さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 バナーラス その2

2011年12月22日 | 海外旅行
ホテルは、バナラスの街を挟んでガンジス河の反対側にあったので、リクシャーに乗って夜のガンガー見学に向かいました。



リクシャーは、第二次世界大戦前に日本から輸入した人力車が語源になっています。小型の三輪自動車は、オートリクシャーと呼び、ともに、インドでの主要な移動手段になっています。リクシャーの漕ぎ手は、リクシャワーラーと呼ばれます。このリクシャーの運賃は、交渉次第で、さらにチップの上乗せを要求されるなど、インド旅行者の乗り越えなければならない関門になっています。

汗を拭きながら自転車を漕ぐ姿を見て、この労働に見合う料金を日本のレベルで考えれば、千円ほどはあげてもよさそうに思ってしまいますが、実際の金額はガイドが払っていたので判りませんでしたが、相場ははるかに安いようです。しかし、インド人は、そのあたりも詩っていて、外国人旅行者と見ればふっかけてくるので、同情は無用です。



道はでこぼこ。自動車やオートリクシャーも混じった大混雑の中を、曲芸のようにオートリクシャはすり抜けていきます。旅行保険を掛けておいて良かったと思いました。

揺れも大きく、オートリクシャーの上からは、写真はほとんど取れませんでした。



何を売っているのか判らないような店もあって、風景を楽しむことができます。



これは、衣類の店



ガンジス河にそって並ぶガートの手前の交差点で、リクシャーを下りて歩きました。



ぶるさがる看板なども面白いのですが、すごい人混みで、はぐれないように注意が必要でした。



メインストリートとあって、道路の両側には店が並んでいます。



サリーのお店。



ネコ発見。豹柄で、なかなか堂々とした姿をしています。地上波野良犬に占領されているけど、屋根上は我が天下という顔をしています。

インドでは、牛や犬をはじめ、水牛、ヤギ、豚、象、ラクダ、猿、リス、ネズミをはじめとする動物を多く見ましたが、猫を見たのはこれだけでした。

日本でも最近知られるようになった象頭のガネーシャはインドでも人気のある神様になっています。このガネーシャの乗り物がネズミのため、これを捕獲する猫は敬遠されると、どこかで読みました。



ガンジス河の畔に出ました。この河は、インド風にガンガーと呼ぶことにしましょう。



沐浴のために、ガンガーの西岸には、84のガート(沐浴場)が設けられています。季節によってガンガーの水面は上下するため、ガートは階段状になっています。12月は乾季のため、水面まで階段を下る必要があります。



到着したガートは、ラージェーンドラ・プラサートで、ここから船に乗りました。



隣りは、ガートの中心地といえるダシャーシュワーメート・ガートで、ブーシャーよ呼ばれる夜の勤行が行われるため、大勢の人が集まっていました。



まずは、船に乗ってガンガーに出ました。



満月の前日とあって、月は明るく輝いていました。



まずは、下流方向に向かいました。



沐浴場のために昔から富豪が建物を寄進してきたたため、ガンガーにそって古い建物が並んでいます。



マニカルニカー・ガートで行われている火葬の炎が見えてきました。



「ガンジス河の聖なる水で沐浴すれば、あらゆる罪業は清められて消滅し、バラナスで死んで遺灰を流せば、苦しい輪廻から解脱することができる」とヒンドゥー教徒は、信じているようです。バラナスは、ヒンドゥー教の聖地の一つで、ここで死ぬことを目的としてやってくる信者も多いそうです。

バナーラスは、「マハーシュマシャーナ(大いなる火葬場」という別名も持っています。



遺体は、薪の上に置かれて焼かれ、最後に遺灰はガンガーに流されます。

充分に人生を経験していない子供や、すでに人生を超越している出家者は、荼毘には付されず、石の重りをつけてガンガーに沈められるといいます。

時には、流されてくる遺体を目にすることもあるようですが、夜のガンガーは、川面に月と火葬の明かりを美しくうつしていました。



船は、火葬場の前まで進みましたが、写真撮影はここまでになりました。

火葬場では、八つほどの炎が上がっていました。火葬の準備の遺体にかけるガンガーの水を汲む儀式なども行われており、炎は夜通し絶えることがなさそうです。

昼間はかなり凄惨な火葬場の光景も見られるようですが、夜はそういったものを隠し、炎の明かりが輝いていました。

ガンガーの水面に浮かぶ火葬の炎を見ていると、どのような生が終わったのかは判りませんが、自然に故人の冥福を祈る気持ちが湧いてきました。

合掌。
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