1.2kmのシークを抜けると、ペトラ遺跡のハイライトであるエル・ハズネが忽然と姿を現します。エル・ハズネは、宝物殿とも呼ばれますが、紀元前1世紀にナバタイの王アレタス4世によって建造された、葬祭儀式を行うための墓あるいは葬祭殿ではないかと言われています。
ナバタイ人は、乳香や没薬、香料などの隊商貿易で富を蓄え、最盛期にはローマ帝国とも友好関係を結んでいました。106年のローマによる併合の後しばらくは繁栄を続けていましたが、貿易路の変化や363年の地震による街の破壊によって、ナバタイは衰退してしまいました。そのため、ペトラ遺跡では、ナバタイの伝統文化に加えて、ヘレニズム、ローマ、キリスト教、アラブの文化が入り混じって見られます。
エル・ハズネは、ペトラ遺跡の他の施設と同じように、岩壁を掘り削って造られています。
正面のファサードは、高さ45m、幅30mの巨大なものになっています。
ファサードの一番上に彫られた壺は、バビロニアで良く見られる永遠のシンボルです。
この中に財宝が納められていると信じたベドウィンによって銃撃されて、かなり破壊されています。
その脇の分割された三角屋根の先端にあるのは、死者の魂を運ぶ鷲ですが、頭は破壊されて失われています。
上部のトロス(円柱)の中央に飾られているのは、使者の保護者であるイシス神(ナバタイのウッザー神と同一視されています)。
イシス神の足元には、イシス神のシンボルである豊穣の角コルヌコピアが置かれています。
またその直下の三角屋根の頂部には、魔除けとして死の女神メデューサが飾られています。
イシス神の左に置かれているのは、勝利の女神ニーケー。
イシス神の右には、ゼウスとアフロディーテの娘で幸福と繁栄の女神テュケー。
上段の両脇には、アマゾネスが飾られています。
下段の左には、ゼウスの息子のポルックスが飾られています。
下段の右には、同じくギリシャ神話の英雄カストールが飾られています。
ポルックスとカストールは双子で、ふたご座の主ですね。
人物像の破壊が進んでいるのに対し、装飾模様は比較的良好に残されています。アラブ社会になってから、偶像破壊のために人物像が破壊されたのかもしれません。
三角屋根の上部には、花の飾りが30並んでおり、これは30日を現します。
三角屋根の下には、7つのグラスが描かれており、これは一週を現します。
コリント様式の柱が12本並んでおり、これは12の月を現しています。
エル・ハズネの前では、金網越しに地下室を見下ろすことができます。2003年に発掘され、4つの部屋と人骨、副葬品が発見されました。もっともこのエル・ハズネの建築を命じたアレタス4世と思われる骨は見つかっておらず、ペトラでは未発見の遺跡も多く残されていると考えられています。
細かい装飾は別にして、エル・ハズネの巨大な姿にはただただ圧倒されます。
エル・ハズネの大きさに対し、前の広場は狭いので、全体を眺めるには左右に寄る必要があります。
エル・ハズネの前は観光客で大賑わいで、写真撮影用のラクダも客待ちをしています。
ナバタイ人兵士もチップ目当てに待機しています。装具がどれほど歴史に忠実かは疑問です。
衣装が決まっているこちらは、遺跡の管理官のようです。
エル・ハズネは、まだ遺跡の入り口にしかすぎません。さらに奥へと進みました。
エル・ハズネは、時間による光の変化によって見え方が変わるといいます。帰りの夕方の風景です。朝の光に照らされた方が、バラ色に輝いてきれいですね。
このエル・ハズネを「レイダース 最後の聖戦」で見た時の衝撃は忘れられません。この遺跡の名前も、どこにあるものかは知りませんでしたが、自分の目で見てみたいという憧れを感じました。
ペトラ遺跡を訪れるに際し、ビデオを再度見直しました。
薄暗いシークの中を進むインディアナ・ジョーンズ一向。
突如、巨大な遺跡が出現。
エル・ハズネの中に入る一向。エル・ハズネの中では、聖杯の騎士が聖杯を守っていることになっています。
