さすらい人の独り言

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さすらいの風景 瀋陽 その1

2011年06月24日 | 海外旅行
瀋陽は、中国東北地方の主要な都市のひとつで、清の初代皇帝になるヌルハチが女真族を統一して後金国を建てると、盛京と呼ばれて首都になりました。清の三代目皇帝順次帝が北京に遷都した後は、第二の都として奉天府が置かれました。満洲国成立後は奉天と呼ばれ、現在は瀋陽と呼ばれるようになっています。

瀋陽は、東北地方きっての古都で、現在では近代的な開発も進んでいますが、奉天城が置かれていた地域には、清朝創設期の宮殿や陵墓が残されて、観光の対象になっています。

バスの中からですが、撫近門(大東門)を見ることができました。

奉天城の一帯には、城壁の名残も見ることができますが、実際には一度破壊されて復元されたもののようです。



また、これは瀋陽故宮を訪れた際に見た懐遠門(大西門)です。



瀋陽観光の目玉というべき、瀋陽故宮を訪れました。

後金の2人の皇帝・ヌルハチとホンタイジの皇居で、清として北京に遷都した後も引き続き離宮として用いられました。

ユネスコの世界遺産では、「北京と瀋陽の明・清王朝皇宮」として、北京の故宮博物院に加えて追加登録されています。

北京の故宮博物院は何度も訪れていますが、この瀋陽故宮博物院も見てみたいというのも、今回の旅のきっかけになっています。



入り口にあった壁飾り

紫禁城なら龍の飾りですが、水鳥が描かれていました。



瀋陽故宮は、東路、中路、西路の区域に分かれており、まずは最も古い地区である西路を訪れました。

広場に出ると、大政殿が姿を現しました。



広場の左右には、 十王亭と呼ばれる、右大臣と左大臣、さらに満洲族の軍事集団である八旗のものである十の建物が並んでいます。



建物の中には、八旗の旗が展示されていました。

ヌルハチの統一事業の進展によって軍事集団も増えていき、最終的には、八旗の旗になりました。



満州族は、八旗のいずれかに所属させられるので、八旗は軍事組織であると同時に社会組織・行政組織になっていきました。



衣装も展示されていました。



大政殿は、皇帝が式典を行う場所で、1636年にはホンタイジによる大清建国の式典、さらに順次帝の即位式がここで行われました。

大政殿は、八角形をしており、移動式テント・ゲルを真似ているといいます。



正面の左右の柱には、皇帝を表す龍がからみついて、大政殿を特徴的な姿にしています。



大政殿入り口の前には、龍が彫られたレリーフが置かれています。



大政殿の内部。八角形の形に並ぶ柱の中央に玉座が置かれています。



玉座の上には、天蓋が置かれています。



大政殿の前に置かれていた獅子の石象。不細工なかわいい顔をしています。



板壁に取り付けられた龍の飾り



屋根飾りの走獣も並んでいましたが、最高の権威を持つ建物のはずにしては、数が少ないですね。



大政殿の奥には、コンクリート製の壁が作られていましたが、地元ガイドに聞いたところ、世界遺産の登録にあたって、近代的なビルを目隠しするために造られたといっていました。

瀋陽故宮は、街中にあるので、景観を守るのに苦労しているようです。
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