さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 アブシンベル小神殿

2010年12月03日 | 海外旅行
アブ・シンベル大神殿の北100mの位置には、アブ・シンベル小神殿があります。王妃ネフェルタリとハトホル女神に捧げられた神殿で、小神殿という名前にもかかわらず、大神殿に負けないスケールを持っています。

正面には、高さ10mの、ラメセス2世と、二枚の羽と二つの角が付いた太陽円盤を頭に載せたネフェルタリ王妃の像が並んでいます。



右側から像の拡大です。



ネフェルタリとは、古代エジプト語で、「最も美しい女性(ムト女神に愛されたもの)」という意味します。王と同じ大きさで現されており、これは極めて稀なものであって、王妃への愛情がうかがわれます。



エジプトにおける王の像は、王の力強さとか威厳を示す姿勢として、左足を前に出して立つというのが一般的なポーズになっています。









神殿の内部は、撮影禁止のため、現地で購入したガイドブックよりの画像になります。

小神殿は、入り口から列柱室、前室、至聖所と続いています。



列柱室の柱は、神々のレリーフが描かれ、中央に向いた面には、ハトホル女神の顔が飾られています。



ネフェルタリ王妃のための神殿ですが、ここにもラメセス2世の武勇伝が描かれています。

アジア人の捕虜をこん棒で打ちすえているラメセス2世。左手に立つのは、ネフェルタリ王妃で、右にはホルス神が立って、勝利の短剣を手渡しています。



左はハトホル女神で、右のネフェルタリ王妃は、二つのシストルムを振って神をたたえています。

シストルムは、ハトホル女神崇拝の祭儀で用いられた楽器で、棒の先に取り付けられた金属小片が音を出すようです。日本の巫女が持つ、巫女鈴と似た感じがしますね。



ラメセス2世が、隼の頭をした太陽神ラー・ホルアクティに、二つのワイン壺を捧げています。



列柱室の柱には、それぞれ美しい絵が描かれています。

ネフェルタリ王妃が、左手でパピルスを持ち、左手でシストルムを振っています。

王妃のまとった衣服は、形の良い身体のラインを強調し、優美な雰囲気を備えています。



ネフェルタリ王妃に、アブ・シンベルの地方神ハトホルム・エム・イプシェク(左)とイシス女神(右)が、王冠を被せています。



妊娠と出産をつかさどるタウレト女神に、ラメセス2世はパピルスとハスの花から作った花束を捧げ、ネフェルタリ王妃は、シストルムを振りながらパピルスを捧げています。



薄暗い室内から外に出ると、太陽の眩しさに眩みました。

神殿のある岩山を一周して入り口に戻る道もあるようでしたが、もう一度改めて大神殿を眺めたく、来た道を戻りました。

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