名作映画の一つの要素に、映画ロケ地の魅力が挙げられますが、「レイダース 最後の聖戦」におけるエル・ハズネの扱いは見事です。
ナバタイ人は、乳香や没薬、香料などの隊商貿易で富を蓄え、最盛期にはローマ帝国とも友好関係を結んでいました。106年のローマによる併合の後しばらくは繁栄を続けていましたが、貿易路の変化や363年の地震による街の破壊によって、ナバタイは衰退してしまいました。そのため、ペトラ遺跡では、ナバタイの伝統文化に加えて、ヘレニズム、ローマ、キリスト教、アラブの文化が入り混じって見られます。
エル・ハズネは、ペトラ遺跡の他の施設と同じように、岩壁を掘り削って造られています。
正面のファサードは、高さ45m、幅30mの巨大なものになっています。
ファサードの一番上に彫られた壺は、バビロニアで良く見られる永遠のシンボルです。
この中に財宝が納められていると信じたベドウィンによって銃撃されて、かなり破壊されています。
その脇の分割された三角屋根の先端にあるのは、死者の魂を運ぶ鷲ですが、頭は破壊されて失われています。
上部のトロス(円柱)の中央に飾られているのは、使者の保護者であるイシス神(ナバタイのウッザー神と同一視されています)。
イシス神の足元には、イシス神のシンボルである豊穣の角コルヌコピアが置かれています。
またその直下の三角屋根の頂部には、魔除けとして死の女神メデューサが飾られています。
イシス神の左に置かれているのは、勝利の女神ニーケー。
イシス神の右には、ゼウスとアフロディーテの娘で幸福と繁栄の女神テュケー。
上段の両脇には、アマゾネスが飾られています。
下段の左には、ゼウスの息子のポルックスが飾られています。
下段の右には、同じくギリシャ神話の英雄カストールが飾られています。
ポルックスとカストールは双子で、ふたご座の主ですね。
人物像の破壊が進んでいるのに対し、装飾模様は比較的良好に残されています。アラブ社会になってから、偶像破壊のために人物像が破壊されたのかもしれません。
三角屋根の上部には、花の飾りが30並んでおり、これは30日を現します。
三角屋根の下には、7つのグラスが描かれており、これは一週を現します。
コリント様式の柱が12本並んでおり、これは12の月を現しています。
エル・ハズネの前では、金網越しに地下室を見下ろすことができます。2003年に発掘され、4つの部屋と人骨、副葬品が発見されました。もっともこのエル・ハズネの建築を命じたアレタス4世と思われる骨は見つかっておらず、ペトラでは未発見の遺跡も多く残されていると考えられています。
細かい装飾は別にして、エル・ハズネの巨大な姿にはただただ圧倒されます。
エル・ハズネの大きさに対し、前の広場は狭いので、全体を眺めるには左右に寄る必要があります。
エル・ハズネの前は観光客で大賑わいで、写真撮影用のラクダも客待ちをしています。
ナバタイ人兵士もチップ目当てに待機しています。装具がどれほど歴史に忠実かは疑問です。
衣装が決まっているこちらは、遺跡の管理官のようです。
エル・ハズネは、まだ遺跡の入り口にしかすぎません。さらに奥へと進みました。
エル・ハズネは、時間による光の変化によって見え方が変わるといいます。帰りの夕方の風景です。朝の光に照らされた方が、バラ色に輝いてきれいですね。
このエル・ハズネを「レイダース 最後の聖戦」で見た時の衝撃は忘れられません。この遺跡の名前も、どこにあるものかは知りませんでしたが、自分の目で見てみたいという憧れを感じました。
ペトラ遺跡を訪れるに際し、ビデオを再度見直しました。
薄暗いシークの中を進むインディアナ・ジョーンズ一向。
突如、巨大な遺跡が出現。
エル・ハズネの中に入る一向。エル・ハズネの中では、聖杯の騎士が聖杯を守っていることになっています。
名作映画の一つの要素に、映画ロケ地の魅力が挙げられますが、「レイダース 最後の聖戦」におけるエル・ハズネの扱いは見事です。