さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 ソウル その6

2010年09月05日 | 海外旅行
宗廟は、李氏朝鮮の王と王族を祀る廟です。現在でも、王の末裔と全州の李氏が集まって宗廟祭礼が行われており、1995年には建物はユネスコの世界遺産に、儀式は無形文化遺産に認定されています。

入り口の先には、三道と呼ばれる石畳が続いています。中央は祖先のための神路で、右は王、左は世子が歩く道とされています。現在でも、中央の道は立ち入り禁止になっています。



宗廟は、深い木立に囲まれており、それを抜けると斎宮に出ます。ここでは参拝前に身を改めた所ですが、夏休みの子供たちに占領されていました。



宗廟では、正殿と永寧殿の二つの建物があります。正殿には、功績のあった王として、太祖李成桂をはじめとする19代の王と王妃が祀られています。

入り口には、祀られている王を記した説明板が置かれていました。



李氏朝鮮の王様については、あまり馴染みがありませんが、ハングル文字を創った世宗大王、韓流ドラマの「チャングムの誓い」で登場する中宗大王、「イ・サン」の主人公の正祖は正殿に祀られています。これに対し、「チャングムの誓い」で暴君として登場する燕山君は王位を継承したものの廃位されて永寧殿にまわされています。



正殿は、広い前庭が設けられ、横長の建物になっています。その中には位牌が納められ、お墓は別なところにあります。



装飾は施されておらず、質素な建物になっています。



続いて隣の永寧殿へ。



こちらにも、祀られている王の説明盤が置かれています。



ここでは、末尾に、皇太子英王と皇太子妃李氏の名前が記されているのに注目です。日韓の懸け橋となるべく結婚した梨本宮方子ですが、日本の敗戦に伴って王族の身分も失うなど波乱の人生を送りました。李氏朝鮮の王族の末尾に祀られて、日本人であった彼女が朝鮮に人々に受け入れられたことに、ほっとした気持ちにさせられます。



永寧殿は、正殿と同じ造りですがやや小ぶりになっています。

宗廟の建物は地味ですが、李氏朝鮮の歴史を思い返す上で興味深い所です。
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