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「善」の成り立ち

2019年01月06日 | ことば遊び
「善」という漢字、「義」という漢字、「美」という漢字。これらにみな「羊」の字形が入っている。

 「最善」「正義」「優美」などの熟語を並べてみると、「羊」を含んだ漢字には特別な価値観が潜んでいそうに思える。
 それは羊が神への生けにえとして最高のものであり、古代中国ではこの羊を神に捧げ争い事を裁く「羊神判」というものが行われるほどの動物だったからなのです。
 それゆえに「羊」の字形を含んだ漢字はたくさんある。
 その羊神判の様子をそのまま表している漢字が「善」。この「善」の元の字形「譱」は、「羊」をはさんで左右に「言」の文字が並んでいる。
 これは争い事の当事者である原告と被告の双方が「羊」を神の前に差し出して、それぞれの主張を述べている文字なのです。
 このように行われる羊神判で、神の意思にかなうことが「善」となり「ただしい」「よい」の意味となった。

 この羊神判の際には、原告・被告の主張する言葉を詳しく調べた。そこから生まれた漢字が「詳(しょう)で、「くわしい」の意味となった。

 また、「祥(しょう)という字は、その羊神判の吉凶の予兆のこと。
 「さいわい」など、よい吉祥の意味で使われることが多いが、わるい妖祥(ようしょう)の意味にも使われた。

 次は、羊の字形を含んでないが、羊神判関係の文字に「慶(けい)がある。これは「(たい)」という字に「心」を加えた文字。
 「」は羊に似た伝説上の動物。悪者に触れて、悪いことを正す力があったという。このを神の前に差し出して神判を受け、勝訴した者は「心」の字形の文身(入れ墨)を加えて、慶(よろこ)んだので「よろこび」の意味となった。

    

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4 コメント

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お早うございます (延岡の山歩人K)
2019-01-06 07:12:07
「善」の成り立ち
羊が関係しているとは・・
考えもしませんでした
いつもの事ですが
解説を伺って
な~るほど とおもいました。
(延岡の山歩人K) さん へ (iina)
2019-01-06 08:14:38
牛にひかれて善光寺」といいますが、「善」に「羊」の字形があるのですから本当は羊だったのですねぇ~

善を急ぐなら牛より羊が早そうです。



 (iwadonosansou2 いわどの山荘主人)
2019-01-07 11:21:53
延岡の山歩人kさんへのコメント、洒落がきいておもしろいですね。
やり取りを楽しみにしております。
(iwadonosansou2 いわどの山荘主人) (iina)
2019-01-08 07:32:42
おいしそうな七草粥です。^^

おかゆは、例えばカニ料理を食べた後の鍋で作ってたべたりしますから、会社の鍋奉行に教わった作り方でやっています。
ちなみに、これは世間でいう雑炊でした。

お粥を食べたくなりました。

   山荘主人さんの当該ブログ記事のアドレスをコメント上の(iina)URLに置きました。

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