「会津ジャーナル」遠藤勝利取材メモ

遠藤勝利の取材内容を掲載していきます。

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小熊慎司代議士に公選法違反の疑い

2017-09-12 07:21:36 | 疑惑の真相

収支告書に選挙事務所・旧半沢ビルの記載なし

 平成26年12月14日投票の衆議院議員小選挙区福島第4区(会津方部)で2期目の当選を果たした現民進党の小熊慎司代議士の選挙事務所の届け出が会津若松市白虎町になっているのに、公職選挙法にもとづく選挙運動費用収支報告書にはその記載がまったくないことがわかった。小熊氏は維新の党からの立候補だった。

 小熊氏が県選管委に提出した選挙運動費用収支報告書には、「立候補準備の事務所借上料」として磐梯町更科字源橋の(株)ソルカ(鈴木政英代表取締役)に37万4400円の支払いを記載している。備考欄には、その期間が「12月2日~12月14日」となっている。12月14日は投票当日である。

 そして事務所借上料の支払い期日は「平成26年11月27日」となっていて、事務所を使う前に借上料を支払っていたことになる。

 磐梯町源橋のソルカ本社は、会津若松市の中心部から約15キロメートルも離れている。小熊陣営はそのソルカ本社で衆議院選の準備をしていたということであろうか。ちなみに小熊氏の後援会事務所は会津若松市役所本庁舎の東隣り、東栄町のニューパークハイツ1階である。

 小熊氏の県選管委への届け出は、選挙事務所所在地が「会津若松市白虎町116-29」の旧半沢ビル(現白虎ビル)。ところが選挙運動費用収支報告書には、この旧半沢ビルの部屋を借上げたという記載がまったくない。前記の「立候補準備の事務所借上料」の件とあわせなんとも不可思議な収支報告書である。

 平成26年12月の衆議院選で小熊氏が選挙事務所に使ったのは、旧半沢ビル1階であるのは間違いがないのだが、その事務所借上料が記載されていないのは、一体どういうことなのか。

 この旧半沢ビルは当時、(株)アクーズ会津(熊田広美代表取締役)が所有していた。会津若松市千石町に本社があるアクーズ会津は、平成18年12月、若松ガス化学工業(株)から商号変更。旧半沢ビルの土地、建物は平成25年12月3日付で半沢重男氏からアクーズ会津に所有権が移転(売買)、さらに2年後の27年12月3日付でソルカに所有権が移転(売買)している。

 したがって前回の衆議院選における小熊候補が選挙事務所に使ったビルの所有者は設備機器工事業者のアクーズ会津であった。

 では何故、選挙事務所をアクーズ会津から借上げた、と収支報告書に記載しなかったのか。その理由として、①アクーズ会津は当時、会津若松市や同市水道部、福島県、公立大学法人会津大学等の公共工事を数多く受注していて、国政選挙における特定候補者の選挙事務所の所有者として社名を表に出したんでは都合が悪かった。

 ②前回の衆議院選で小熊候補は、引退した渡部恒三代議士の陣営の全面的なバックアップを受けたことで、自民党の菅家一郎候補に競り勝って2期目の当選を果たした。

 この選挙を取り仕切っていたのがソルカの代表取締役鈴木政英氏である。鈴木氏は磐梯町長を5期20年間つとめ、平成28年4月には国から旭日小綬章の叙勲を受けている。磐梯清水平開発(株)の代表取締役でもあり、同町内では隠然たる影響力をもち続けている。

 その鈴木氏とアクーズ会津は以前からつながりが深く、前記の旧半沢ビルの売買の経緯からみて、選挙運動費用収支報告書に旧半沢ビルの選挙事務所借上料を記載しなかったのは、①とあわせ鈴木氏の意向によるものとみられる。

 選挙運動費用収支報告書に実際に使った選挙事務所の借上料が記載されていないのは事実で、収支報告書の内容が虚偽記載なのか、それとも不実記載なのか。いずれにしてもいい加減というか、不透明な収支報告書であることは確かであり、公選法違反の疑いがある。
 なお、小熊候補の出納責任者A氏とは今のところ連絡がとれないため、取材できずにいる。

内堀知事使用も記載せず―会津若松市白虎町の旧半沢ビル

 会津若松市白虎町の旧半沢ビルは内堀雅雄福島県知事も平成26年10月26日投票の県知事選で会津方部の選挙事務所に使っていた。

 しかし、同氏の選挙運動費用収支報告書にはこの事実が記載されておらず、選挙事務所費の項目に「立候補準備」のための「事務所賃料」として、10月4日付で32万4000円を同市上町の「吉原産業(株)」に支払ったという記載だけである。

 県選管委に届け出た内堀候補の選挙事務所の所在地は福島市方木田字水持代。政治団体のオール「ふくしま」復興・県民会議の事務所でもある。

 公選法施行令では、選挙区が広範囲にわたる場合、選挙事務所は2ヵ所設置できることになっているが、収支報告書には何故か会津若松市内における選挙事務所の記載がない。

 内堀候補が旧半沢ビル1階を選挙事務所に使っていたのは衆目の一致するところで、(株)ソルカ代表取締役の鈴木政英氏が会津方部の選挙を取り仕切っていた。

 自民党の運動員だった中年男性は「半沢ビルを使っていた内堀候補の選挙事務所にポスターやビラを取りに出入りしていた」と語る。

 また、旧半沢ビルの近所に住んでいる人は「知事選の直前に半沢ビルの内堀選挙事務所を訪れたら鈴木政英さんがいて、話をしているうちに『このビルは半沢さんのものだろう』と言ったら、鈴木氏が『これはオレのものだ』と真っ青になって怒った」「この時のやりとりは今でも鮮明に覚えている」と証言している。

 当時、旧半沢ビルの所有者が(株)アクーズ会津になっていたことは、あくまでも登記上ということなのであろうか。事実、平成27年12月にはアクーズ会津からソルカに所有権が移転している。

 ところで、内堀候補の「立候補準備 事務所賃料」(10月11日付)としての支払先である吉原産業の本社所在地は上町のセンチュリーホテル内だが、「選挙運動員9名分の宿泊費50,400円」と記載された宿泊先が当のセンチュリーではなく、「会津若松ワシントンホテル」なのである。なんとも理解に苦しむ収支報告書なのだ。


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