かぶれの世界(新)

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台風被害の実地検分

2004-12-08 21:26:19 | ニュース
今月6日に半年振りに愛媛県大洲市の田舎に帰った。松山空港に降り立った時から暖かかったが、伊予大洲駅に着くと一層暖かく感じた。数日前に東京が夏日になったように、今年は異様に暖かい。駅からタクシーに乗り最初の情報収集を始めた。

今年は台風が連続して上陸し故郷の大洲市の被害状況が二度もNHKで放送された。こんなことは記憶に無い。弘法大師が橋の下で一夜を過ごしたという伝説の十夜ヶ橋付近は床上浸水があり、どの店も相当被害があったという。この近辺は新興の商店街で大型の専門店やスーパー、ドラッグストア、シネコン、自動車販売ディーラ、大型パチンコ店等が立ち並び更に商圏の拡大を続け近隣の顧客を吸引している。ある電気専門店は賢明にもこの日を想定して1階を駐車場にしていたので被害を免れたが、殆どの店は床上か床下浸水の被害を受けたらしい。

この近辺で最大の会社である松下寿電気はこの前の水害の時にも被害を受けた為、工場の周りにごついセメント塀を作り今回被害を最小限にすることが出来たという。余談になるが、運転手さんは公表されていないけれど一本松の工場閉鎖に続き、1,2年のうちにリストラで閉鎖されるのは決定的であるという。こんな小さい町で失業者が一挙に増えて大変だろうと聞くと、既に正社員は800人程度に減らしているので天地がひっくり返る事にはならないだろうと言う。来年からは市町村合併が施行され新市制となるが、この税収減は厳しいだろう言うことで一致した。

今回起こった洪水は過去のものとはいささか様子が違うようである。かつて氾濫が起こった肱川とその支流の矢落川の堤防が強化され決壊しなかったが、逆流を防ぐ為その他の支流の水門は閉じられた。これら支流の水源の保水力が土砂崩れ防止工事などにより低下し、さらに相次ぐ台風により山林の水分保持力が飽和していた為、降雨がそのまま一挙に下流に流れ、水門が閉じられていた為洪水になったらしい。確かに山に接する我が家の周りの小川も全てコンクリートが打たれ雨が降るとあっという間に下流に流れていく。市の全地域がそういう環境になっており、短時間に効率よく雨水を川に流し込むシステムになっていると考えられる。

翌日母と裏山に登り倒れた木の状態を調べに行った。母は山に入るときは何があるかわからないから必ず鎌を持って山に入れとの父の教えを守って私にも鎌を持たせた。取り付きは20-30年前に植えた檜で私の所有ではなく倒木も無いが、少し急坂を上がっていくとやがて間伐されてやや明るくなった樹齢80年程度の檜の林になり、根元から倒れた木が見られるようになった。谷沿いの道を挟んで我が家の斜面と、別の所有者の斜面があり、差別なく両方の木が倒れている。例外なく根元から倒れており、その多くは根が50cm以下で浅く地表に沿って根が円形に開いているようにみえる。普段から湿度が高く根を深く張らなくとも栄養分の吸収に困らなかったということだろう。ワシントン州オリンピック公園の風で倒れた大木を思い出した。殆どは樹齢80年程度だが、樹齢120程度と思われるやや大きめの檜が数本倒れており、根が岩を抱えて1m以上深いものもあった。母によると樹齢が進むと木の大きさは余り変わらなくなるという。

更に観察を続けると、1本だけ倒れるのでなく斜面に沿って縦に並んで7、8本が纏まって直滑降するように倒れている。気のせいか木が倒れた辺りが若干窪んでいる様にも見え、雨が谷に流れ落ちるルートになって小規模の土砂崩れが起こったようである。谷の両側の斜面の木が同じように谷に向かって倒れている。どうも風ではなく地盤の緩みが原因で倒れたと結論付けてよいだろう。倒木は30本以下で母は間伐したと思えばいいと言い、当面なにもせず、森林組合の助言を待って対処を決めようという結論となった。 

次に隣の山に行き被害状況を見た。此方は樹齢30‐35年程度で、子供の頃植林しているのを見た記憶がある。 我が家の地権にあたる部分は5-6本が裏山と同じモードで根元から倒れた他に被害は殆ど無かった。しかしそこから100m位下って畑や住宅地に隣接した山林は様子が全く違っていた。木の半数は倒れているように見え、大きな被害を受けていた。幅100m、高さ30m程度の狭い山林で、樹齢40年程度だが場所のせいか良く育った木がなぎ倒されている感じである。隣接する住宅の金網塀が大きく捻じ曲がったままになっており、倒木があった痕が残っていた。住人は、その夜強風と凄まじい木の音で怖くて眠れなかったそうである。木の倒れ方が裏山とは明らかに違い、斜面に沿って水平方向に倒れている。地形に関係して流体力学的に非常に強い風が吹いた結果、全ての木が同じ方向に倒れたようである。大雨で地盤は緩んでいたが、山というより低い丘程度で上から流れ落ちる水量が一次原因ではなかったと思われる。

母によると近所のお年寄りも台風による田畑や家屋の大きな被害は何度も経験しているが、山林にこれだけ被害が出た経験は無いという。水害原因については多少人災的な要素があるように思うが、山林被害の原因は歴史的な数の台風日本上陸以外思いつかない。機会があれば倒木の処分を兼ねて森林組合に聞いてみようと思う。


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