ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

ウィキペディア革命

2011年02月18日 | 研究・書籍

ネットの世界で、驚くほど成長を遂げているITシーンの一角が、フリーの百科事典「ウィキペディア」の存在でしょう。

著者ピエール・アスリーヌは1953年生まれのフランス人ジャーナリスト。ウィキペディアの出現で、動揺する教育現場、ウィキペディアの裏側、賢い利用法などを本書『ウィキペディア革命』の中でまとめています。
ウィキペディアの誕生は、21世紀に入った2001年1月。2008年現在で、エスペラント語も含む250以上の言語、750万項目を有し、今や世界最大の百科事典、検索サイトとしては第9位。

学生が論文をまとめる作業も格段の変化でしょう。ウィキペディアを活用すればかなりの情報ソースを得られます。それも一瞬にして、しかも無料。ただ学生を「コピー&ペースト」信者に仕立ててはまずい。ウィキペディアには悪質な荒らし行為にもさらされているだけに鵜呑みは禁物。米国の大学で、課題の回答参考にウィキペディアの利用を禁止したところもあるというのもわからないではありません。もっともウィキペディアに限らず、これまでの紙の百科事典でも批判的に読むという姿勢は、今に始まったことではありません。教科書でさえ時代の変化で書き換えられる、つまり「偏向」は別の視点をもってすればいずれは改定されるほど流動的なもの。論文に求められるものが単なる情報量だけでなく、それを元にした構成力、創造力といった考える力にますます比重が置かれてくるでしょう。

私がウィキペディアのアカウントを登録して3年になります。ペーパードライバーのウィキペディアンで、ほとんど書き込みはしていませんがウィキペディアの弱点を懸念するより、「積極的に投稿することが、これからのウィキペディア発展の是正策」との著者の言葉に同感です。

 

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ウィキペディア革命―そこで何が起きているのか?
ピエール アスリーヌ,フロランス オクリ,ベアトリス ロマン=アマ,デルフィーヌ スーラ,ピエール グルデン
岩波書店
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