alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

サンジェルマンデプレの熱い夜

2011年05月06日 | パリのカフェ文化




 この先どうなることやらですが

 昨日は少しだけ夢をみさせてもらえました。



 今回長いこと滞在しているのに一度も
訪れていなかったカフェドフロールに
行ってきました。もう何度も来たからわかるけど
パリは確かに存在していて あそこに行けば
ああまたあの人という人たちがいる
そうなんだ だけどやっぱり遠かった
そんなデプレに行ってきました。


 「ミキね、水曜の夜にカフェ ボナパルトの
オープニングイベントがあるんだけど行ってみる?」
そうParis-bistro.comの代表に言われ
どんな会なのかもよくわからなかったけど
とにかく夜のサンジェルマンデプレに行きたい一心で
「行きたい!行かせてください」と代表と
お家の人に頼んでなんとか一人で行かせてもらった。


 駅を降りると ああデプレ

 ここはやっぱり変わらないんだ

 デプレの教会 へージャズイベントがあるんだそうな
いいなあ行きたい そうして目の前にあるドゥマゴの
目と鼻の先にボナパルト。ボナパルトは高そうな雰囲気だったから
カフェを研究しているわりに一度も入ったことがなかった。

 ボナパルトの前には沢山の人だかりができていて
みなさん素敵なスーツやらお洒落な服を来ていて
場違いなニットを脱いで(相変わらずスプリングコートがない)
受付の人にきいてみる。と、「あーブロンベルジェさんね!」と
通してくれる。しばらくすると代表をみつけて話をきくことに。


 昨日はだいぶ昔からサンジェルマンデプレにある
ボナパルトのインテリア改装新規オープニングパーティだったらしくて
来た人たちはシャンパン片手に沢山の人と会話をしていた。
私たちは新しいカフェにできた木をつかったお洒落な
エレベーター(!パリのカフェでエレベーターなんてみたことない)
やら、30年代風のランプやらをみたりしつつ
インテリアを担当したデザイナーの人をつかまえて
インタヴューをさせてもらったり(私は
代表の横できいていただけだけど)
私もこのお店のオーナーにちょっとインタヴューを
させてもらったり、2人でギャルソンに話を聞いてみたり。


 それから代表が「ミキ、ちょっとフロールで
一杯飲んでくかい?今日フロールで
オーケストラがあるんだよね」と誘ってくれて
ふーむせっかくだからちょっとお話でもしようと
いう感じなのかな?と思ってフロールに行くと大間違い。
「あ 今日はね、フロールの2階で哲学カフェがあるはずですよ
友人が英語の哲学カフェを開催してるんです」というと
「そんなはずはない」とのこと
はて?と思うと1階に哲学カフェの人たちは移されて
2階は変な集団で占拠されていた。


 「サンジェルマンデプレでね、こんどバーを
めぐるマラソンがあるんだよ」「はあ?」
私は意味がわからなかった。それはもう13年前から
開催されている「Festival Singe-Germain」という
イベントで(これはサンジェルマンという感じで読めるのだけど
サンジュというのは猿という意味)、なんとこの界隈の
42のカフェやらバーを走りながら巡って、42杯の
小さなグラスを飲み続けるというイベントらしい

 この日のフロールは「記者会見」?と代表は
行っていたけど前祝いみたいなものだったのだろうか
フランスにも酔っ払いっているんだ!!!っていうくらい
激しく彼らは歌ったり遊んだり さすがサンジェルマンデプレの猿、、、
なんというか、、、大阪のノリのいい飲み会みたいな感じ?
ここでもワインがめちゃくちゃふるまわれ
関係者の人たちは床にみんなで並んで横になり
フロールのギャルソンがそこに飛び込み
彼らの手でリレーされて遠くまで運ばれていた、、、
こんなことって あるんだなあ、、、
私は目を疑った。





 まじめくさったフロールなのかと思っていたけど
そういえばサンジェルマンデプレってかつて
こんな場所だったんだよな そして私は彼らの
早口なフランス語になんとかついていこうと
必死になっているだけなのだけど それでも
フロールのテラスの外でいつものように
なんとなくタバコをふかしてたまってしまった人たちと
会話をしている そんな所にいさせてもらえて嬉しかった。


 「どうだいフロールとボナパルトは全然
雰囲気が違うだろう?」そんなフロールの一階では
顔をみたことのある人たちが真面目な顔で哲学カフェ。
さぞかしあの騒音が邪魔だったことだろう。


 この先何がどうなってくのか
道がちょっとでも開けていくのか
諦めきってもう日本に帰ってしまうのか
私にはまだわからないけど 昨日ボナパルトから
眺めていたサンジェルマンデプレの教会の夜は
美しかった。ここには独自の世界があって
すごい世界の人たちがいて みんな
一人の肉体をもった 人間なんだなあ


 もっとフランス語がわかったら
もっといろんなことを知ってたら
もっと気のきいた会話ができたなら
そしてちゃんと日本語版がしっかりとした仕事になったら
そりゃあ素敵だろうになあ


 昨日はそんな夢をみて
とても素敵な夜だった。
今日は?子供に振り回されて本当に
やるせなかったけど フランスにきて
しんどい思いをしてそれでも自分しか
いないような状況で なんとなく
見えて来ることもある 私のこういう態度が
こういう結果を招いたのかな
もっとこうしてみたらどうなのだろう
そうやってもがいていること
もがきつづけてかろうじて生きていること
そのことにも意味はあるのだろうか

 明日はもっと蓮太郎と楽しく過していられるだろうか
この先どうなるかわからないけど
もう少しだけ とどまってみたい。

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