてNさんが控訴。平成29年1月27日に控訴審判決があった。
 争点となったのは、市福祉事務所職員の行為が①名誉棄損②プライバシー侵害―を構成するかどうか。
 仙台高裁(小川浩裁判長)は「名誉棄損の成立は認められない」とする一方、「市福祉事務所職員の過失によって(Nさんの)プライバシーを侵害した国賠法上違法な行為である」として原判決を取り消し、Nさんの精神的苦痛に対する慰謝料3万円の賠償を市に命じた。

 私的事柄を公表されない法的利益

 Nさんは長男夫婦宅に間借り生活をしていて、市福祉事務所職員が訪問したときはいずれも不在だった。長男夫婦が帰宅してから玄関上り口に置かれていた封をしていない文書を目にするところとなり、Nさんを一部扶養している長男が、父親が生活保護を不正受給したものと誤解し、親子関係が悪化する原因となった。
 控訴審では、「生活保護を受注しているという事実(他人に知られたくない私的事柄)を公表されない法的利益と、これを公表する理由とを比較衡量し、前者が後者に優越する場合に不法行為が成立すると解される」(最高裁平成6年2月8日判決)との判断基準を示した。
 文書の送達方法については、封筒に宛名書があったとしても、郵便ポストではなく、玄関上り口に封をしていない封筒が置かれているというのは、「通常あまり経験しない事態」であり、Nさん以外の第三者が文書の内容を容易に認識し得ない方法で本人に交付すべき注意義務がある。したがって、その注意義務に違反した過失がある、とした。
 仙台高裁ではプライバシー侵害の逆転判決。弁護士もたてず独力で法廷闘争を展開してきたNさん。物申す貧困老人として自力救済をしたかたちだ。

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公共の安全より業者利益を優先する消防本部

2018-01-14 10:57:54 | 疑惑の真相

 〔都市ガス漏れ引火の住宅火災〕 

        業務上失火の工事業者名は不開示

 老朽化した都市ガス管取り替え工事のガス漏れによる引火が原因で全焼した住宅火災―会津若松地方広域市町村圏整備組合消防本部(眞部文夫消防長)は火災の原因者(工事施工業者)について、「個人に関する情報」として公文書情報不開示の決定をした。
 業務上必要な注意を怠ったことによるガス漏れが原因で発生した住宅火災は刑法の業務上失火に相当する。住民の生命、健康、生活、財産を保護するという公共の安全にかかわる重大な問題が、はたして個人情報として保護の対象になるであろうか。

 報道されない加害者側

 平成28年8月31日午前10時10分ごろ、会津若松市日新町の会社員Aさん方から出火、木造2階建て1棟を全焼した。
  新聞報道によれば、建物内には住民3人が居たが、避難して無事だった。この火災の影響でJR只見線の西若松―七日町駅間の上り線で一時運転を見合わせた。
 火災現場一帯は住宅密集地。Aさん方の前の市道で都市ガス経年管の敷設替え工事が行われていた。
 会津若松消防署の火災調査書によると、電動ピックでコンクリートを掘削中、既設のガス管を損傷させた。その後、損傷個所の修復をするため周辺のコンクリ―トを破砕中、ガス管損傷個所から漏洩した都市ガスに火花が引火し、建物に延焼拡大した。掘削機とコンクリートの衝撃火花が漏れ出した都市ガスに引火し、Aさん方の住宅に燃え移って全焼した火災。Aさん側はまったくの被害者である。
 当時の新聞報道では、都市ガス管の取り替え工事を施工していた、いわば加害者側の業者名は記されていない。
 そこで火元となった工事施工業者名を明らかにするべく会津若松地方広域市町村圏整備組合(室井照平管理者)に、情報公開条例にもとづく公文書開示請求の手続きをとった。

 火災原因業者名は「個人情報」の怪

  情報開示請求の前段として、同消防本部に施工業者(法人)の照会を行ったが、「第三者情報」であるとして一蹴された。
 このため消防法にもとずく火災調査書の開示請求に及んだのだが、これまた「氏名等が個人情報であるため」という理由で、火災の原因者である施工業者名は不開示決定となった。
 火災調査書には、原因の概要は開示しているものの、焼損延べ面積や罹災人員、損害額、失火者詳細等々は黒ベタで塗り潰されていて、一部だけの情報開示である。
 火災発生の原因者(施工業者)の法人名を不開示とした消防本部は、情報公開条例第7条2の「個人に関する情報」をその根拠としている。
 しかし、「個人に関する情報」であっても、法人その他の団体に関する情報については、「人の生命、健康、生活または財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報は除く」との除外規定がある。
 さらには人の生命、生活、財産の保護等、「公共の安全と維持に支障を及ぼすおそれがあると、実施機関(管理者、消防長等)が認める相当の理由がある情報」のほか、「公益上の理由による裁量的開示」(第9条)の条項もある。
 これらの条項の解釈からは火災原因者(法人)を「個人情報」として不開示にする理由は見当たらない。そもそも建設業許可業者の法人は個人ではない。
 公共工事というべき都市ガス管取り替え工事の過失によって発生した住宅火災の原因業者の法人名を公表できない理由と、その事実を公表することによる公益上の利益を秤にかけて、どちらが優越するかは明らかである。
 情報公開条例を杓子定規にしか解釈、運用できない行政。思考停止に陥っているとしか言いようがない。
 見方をかえると、行政側が業者をかばいだてて意図的に隠蔽している、つまり業者と癒着していることを示すものである。

 業務上失火の施工業者は「アクーズ会津」

 ところで、本件都市ガス管取り替え工事を施工していたのはアクーズ会津(熊田広美代表取締役)である。工事発注者は若松ガス(中川勝博代表取締役)。
 若松ガスは市から市道占用許可を受けてガス管取り替え工事を行い、ガス漏れ引火による住宅火災発生後、安全体制見直しのため工期変更を申請している。
 一方、アクーズ会津が建設業許可業者として県知事に提出した工事経歴書には、若松ガスが注文者(発注者)、アクーズ会津が元請けの「日新町・本町都市ガス経年管入替工事」が報告されており、主任技術者をはじめ工事請負い代金、工事期間が記載されている。

 

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