いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

高杉晋作と攘夷:今のニッポンは・・・続き3

2009-11-23 18:48:34 | 日記


 明治維新は、民衆の市民革命によって始まり成就した。これは領民の圧倒的な支持なくしてはあり得なかった。しかし、彼ら領民たちの功績は、その後の権力者によって掻き消され評価されることはなかった。明治新政府は長州の領民が抱いた夢と異なるものだったに違いない。その後『攘夷』は軍国主義へと変質し、大正、昭和へと引き継がれた。

 少々大袈裟だが、マルクスやレーニンの求めた共産主義も、所詮、高杉晋作らが求めた尊皇攘夷も、「革命が成就すれば、誰かが統治しなければならない」という点で似たり寄ったりである。そのとき権力を握ったものが、自分たちの都合のよいように、権力を行使するだけのことである。
 権力者は自分たちの体制を維持するために、異分子を徹底的に排除する。旧ソ連のスターリンの圧政をみればよくわかるし、日本の軍国主義も同様だった。

 この世の中に理想的な政治体制などありえなない。
 日本は第二次大戦で負けて64年、高杉らが唱えた「攘夷」は今どこに行ったのだろう? 戦後の日本は、掌(てのひら)をかえすように、夷狄(いてき)に頭(こうべ)」をたれ、恥の文化を捨て、GHQの巧妙な策略に乗せられた。そして、戦後営々として築いてきた終身雇用制や年功序列は崩壊した。小泉元首相は、形だけは靖国の英霊を敬う姿勢を示しながら、アメリカニズムの掌の上で踊らされた。

 バブル後は米国流のグローバリゼーションと市場原理主義の荒波に翻弄され、怪しげなグローバル・スタンダードにのせられて規制緩和した揚句、1700万人を超える非正規労働者が巷に溢れている。まるで、ご主人さまの言いなりに、しどけなくブラジャーをさげ、パンツをさげて寒空の路頭に投げ出されてなす術もなく手を拱(こまぬ)いているようなものである。

 人権を尊重する社会と言いながら、毎年、3万人を超える自殺者を出している、ここ11年間で自殺者は35万7千人を超えている。これだけの自殺者を出す国(社会)が人権を尊重する社会と言えるのだろうか。1700万人を超える非正規労働者は、失業予備群であり、完全失業者が今年10月まで12ヶ月連続して増加し、今年の派遣村は昨年末よりも90万人増と報道されている。

  「竜馬がゆく」や(「翔ぶが如く」、「坂の上の雲」など明治のロマンを描きつづけた司馬遼太郎は昭和の時代を、「この国のかたち」のなかで、昭和の軍部の横暴(統帥権を盾にした軍部)と暴発を厳しく批判しています。そして彼は、「昭和の初年から太平洋戦争終了までの日本は、長い歴史のなかで、過去とは不連続な異端の時代」だと言っています
 しかし、平成の時代こそ、夷狄に屈した異端の時代といわねばならない。為政者たちは、そういう認識が極めて希薄である。

 今の時代は、少しだけ幸いなことと言えば、選挙によって政治家を選ぶことができることくらいである。自公政権が倒れたのも、民衆の怒りの現われだろう。しかし新たな政権が、夷狄に屈せず真に国民のためになる政治を行うかどうか極めて疑問である。
 今後は民衆が政治家のお仕着せの洋服、つまり彼らのマニフェストを着用するのではなく、民がつくった洋服(マニフェスト)を着用させて彼らが行動する時代が来ないものかと思うが、夢?幻?

蛇足:
終身雇用制と年功序列については、本ブログ7月6日の日記『非正規労働をなくしたい、安定した社会を取り戻したい・・・今度は国民が自公を捨てる番だ』を参照ください。

http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/d/20090706

 



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1 コメント

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林業と為替レート・・・ (kenkensya)
2009-11-24 14:20:26
「林業再生」という掛け声は結構なものだと思うが、現在のような為替レートでこれを実行すれば、必ず「輸入米偽装横流し事件」と類似のことが木材についても生じる。あらゆる施策の前に1ドル=160円前後、すなわち今の為替の倍のレートが基礎となるのを忘れてもらっては困る。
ポートフォリオアプローチから考えてみれば現在の異常な円高は明らかに円の供給量が不足していることに拠るのではないだろうか。
では如何ほど円を刷ったらよかろうか?これも相場物であるからkenkensyaの公式が当て嵌まる。Y=0.45X自乗である。この珍説で計算してみると円の供給量を15%増やせば為替は凡そ2倍の1ドル=160円になるはずだ。やる気になれば造作もないことだろう。
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