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安の成り立ち

2021年10月26日 | ことば遊び
「女」を含む漢字がたくさんある中に、よく知られた字で、なぜ「女」があるのだろうと疑問に思う漢字に「安」がある。
 神の前にひざまずく女性の姿が「女」で、この「安」もやはり同じ意味を含んだ漢字だった。

「安」の「宀」は建物の屋根のことで、この場合、祖先の霊を祭る廟(みたまや)の屋根を表す。「安」はその廟の中で女の人が座っている姿。
 つまり、新しく嫁いできた女性が嫁ぎ先の廟にお参りし、その家の先祖の霊から自分の安泰を求める儀礼をしているのが「安」。
 古代文字を見ると女性の下に短い斜線があるのは新妻安泰の儀式の際に加えられた霊力ある衣のこと。この衣を通して、その家の先祖の霊が新妻に乗り移り、家人として認められて安らかな気持ちになる。そこから「やすらか」の意味になった。

「按摩(あんま)」の「按」という字は「安」に「扌」(手)を加えた文字。
これは新妻を手で押さえて落ち着かせている姿なのだとか。その際に手で押さえるので「おさえる、しらべる」になった。
 
 「宴(えん)を見ると「安」の「宀」と「女」の間に「日」を加えている。
この「日」は月日の「日」ではなく、廟の中の女性に加えられた霊力ある玉のこと。この玉を加えることによって、その人の中にある精気を盛んにし、豊かにすることを魂振(たまふ)りという。
 廟の中で魂振りの儀礼をする女性の姿が「宴」で、そこから「やすらかにする」「たのしむ」の意味が生まれた。
 今の酒宴の意味での使用は後世のこと。

 ついでに覚えておくといいのが「晏(あん)。この「晏」は「宴」と同じ文字構成になっている。
今度は「日」が「安」の上にのっている字形。この「日」も魂振りの玉。その玉で魂振りして女性の安泰を願う儀式。そこから「やすらか」の意味となった。

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2 コメント

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(いわどの山荘主人) さん へ (iina)
2021-10-26 09:14:57
霜降に、つい最近まで暑かった季節もうつろっているのを知らされます。

ka-ma-kunさんのマクロ撮影に目を見張ったのですが、蜘蛛も絵になりますね。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/f5fb284bea2587dba625881bfedd8e06

   (いわどの山荘主人)さんのブログアドレスをコメント上に置きました。
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おはようございます! (いわどの山荘主人)
2021-10-26 06:50:44
勉強になりました!
女の変化ですかね!
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