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西日本豪雨後の明暗

2018-07-26 11:40:18 | 社会・経済
昨日一人暮らしの母君の様子をみに実家に戻った義弟に会った。馴染みのカフェが定休日だったので、かつて通った肱川沿いの喫茶店で昼食を兼ねてモーニングサービスのコーヒーを頂き延々と話を続けた。コーヒーが意外に美味しかった。たまには河岸を変えた方が良さそうだ。名物の鵜飼の船着き場付近の肱川は異常に砂利が積み上がり、再開に向けてショベルカーで掘り返していた。

話題は自然と西日本豪雨災害後の復旧状況に向かった。彼の情報によれば電気機器販売のヤマダが撤退するという。一方、浸水を免れたK′s電気にお客が集中していると聞いている。大型フランチャイズ店のヤマダの撤退はショッキングだったが、近年整理縮小の動きのあった同社にとっては良いきっかけになったと二人の意見が一致した。個人経営のお店などの撤退はやむを得ないとして、大手フランチャイズ店の撤退の動きが続くと田舎町の衰退に繋がる。心配だ。

日常生活に最も影響のある食品スーパーの復旧は難航していると聞いていたが、一方でスーパーフジにお客が集中し受けに入っているという。義弟によると機会に乗じて値段を上げているという。地域の中心的存在のAコープは建て直す計画だという。復旧は長丁場になりそうだ。

一昨日会った隣家の主人によると田んぼの稲は大丈夫だったという。彼は本格的な農業を展開する一方で、新興商店街の地主でもある。彼の別宅は洪水で避難勧告を受け現在は避難生活中、その経緯がNHKニュースで全国に報じられた。会った日はトラクターに乗り引き上げる途中だったが、話に熱が入りエンジンを切って長々と話し込んだ。その間、高速道路沿いの田舎道は誰も通らなかった。

一通り避難生活の話を聞いた後、話題は彼の自慢のお米に移った。彼は独自の稲の育て方をしてどこにも負けない美味しいコメだと強調した。しかし、収量が2-3割減るので安価に仕入れて利益を出そうとする農協とは方向が違う。農家の為ではなく農協が儲ける為にしか動かないと厳しい意見を聞かされた。とはいうものの、彼のやり方に合った販売ルートを知らず苦労していた。収量が少ないので大手と取引も出来ない、私はネット販売を進めたが彼はそういう知識は無かった。

その後東京のIT業界で仕事をしている息子に聞くと、SNS で特徴のあるお米を拡散したらどうか、友人に紹介してもいいと言ってくれた。私はそのお米がどの程度美味しいのか食べたことが無いので、先ずは試食して自信をもって知り合いに勧められるか確かめようということにした。この老農夫は自分が動けるのは後10年、賛同する若手が一人で来たのでこれを広げて行きたいという。新しい米作りがこんな田舎で生まれるなら悪くない、少しでも役に立ちたい。

安倍首相からタレントまで被災地を訪問する有名人が報じられている。災害でもない限り彼等がこんな田舎に来ることもない。ローカルニュースには出てこない大洲市の天候が、全国ニュースでは伝えられるという逆転現象がまだ続いている。まあ、これも「明」ということにしておこう。■

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