かぶれの世界(新)

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天邪鬼・オリンピック考

2012-08-05 18:51:22 | スポーツ

天邪鬼で理屈っぽい皮肉屋の私が、例によって日本列島が熱狂するオリンピックにチョット違うと能書きを垂れたい。そういいながら私もテレビ中毒になっているのだが。

テレビの全チャンネルがオリンピック中継の異常

連日の日本選手の活躍で、自然とテレビの視聴時間が増えた。NHKのニュース番組までが連日トップでオリンピックの結果を伝えるのは、日本人は大のオリンピック好きの反映であろう。民放も含めると1日中どこかでオリンピック関係のニュースが流れているように感じる。

米国に住んだ時彼等もスポーツやお祭りが大好きだと思ったが、オリンピック中継をやっているテレビチャネルは1つだけだった。しかも自国の選手の活躍だけ、日本選手のニュースは自国選手の活躍が少ないカナダの放送を見た。民主党が分裂し再び消費税政局が緊迫している状況をキチンと時間をかけて丁寧に伝える局が全然ないのは日本のマスコミとは対照的と感じる。

俄かスポーツファン、実は無垢な愛国者!?

テレビ中継を見て日本人選手が頑張る姿が多くの人の心を捉えているようだ。ケチをつける積りは一切ないのだが、彼らの熱狂的な応援はスポーツファンとは別物のように感じる。全力を尽くして世界と戦う日本人を応援したいのだ。愛国心と置き換えても良い。しかもそれはオリンピックでなければならないようだ。

必死で頑張る姿を見て国民は満足する。それまで誰も注目しなかったカーリング娘が意外な活躍をすると全国的にカーリングファンが増え、選手のプライベートまで全国に知られることになった。誰からも省みられることのなかった女子サッカーのファンが急増、国内リーグの試合に観客が二桁も増え、テレビ中継までされるようになった。

オリンピック・サッカーはW杯の前哨戦

私にもそういう気持ちがあるが、ニュースを見て良かったと思う程度だ。私は筋金入りのサッカーファンだが、オリンピックは世界最強のサッカーチームを決める場でない事は理解している。2年後にブラジルで開催されるワールド杯が世界最高峰でその前哨戦という位置づけだ。

それでも、サッカーは世界で最も人気のあるメジャースポーツで、そこで勝つことの意味は凄いことで私の愛国心も満たされる。初戦のスペイン戦ではハラハラ・ドキドキの連続、昨日のエジプト戦もキックオフからノーサイドまで90分間テレビに張り付いた。快心の勝利に嬉しくなった。

米国での経験、最高を求めるファン気質

彼等は性別を越え最高レベルを求める。まるで究極の品質を追求する日本メーカーのように。米国では長く世界トップレベルにあった女子のプロ・バスケットボールも意外に人気が続かなかった。観客は世界最高のバスケットボールを見て満足するのであり、女子リーグは二流のマガイモノとみなされプロリ-グは失速した。女子サッカーも同じ運命を辿りそうだ。

今回のオリンピックでサッカーが国技の英国は、U23サッカーに対して思いの外クールと聞いている。昨日、英国が韓国に敗れ柔道に負けた日本のような反応を予想したが、英国内の報道は大げさに嘆き悲しむようなものは見かけなかった。たかがU23サッカーの勝ち負けであり、最高峰のサッカーはプレミアリーグとは違うという訳だ。

日本の愛国的応援も実は一過性、ソフトボールの悲惨

ファン気質が世界最高レベルのスポーツの戦いを求めるか、或いはオラガチームを応援する気持ちの両方があって、私は前者の比重が高いかという程度のことだ。それは国によって違うし、個人によっても違う。それを「ガタガタ言うな!」と言われれば、首をすくめるしかない。

だが、シドニー・オリンピックで優勝し一時はマスコミの寵児になった女子ソフトボールが、先月42年ぶりに世界一になったのに日本マスコミの冷たい扱いは気の毒だった。「オリンピック種目にあらずんばスポーツにあらず」という姿勢は、私に言わせれば「真のスポーツ報道にあらず」だ。

絶対に勝たなければならない理由

ロンドン大会では柔道やフェンシング等で誤審騒ぎ、バドミントンでは無気力試合で中韓などの4チームが追放される事件が起こった。決勝トーナメントで有利な組み合わせを狙ったのが無気力試合と見做された為という。私は失格になった選手が可哀想だと思った。多分、彼等はメダルと名誉を失っただけではなく、一生を棒にふって日陰で生きて行くことになるだろう。

彼等はルール違反を犯したわけではなかった。ドーピングをやった訳ではないが同じ様な扱いを受けた。最終的に勝つ為の戦術として目の前の試合に負けた。今回男女サッカーでも決勝トーナメントにどう進むと有利か、類似の議論をコメンテーターが得々と語っていたのを見た。野球のWBCでも同様の話を聞いたことがある。彼らに批判する資格はない。

だが、選手達は余りにもナイーブでやる気のない試合態度は見るに耐えなかった、プロらしい上手い負け方があったと思う。私の推測では、中韓イの選手は絶対に勝ちたい理由があった、それは勝つか負けるかで彼等の一生が決定的に変わる制度が背景にあったと思う。更に目線を上げると、勝利至上主義がスポーツマンシップを汚したのは商業化が始まった時まで遡る。■

コメント
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