“石川 遼ちゃん”、“ちゃん”でよいのか少々迷うけどいいんだと思う。
“遼ちゃん”は、“石川 遼ちゃん”であらねばならない。
この2年、どうした遼ちゃんとみんな思っていたんじゃないかな。
彼も人の子、ふつうの子なんだと思った時もあったけど、
それじゃいけない、と思っていた。
太平洋マスターズゴルフで優勝した。ヤッホー。
優勝の瞬間はおさえられなかったが、
あの名物の18ホールで、彼は自分のボールを観客席に3つ、4つと投げる。
明るい笑顔だったが、
スコアカード提出に向かうところで、泣いた。
表彰式では、あの笑顔に戻っていた。
インタビューが待たれる。
この2年間、つらくはなかったかの質問に、「つらくなかったですよ」と
軽く受け流す。
つらかった遼ちゃんは、ここでは笑顔だった。
復活ですね、の質問には、
ことし残る3戦(なのか)で、もう1度優勝できたら復活だと思うと
遼ちゃんは答える。
ここでは、涙はなかった。
が、民放のカメラはここまで迫っていました。
“石川 遼ちゃん”は、かなり前からふつうの“石川 遼ちゃん”ではなくなっていた、
と思うのです。
遼ちゃんは、ある領域の“時代の星”になっていたのでありますね。
ある領域とはどこいらへんかと云うと、
若者の領域はもちろんであって、わたくしの云い方では“ハッピーの領域”とでも
いうところでしょうか。