池田湖通信

指宿市池田湖から鳥見人の写真エッセイ

146ノスリ

2013年12月26日 | Weblog

小学校高学年当時、学校図書館の図鑑で見たときから名前を間違えて記憶していた。名前には、それなりの意味があると思っていたその意味を理解すると名前を覚えやすいと、だからノのリス、野のリス(野原の栗鼠)で、ノリスと記憶していたのです。だいたい考えてもごらん「ノスリ」て、何のことだ。

20歳の誕生日に、日本野鳥の会に入会した。野鳥の会に入会する前の話ですが、当時、東京で学生生活を送っていたいた、東京は、楽しかった。教師になるつもりで大学に入ったのだが、格闘技が好きで相手を蹴ったり殴ったりする、クラブ活動に入部して夢中になっていた。時々、練習前に皇居を1周するジョギングを部員全員でするのだが、昭和41年頃だが、現在は、皇居周回するジョガーは、引きも切らないらしいのだが、当時も結構走り人がいた。我々は、裸足でときどき大声を出しながら列をなして走っていたが、これが楽しかった。コースの大部分は、皇居の堀を見ながら走るのだが、堀には、季節に応じて様々な生き物がいた。ダイサギが掘の水に浮いているのを見たのは、このときだったと思う。初めて見たときは、おぼれているのか?と、思ったよ。この頃もノリスとだったのだ。

卒業して東京の出版社に就職した。会社は、港区三田にあった。教科書出版だったから入社当時の夢は、子供に真実を伝える教科書を作る。では、無くなんと「東京の居酒屋を制覇する」だった。だから会社は、当時としてはまだ珍しかったけれども完全週休2日だったので、休日は、もちろんウイークデイも17時以降は、ひたすら居酒屋やスナック通いにいそしんでいた。飲み屋から会社へ行くことしばしばと言う状態でありました。

時々、鳥見に行く、時々鳥の本を読む。そんなとき、「ノスリ」を写真付きで見たのだ、名前の由来もあった、野を摺る。野原を摺る、(摺るか?擦るか?明確ではないが)ようするに草原をすれすれに飛ぶ鳥だから、ということ。から名前がついたらしい、と言うことであった。

「目から鱗が落ちる」というけれど、このときも何枚目かの鱗が私の目から落ちた瞬間だった。

この写真は、池田湖を見下ろす集落で写した。馬鹿な政治家(せいじやと読みます)達が作った、「グリーンピア指宿」という施設が以前あったという、そのすぐ下に数件の人家があり、そこに大きな「ごんた柿」の木があって、だれも柿を採らないので柿を食べに野鳥が集まる。2013年年末も押し詰まった日に、鳥見に出かけた。キンカンや桜島こみかんとおぼしきミカンが鈴なりに成っている木があって、小さな畑では、インゲン豆が取り入れの最中で、おばさんが一人でインゲンをちぎっていた。「あのミカンは、桜島こみかんですか」と私がおばあさんに問うと、「他人の畑だから何というミカンかわからん」と素っ気ない答えがあった。

近くでメジロの声がするが、柿には、何もやってこない、そんな時間が暫くあった後、50メートル離れた杉の梢に鳥が止まった。

ハシブトか?と一瞬思ったが、もう一度見直すと、猛禽だ、(猛禽は、気持ちがわくわくする。幾つになっても)ノスリだった。ここは、池田湖からの上昇気流に乗って飛ぶ、トビをはじめとする猛禽が良く見える場所なんです。ほぼ逆行だったけれど、写真を撮した。飛び立つときだめだろうと思いながらパチリと撮したのがこの一枚であります。ぼけたけれども。