伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

日曜のNHK日曜討論より 原子力規制庁の設置法案&原子力安全委員会の明日はどっちだ?

2012-05-07 21:59:51 | 国会劇場

5/6のNHK日曜討論より 与野党の国対委員長間の討論がありました。


●新たな原子力規制庁の設置法案について。
 
 記者)自公案はより独立性の高い3条委員会を設けるという案。
 
 どう進めていきますか?
 
・民主党城島国対委員長:当初は4月1日発足を想定、接点を探りたい遅くとも5月中には成立を期したい。
・自民:自民・公明の対案を提出、議論を進める環境整備(二大臣問題)を与党側に求める。
・公明:早くやらないと再稼働の問題にならない、重要法案と位置づけ。首相の日程がほとんど取れないので、22日の本会議が最速の審議入り、本当に今国会会期(6月21日まで)で通るかどうか。
・みんな:新しい行政組織についても提言を行う使命を持った国会事故調の提言、調査を待たずに法制化、急がば回れで、事故調終わって提言を受けてからしっかりしたものを作るべき。委員が顧問料もらっていたなど民主党政権には任せられない。
・共産:こんなことで再稼働許されない。政府からの独立が大事、人材入れ替え必要、看板の付け替えではだめ、抜本的に体制を変えることを。
・国民新:私も野党案の3条委員会ではどうか。稼働の是非については、条件悪いもの、40年以上は廃炉に。地元合意大切、規制庁は透明性大切。
・社民:原発全停止は脱原発社会への出発点。いかにも規制庁設置遅い。環境省も推進官庁、3条委員会へ。
・たちあがれ:自公案を軸に進めるべき。安全保障面を大事に、テロ災害も含めた原子力規制委員会3条委員会を。できるだけ早く折衝して。
 
 記者)自公に、修正協議は?
 
・自民:独立性の部分が違う。自公案が妥当、自公案を軸に。
・公明:うまくいくんじゃないかな。
 
 記者)民主に、丸呑みとは言いませんが、丸呑み受け入れることがポイントでは?
 
・民主: 実務者協議担当に、まとめる方向で要請。現場レベルの協議は進んで、残る点は2,3点、後は政治判断。
 私は5月中の成立を目指して急ぎたい。

 
ということでした。
 
・5/23に首相の臨席で本会議で審議開始、
・与党は5月中の成立を目指し
・野党は野党案を軸に、良いものを目指しじっくりと時間を掛けて審議。
というストーリーになり、公債法案と並んで、どうやら政局の人質とされそうな状況ともいえます。
 
 与党案を衆院で強行採決したとしても、野党の多い参議院では成立が不可能となることから、野党案の中からどこまでを官僚が飲めるように骨抜きができるのか、という点に関して、修正協議が行われていく、ということでしょう。
 
 早めに通った場合、官僚が負けて野党案的な組織になるとは考えにくいので、原発の再稼働優先で野党が原則を妥協して与党案に近いものになる場合でしょう。そのような圧力が果たしてあるかどうか??は疑問です。
 
ということで、早期には成立せず、遅れると思いますが、そうなればやはり組織の独立性が焦点となってきます。
 
 一方本当に遅れて延長国会にずれ込んでいけば、7月頃と目される国会事故調のかなり辛辣な報告がちょうど議論に間に合うことになり、野党案がそのままで通過するという、官僚側が一番避けたいシナリオとなると考えられますから、まあそうならないよう、官僚側も妥協して、6月下旬のすこし前に通るタイミングというのが、一番ありそうな時期かと思います。
 
 
●従来の原子力安全委員会のダブルチェックはどうなった?

 そうなると伊方の再稼働については、後は、原子力安全委員会がその時期まで審議を先延ばししているのかどうか、を見ておく必要があることになります。
 
 まともな頭で考えるなら、折角新たな規制庁を作るのだから、そのできる規制庁にストレステストの審査を任せることの方が、少しでも審査の正統性を上げることになるので、そもそも信頼を失ったと充分承知の原子力安全委員会(斑目委員長)はものを分かった上で審査に入るのを控えていると見るべきですが・・・。
 
 中村愛媛県知事は、その斑目委員長に、早く審査をするべきだ、とすでに記者会見で言っているわけですから、この状況が見えておらず衣の下から鎧が見えている運転再開確信犯である、と見なすべきでしょう。分かりやすすぎるところが玉にキズかと。
 
 民主党政権は、斑目委員長に影響力を発揮してストレステストの審議をさせないようにするでしょうか?
 
 あるいは、愛媛県の自民の金城湯池の県議団たちが、火中の栗を拾って、運転再開の責任を負ってくれるから、愛媛「でだけ」は運転再開が可能だ、と見なしてなし崩し再稼働を進めるでしょうか?
 
 どうやら、大飯原発ともども、伊方原発の再稼働の問題は、野田政権の政局と深く関わる話になってきたようです。民主党はこのまま集団自殺をするのでしょうか?。それともスタビライザーの機能が働き出すでしょうか?
 
 夏までの本当の争点とは、脱原発依存の道筋を定める、原発エネルギー政策のところだったはずですが、そこまで到達しないうちに、民主党政権の倒れる姿を見ることになるのかなあ。
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2 コメント

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さすがに民主党県連代表も (伊方No Plu田丸)
2012-05-14 13:18:46
伊方原発:3号機の安全性審査、「原子力規制庁で」 民主県連、白石代表が見解 /愛媛
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20120513ddlk38040329000c.html
という記事が出てきました。さすがに民主党県連代表もダメダメじゃあない、ありそうなことです。
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NHKの解説でも同様の解説が。 (伊方No Plu田丸)
2012-05-14 22:26:46
「ここに注目!原発ゼロで再稼働は?」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/119575.html

”Q:ほかの原発の再稼働はどう?
A:さらにめどが立たない。
というのも再稼働の前提となるストレステストの結果が提出されたのは19基、保安院の審査が終わったのは大飯のほかは伊方原発だけ。
しかも伊方原発(に)ついては、原子力安全委員会が全く審査を行わず、お墨付きを出さないため、政府は再稼働の要請はできない。
 
Q:どういうこと?
A:班目委員長は「あらたにできる原子力規制庁で審査すべき」だと。国民の信頼を失った安全委員会による審査では再稼働への理解は得られないと考えている。
 原子力規制庁の早期設置は、大飯原発の地元からも要求が出ていたが、野党との意見対立もありいまだに設置法案の審議が始まっていない。
原発ゼロは、こうした声に政府がきちんと対応してこなかった結果とも言える。”
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